ペネロペ・クルス（Penélope Cruz）は、スペイン出身の世界的女優。1974年4月28日生まれ。『ハモンハモン』でデビューし、『ボルベール』でカンヌ女優賞、『それでも恋するバルセロナ』でアカデミー賞受賞。夫はハビエル・バルデム。情熱的で魅力的な演技が特徴。
プロフィール
- 名前：ペネロペ・クルス（Penélope Cruz）
- 本名：ペネロペ・クルス・サンチェス（Penélope Cruz Sánchez）
- 生年月日：1974年4月28日（51歳）
- 出生地：スペイン、マドリード州アルコベンダス
- 職業：女優
- ジャンル：映画
- 活動期間：1988年～現在
- 配偶者：ハビエル・バルデム（2010年～）
- SNSサイト：Instagram・X
生い立ち・教育
ペネロペ・クルス・サンチェスは、1974年4月28日、スペインのマドリード県アルコベンダスに生まれました。父親のエドゥアルド・クルスは商人、母親のエンカルナ・サンチェスは美容師という中産階級の家庭で育ちました。妹のモニカ・クルスは元ダンサーで現在は女優、弟のエドゥアルド・クルス・ジュニアは歌手として活動しています。幼少期から芸術に強い関心を持ち、特にダンスに情熱を注ぎました。彼女は9年間、マドリードの国立芸術院でクラシックバレエとスペイン舞踊を学び、その後ニューヨークで4年間さらにバレエを深めました。このダンスの経験は、後に彼女の演技における身体表現や情感の豊かさに大きく寄与しています。
高校は中退しましたが、芸術への情熱から15歳の時にタレント・エージェンシーのオーディションを受け、約300人の候補者の中から選ばれました。この早い時期での成功は、彼女の強い意志と才能を示しています。バレエや舞踊の厳格な訓練を通じて培った規律と表現力は、女優としてのキャリアの基盤となりました。
経歴
ペネロペ・クルスの女優としてのキャリアは、16歳の時にテレビ出演から始まり、1992年の映画『ハモンハモン』で映画デビューを果たしました。この作品で彼女は一躍注目を集め、スペイン映画界での地位を確立しました。同年、歴史ドラマ『ベル・エポック』に出演し、この映画はアカデミー外国語映画賞を受賞するなど国際的な評価を得ました。
その後、スペインを代表する監督ペドロ・アルモドバルとのコラボレーションが彼女のキャリアを大きく飛躍させました。『ライブ・フレッシュ』（1997年）、『オール・アバウト・マイ・マザー』（1999年）、『ボルベール〈帰郷〉』（2006年）、『ブロークン・エンブレイス』（2009年）、『アイム・ソー・エキサイテッド』（2013年）、『ペイン・アンド・グローリー』（2019年）、『パラレル・マザーズ』（2021年）など、アルモドバル作品での彼女の演技は世界的に高く評価されています。特に『ボルベール〈帰郷〉』では、カンヌ国際映画祭女優賞やヨーロッパ映画賞最優秀女優賞を受賞し、スペインを代表する女優としての地位を不動のものとしました。
ハリウッドでも活躍し、2008年のウディ・アレン監督作『それでも恋するバルセロナ』でアカデミー賞助演女優賞を受賞。これはスペイン人女優として初のアカデミー賞受賞という快挙でした。他にも『バニラ・スカイ』（2001年）、『ナイン』（2009年）、『パイレーツ・オブ・カリビアン／生命の泉』（2011年）など、英語圏の作品でも存在感を示しています。2021年の『パラレル・マザーズ』では、ヴェネツィア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞し、女優としての進化を続けています。
また、彼女はファッション業界でも活躍し、シャネルやランコムのアンバサダーとしても知られています。30年以上のキャリアで約70本の映画に出演し、その多才さと情熱的な演技で世界中の観客を魅了し続けています。
私生活
ペネロペ・クルスの私生活も注目を集めています。2010年7月、俳優のハビエル・バルデムと結婚しました。2人は『ハモンハモン』での共演をきっかけに知り合い、長年の友人関係を経て恋愛に発展。2011年に長男レオ、2013年に長女ルナをもうけ、2児の母として家庭を大切にしています。夫妻はプライバシーを重視し、公の場では家族について控えめに語ることが多いですが、互いのキャリアを支え合う姿がたびたび報じられています。2013年には第二子の妊娠を公表し、仕事と家庭の両立を見事にこなしています。
かつて「魔性の女」とも称された彼女ですが、現在のイメージは母としての温かさとプロフェッショナルな女優としての自信に満ちたものです。スペインらしい情熱的で家族を重んじる価値観が、彼女の魅力の一端を形成しています。また、彼女はスペイン語、英語、カタロニア語を流暢に話し、多言語を操る才女としても知られています。
出演作品
ペネロペ・クルスの代表的な出演作品は多岐にわたります。以下は主な作品の一部です。
- ハモンハモン（1992年）：デビュー作。情熱的な役柄で注目を集め、ハビエル・バルデムと初共演。
- ベル・エポック（1992年）：アカデミー外国語映画賞受賞作。スペイン内戦前のロマンスを描く。
- ライブ・フレッシュ（1997年）：アルモドバル監督との初コラボレーション。
- オール・アバウト・マイ・マザー（1999年）：アルモドバル監督作で国際的な評価を得る。
- バニラ・スカイ（2001年）：トム・クルーズと共演したハリウッド作品。
- ボルベール〈帰郷〉（2006年）：カンヌ女優賞受賞。母親役での深い演技が絶賛。
- それでも恋するバルセロナ（2008年）：アカデミー助演女優賞受賞。情熱的な画家役。
- ブロークン・エンブレイス（2009年）：アルモドバル監督との再タッグ。
- パイレーツ・オブ・カリビアン／生命の泉（2011年）：ハリウッド大作でのアクション役。
- ペイン・アンド・グローリー（2019年）：アルモドバル監督の自伝的映画。
- パラレル・マザーズ（2021年）：ヴェネツィア最優秀女優賞受賞。母性をテーマにした感動作。
- オフィシャル・コンペティション（2021年）：映画製作の裏側を描くコメディで、風変わりな監督役を熱演。
これらの作品は、彼女の幅広い演技力とスペイン映画からハリウッドまでを網羅するキャリアを示しています。
レビュー 作品の感想や女優への思い