1970年代の香港を舞台に、ICACの女潜入捜査官メイクイが麻薬マフィア壊滅に挑むスパイアクション。シュー・トントン主演のスタイリッシュな活躍が光る。監督はバリー・ウォン。日本未公開、83分。以下、女優の活躍、衣装・メイクアップ・ヘアスタイル、あらすじ、解説、キャスト、スタッフについて説明します。
基本情報
- 邦題：ザ・スパイ エージェント・ウルトラ
- 原題：老板娘2无间潜行
- 公開年：2022年
- 製作国：中国
- 上映時間：83分
- ジャンル：アクション
見どころ
監督は『追龍』などで知られる香港のヒットメーカー、バリー・ウォン。ニューヒロイン、シュー・トントンが強く美しいヒロインを演じ、華麗なアクションで魅せる。
あらすじ
物語の舞台は1970年代、英国統治下の香港。麻薬密売や汚職が横行する無法地帯で、英国政府は腐敗撲滅のため「香港廉政公署（ICAC）」を設立。主人公のメイクイ（シュー・トントン）は、ICACに所属する優秀な女潜入捜査官です。彼女は、巨大な麻薬マフィアの壊滅という危険な任務を命じられ、組織のナンバー2であるハンの側近として潜入します。
メイクイは、頭脳明晰で戦闘能力に優れ、敵の懐に飛び込む大胆さを持つエージェント。マフィア内部では、警察の汚職や裏切りが絡む複雑な状況に直面しながら、組織のボスや英国警察との駆け引きを繰り広げます。潜入捜査は命懸けのミッションとなり、メイクイは孤立無援の中で知恵と勇気を駆使して任務を遂行。やがて、組織の核心に迫るにつれ、予想外の真実が明らかに。彼女の運命は、壮絶な結末へと向かいます。
解説
『ザ・スパイ エージェント・ウルトラ』（原題：老板娘2 无间潜行、英語題：Queen of Triads 2）は、香港映画の伝統的なアクションとスパイ要素を融合させた作品です。邦題は、2015年のアメリカ映画『エージェント・ウルトラ』に便乗したものとされており、原題の「老板娘2」（ボスの女2）が示すように、前作『老板娘』（Queen of Triads）の続編にあたります。ただし、ストーリーの連続性は薄く、単独で楽しめる内容です。
1970年代の香港を舞台に、史実に基づくICACの設立を背景に描かれる本作は、犯罪組織「三合会」の暗躍や汚職警官の蔓延といった時代特有の混沌を反映。アクション場面は派手さよりもリアリティを重視し、潜入捜査の緊張感や心理戦が物語の中心です。しかし、レビューでは「アクションが期待ほどではない」「TVドラマのスケール感」との声もあり、派手なアクションを求める視聴者には物足りない可能性があります（Filmarks平均スコア2.4点）。それでも、シュー・トントンの魅力とスタイリッシュな演出が作品の核となっています。
監督のバリー・ウォンは、『シティーハンター』や『追龍』で知られる香港映画界のヒットメーカー。彼の作品らしいテンポの良い展開と、香港映画特有のハードボイルドな雰囲気は健在です。また、アクション監督のミング・キン・ウォンによる格闘シーンは、シュー・トントンの身体能力を活かした見せ場を提供しています。
女優の活躍
本作の主演は、中国出身の女優シュー・トントン（Xu Tongtong）。SNSフォロワー1200万人を誇る彼女は、『Miss.リベンジ』や『Miss.デンジャラス』で注目を集め、本作では「令和のニューヒロイン」として宣伝されています。メイクイ役では、美貌と知性を兼ね備えたエージェントを熱演。潜入捜査官としての冷静な判断力と、危機的状況での大胆なアクションを披露し、観客を引き込みます。
シュー・トントンのアクション場面は、銃撃戦や格闘を中心に構成され、彼女のしなやかな動きが際立ちます。特に、マフィアのボスとの対峙シーンでは、心理戦を交えた緊迫感ある演技が光ります。レビューでは「シュー・トントンの美貌が作品の救い」「他の作品も観たくなる」と高評価の一方で、ストーリーの薄さが彼女の活躍をやや制限しているとの意見も。とはいえ、彼女の存在感は本作の最大の魅力と言えるでしょう。
女優の衣装・化粧・髪型
シュー・トントンの衣装は、1970年代の香港を意識したスタイリッシュなデザインが特徴。潜入捜査官として、マフィアの側近にふさわしいエレガントなドレスや、スーツスタイルが登場します。ドレスは、深紅や黒を基調としたタイトなシルエットで、彼女のスタイルを強調。アクション場面では、動きやすさを考慮したレザージャケットやブーツが用いられ、クールな印象を与えます。これらの衣装は、香港映画の「女侠」像を現代的にアップデートしたものと言えます。
メイクアップは、潜入捜査官の二面性を表現。マフィア内部では、華やかな赤リップとスモーキーなアイメイクで魅惑的な雰囲気を演出。一方、任務中はナチュラルメイクで知的な印象を強調し、役柄の変化を視覚的に補完しています。ヘアスタイルは、ロングヘアを活かしたアップスタイルや、アクションに適したポニーテールが中心。1970年代のレトロな雰囲気と現代的な洗練を融合させ、彼女の美しさを際立たせています。
キャスト
- メイクイ：シュー・トントン（Xu Tongtong）。ICACの女潜入捜査官。知性と戦闘能力を兼ね備えた主人公。
- ハン：マイケル・ツェー（Michael Tse）。マフィアのナンバー2。メイクイの潜入先となるキーパーソン。
- ケント・トン（Kent Tong）：マフィア組織の重要人物。詳細な役柄は不明だが、存在感ある演技。
- リ・スアン（Li Xuan）：脇を固める女優。メイクイと関わる役どころ。
その他、詳細な役名や脇役の情報は限定的ですが、香港映画らしい個性的な俳優陣が脇を固めています。
スタッフ
- 監督・脚本：バリー・ウォン（Barry Wong）。『シティーハンター』や『追龍』で知られる香港映画のベテラン。本作では監督と脚本を兼任。
- 監督：ビーナス・キョン（Venus Keung）。バリー・ウォンと共同で監督を務める。
- プロデューサー：ジョー・ウォン・チンイン（Joe Wong Ching-in）。作品の全体的なトーンを統括。
- アクション監督：ミング・キン・ウォン（Ming Kin Wong）。シュー・トントンのアクション場面を設計。リアルで緊張感ある格闘を演出。
総括
『ザ・スパイ エージェント・ウルトラ』は、シュー・トントンの魅力と香港映画のスパイアクションの伝統を融合させた作品です。1970年代の香港という歴史的背景を活かし、潜入捜査のスリルと心理戦を描きますが、アクションの物足りなさやストーリーの薄さが指摘される点は否めません。それでも、シュー・トントンのスタイリッシュな活躍と、衣装・メイク・ヘアスタイルの完成度は観る価値あり。バリー・ウォン監督のファンや、香港映画のハードボイルドな雰囲気を楽しみたい方に特におすすめです。日本では未公開ながら、配信で気軽に視聴できる点も魅力です。
レビュー 作品の感想や女優への思い