パメラ・ギドリー(Pamela Gidley)は米国の女優・モデル。『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』のテレサ・バンクス役や『CSI:科学捜査班』で知られる。モデルから女優に転身し、1980~90年代の映画・TVで活躍。ニューハンプシャー州で死去、享年52歳。
プロフィール
- 名前:パメラ・ギドリー(Pamela Gidley)
- 出生名:パメラ・キャサリン・ギドリ(Pamela Catherine Gidley)
- 生年月日:1965年6月11日
- 出生地:米国マサチューセッツ州メスエン
- 没年月日:2018年4月16日没(享年52歳)
- 死没地:米国ニューハンプシャー州シーブルック
- 職業:女優・モデル
- 活動期間:1986~2006年
- 配偶者:ジェームズ・リュー(2005年に結婚、2008年に離婚)
生い立ち・教育
パメラ・キャサリン・ギドリー(Pamela Catherine Gidley)は、1965年6月11日にアメリカ・マサチューセッツ州メスエンで生まれ、ニューハンプシャー州セーラムで育ちました。4人兄弟の3番目で、唯一の娘として、2人の兄(グレンとダニエル)と弟(ブライアン)と共に育ちました。幼少期から美貌に恵まれ、8歳の時にボストンのタレントエージェンシーのテレビ広告を見てモデルとしてのキャリアをスタートさせました。この早熟な才能が、後の女優人生の基盤となります。
モデルとしての成功を背景に、彼女は演技への情熱を追求するため、ニューヨークの名門「ステラ・アドラー・スタジオ・オブ・アクティング」で演技を学びました。このスタジオは、伝説的な演技教師ステラ・アドラーによる指導で知られ、ギドリーはここで演技の基礎を徹底的に磨きました。彼女の教育は、モデルとしての経験と演技の理論的学習を融合させ、後のハリウッドでの活躍に大きく寄与しました。ロサンゼルスに移住後、ディノ・デ・ラウレンティスによるスクリーンテストに合格し、プロの女優としての第一歩を踏み出しました。
経歴
パメラ・ギドリーの女優としてのキャリアは、1986年の映画『Thrashin’』でデビューを飾ったことから始まります。このスケートボードをテーマにした青春映画では、若きジョシュ・ブローリンと共演し、注目を集めました。1980年代後半には、『Dudes』(1987年)、『Cherry 2000』(1988年)、『The Blue Iguana』(1988年)、『Permanent Record』(1988年)など、数々の映画に出演。『Cherry 2000』では、タイトルロールであるアンドロイドの妻を演じ、カルト的な人気を博しました。
1990年代に入ると、彼女のキャリアはさらに広がりを見せます。特に、1992年のデヴィッド・リンチ監督作『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』でのテレサ・バンクス役は、彼女の代表作の一つとなりました。この役は、親友であるシェリリン・フェンの推薦もあり、リンチ監督が強く希望してキャスティングされたもので、撮影ではリンチ自らが彼女のメイクをデザインするなど、特別な配慮がなされました。ギドリーはこの作品で、ミステリアスで重要な役柄を演じ、カルト的な人気を獲得しました。また、同時期に『The Crew』の撮影スケジュールと重なり、リンチが保険費用を負担して彼女の出演を可能にするなど、彼女への信頼が伺えます。
TV番組でも活躍し、1987~1988年の『Tour of Duty』でニッキ・レインズ中尉役を3話にわたり演じ、ベトナム戦争を背景にしたドラマで存在感を示しました。1995~1996年には、フォックスのミステリードラマ『Strange Luck』でオードリー・ウェスティン役として主演を務め、短命に終わったものの、独特な世界観で一部のファンに愛されました。さらに、1997~2000年の『The Pretender』では暗殺者ブリジット役でリカーリング出演し、公式ウェブサイトで最初に紹介されたキャラクターとして話題に。2000~2003年には『CSI:科学捜査班』の初期シーズンで、ウィリアム・ピーターセン演じるギル・グリッソムの恋愛対象となるテリ・ミラー役を演じ、犯罪ドラマでの存在感を確立しました。
2000年代以降も、『Skin』(2003年)や『The Closer』(2006年)などに出演しましたが、『Skin』はわずか8話で打ち切りとなり、彼女のキャリアは徐々に縮小。2006年の『The Closer』が最後のスクリーン出演となりました。その後は女優業から退き、故郷のニューハンプシャー州シーブルックに戻りました。彼女のキャリアは、モデルから女優への転身を成功させ、映画とテレビの両方で多様な役柄を演じたことで知られています。
私生活
パメラ・ギドリーの私生活については、比較的プライバシーが保たれており、公に知られている情報は限られています。彼女は2005年から2008年まで、武道家で俳優のジェームズ・ルーと結婚していました。この結婚は短期間で終了しましたが、彼女の人生における重要な出来事の一つです。また、彼女は『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』で共演したシェリリン・フェンとは18歳の頃からの親友であり、プライベートでも深い絆を持っていました。この友情が、彼女が『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』への出演につながった背景でもあります。
晩年は女優業から離れ、ニューハンプシャー州シーブルックに定住。家族、特に弟の世話をするためにマサチューセッツに一時移住したこともありました。2018年4月16日、52歳の若さでシーブルックの自宅で亡くなりました。死因は公表されていませんが、彼女の死は多くのファンや共演者に衝撃を与えました。ギドリーは、派手なスキャンダルや公の注目を避け、静かな生活を選んだ人物として記憶されています。
出演作品
以下は、パメラ・ギドリーの主な出演作品の一部です。
映画
- Thrashin’(1986年):デビュー作。スケートボードをテーマにした青春映画で、ジョシュ・ブローリンと共演。
- Dudes(1987年):パンクロックと西部劇を融合したカルト映画。
- Cherry 2000(1988年):アンドロイドの妻役で主演。SFカルトクラシックとして知られる。
- The Blue Iguana(1988年):コミカルな犯罪映画での脇役。
- Permanent Record(1988年):青春ドラマでの重要な役柄。
- オブセッション/愛欲の幻(1991年):ミステリアスな恋愛スリラー。
- Highway to Hell(1992年):ホラーコメディでの出演。
- ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間(1992年):テレサ・バンクス役。デヴィッド・リンチ監督のカルト作品。
- Jane Austen’s Mafia!(1998年):コメディ映画での軽快な演技。
- The Little Vampire(2000年):ファミリー向けコメディ映画。
- Kiss & Tell(1997年):プロデューサーも兼任したインディペンデント映画。
TV
- MacGyver(1986年):ゲスト出演でテレビデビュー。
- Tour of Duty(1987~1988年):ニッキ・レインズ中尉役で3話に出演。
- Strange Luck(1995~1996年):オードリー・ウェスティン役で主演。
- The Pretender(1997~2000年):ブリジット役でリカーリング出演。
- CSI: Crime Scene Investigation(2000~2003年):テリ・ミラー役で複数エピソードに出演。
- Skin(2003年):ポルノグラファーの妻役。短命に終わったドラマ。
- The Closer(2006年):最後のテレビ出演。
まとめ
パメラ・ギドリーは、モデルとしての成功を足がかりに、1980年代から2000年代初頭にかけて映画とテレビで多彩なキャリアを築いた女優です。『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』や『CSI:科学捜査班』での役柄で特に知られ、カルト的な人気を誇りました。ニューヨークでの演技教育と、親友シェリリン・フェンとの絆、リンチ監督との特別なコラボレーションが、彼女のキャリアを特徴づけています。晩年は静かな生活を選び、52歳でこの世を去りましたが、彼女の作品は今なお多くのファンに愛されています。
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