キム・ギュリ（김규리）は韓国を代表する女優の一人であり、特に2008年の映画『美人図』での演技で広く知られています。1979年8月16日生まれの彼女は、ソウルで生まれ育ち、モデルとしてのキャリアをスタートさせた後、女優として映画やドラマで活躍してきました。
彼女のキャリアは、情熱的な演技と多様な役柄への挑戦によって特徴づけられ、韓国エンターテインメント業界で確固たる地位を築いています。キム・ギュリは、演技力だけでなく、2008年の米国産牛肉輸入問題に関する発言や、2005年の「エンターテインメントXファイル」事件でのプライバシー擁護の姿勢など、社会的発言でも注目を集めてきました。2009年に本名をキム・ミンソンからキム・ギュリに変更し、新たなスタートを切ったことも彼女の人生の重要な転機です。
プロフィール
- 名前：キム・ギュリ（김규리）
- 出生名：キム・ミンソン（김민선）
- 1979年8月16日（46歳）
- 出生地：韓国安養市
- 学歴：東渠女子大学放送芸能学科卒業
- 職業：女優
- 活動年：1998年～現在
- 所属事務所：MBKエンターテインメント、イェソン、HSMエンターテインメント
- SNSサイト：Instagram・Youtube
生い立ちと教育
キム・ギュリは1979年8月16日、韓国の首都ソウルで生まれました。彼女の幼少期や家族に関する詳細な情報は公開されている資料では限られていますが、若い頃から芸術や表現に興味を持っていたことが伺えます。彼女は高校時代に優れた視力（2.0）を持っていたものの、大学受験の準備期間中に視力が低下（0.5）したエピソードをラジオ番組で語っており、学業にも真剣に取り組む姿勢が垣間見えます。
教育面では、キム・ギュリはソウルの高校を卒業後、具体的な大学名や専攻に関する詳細は公開情報に乏しいものの、モデルとしての活動を始める前に基礎的な教育を受けたと考えられます。彼女のキャリア初期には、ファッション雑誌のモデルとして活動していたことが記録されており、若い頃からビジュアルと表現力で注目を集めていました。この時期の経験が、後の女優としての成功の基盤を築いたといえるでしょう。
経歴
キム・ギュリの芸能界でのキャリアは、1990年代後半にファッション雑誌のモデルとして始まりました。その後、彼女は女優として映画やテレビドラマに進出し、2000年代から2010年代にかけて数多くの作品に出演しました。彼女のキャリアの転機となったのは、2008年の映画『美人図（Portrait of a Beauty）』で、朝鮮王朝の画家シン・ユンボク（Shin Yun-bok）を演じたことです。この作品は、歴史的背景を基にしたロマンスと芸術の物語で、彼女の演技は観客と批評家から高い評価を受けました。この映画での成功により、彼女は主演女優としての地位を確立し、韓国映画界での存在感を強めました。
彼女のキャリアは映画だけでなく、テレビドラマでも広がりを見せています。2013年のMBCドラマ『スキャンダル：非常に衝撃的で不道徳な事件（Scandal: A Shocking and Wrongful Incident）』ではジャン・ジュハ役を演じ、複雑な人間関係と感情を巧みに表現しました。また、2018年の『アバウトタイム』ではイ・サンウンの初恋の相手役としてサプライズ出演し、短い登場ながら強い印象を残しました。さらに、2022年の『グリーン・マザーズ・クラブ（Green Mothers’ Club）』では、優雅でミステリアスなソ・ジンハ役を演じ、母親たちの複雑な関係性を描く作品で再び注目を集めました。
キム・ギュリは、短編ドラマや単発ドラマへの出演も積極的に行っており、2010年のインタビューで「短編ドラマは役者として多くの試みができ、物語の流れを学ぶ良い機会」と語っています。この姿勢は、彼女が常に新しい挑戦を求め、演技の幅を広げる努力を続けてきたことを示しています。
また、彼女は2011年に放送されたMBCのリアリティ番組『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』でダンスの才能を披露し、2位を獲得。2012年と2013年には同番組のホストとしても出演し、視聴者に親しみやすい一面を見せました。さらに、2019年から2021年までTBS交通放送のラジオ番組『キム・ギュリのポンダン・ポンダン（Kim Gyuri’s Fondant Pongdang）』のDJを務め、視聴者とのコミュニケーションを通じて彼女の温かみのあるパーソナリティが評価されました。
一方、彼女のキャリアには議論を呼ぶ出来事も含まれます。2008年、米国産牛肉の輸入問題について発言し、これが原因でソウルの牛肉輸入業者から訴訟を起こされました。しかし、2010年に裁判所は彼女に有利な判決を下し、彼女の表現の自由が支持されました。また、2005年には「エンターテインメントXファイル」事件で、芸能人のプライバシー侵害問題について積極的に発言し、業界内の問題提起に貢献しました。これらの行動は、彼女が単なる女優を超え、社会的影響力を持つ人物であることを示しています。
私生活
キム・ギュリの私生活については、メディアで取り上げられることが多く、特に恋愛に関する話題が注目を集めました。2012年から2013年にかけて、彼女はドラマ『武神（God of War）』で共演した俳優キム・ジュヒョク（Kim Joo-hyuk）と交際していました。二人の関係は公開され、ファンやメディアの関心を集めましたが、2013年に破局が報じられました。
また、2014年にはプロ野球選手のオ・スンファン（Oh Seung-hwan）との交際の噂が浮上しましたが、彼女は自身のツイッター（現：X）でこれを否定し、根拠のない報道に対する強い不満を表明しました。このように、彼女は自身のプライバシーを守るために、メディアに対して毅然とした態度を示すことがあります。
政治的なスタンスについても、彼女は明確な意見を持っており、2022年の韓国大統領選挙では民主党の候補を支持する発言を行いました。この行動は、彼女が政治的信念を公に表現することを恐れない姿勢を反映しています。
キム・ギュリはまた、芸術への関心も深く、『美人図』でのシン・ユンボク役をきっかけに韓国画にも取り組んでいます。彼女の多才な一面は、女優業以外でも彼女の魅力として評価されています。
出演作品
キム・ギュリの出演作品は、映画、テレビドラマ、舞台、ラジオなど多岐にわたります。以下に、代表的な作品をいくつか紹介します。
映画
- 美人図（2008年）：シン・ユンボク役。彼女の代表作であり、芸術とロマンスが交錯する歴史ドラマで高い評価を受けた。
- 悪魔を見た（2019年）：チャ・ソジン役。アクションと犯罪要素が詰まった作品で、彼女の存在感が際立つ。
- 女子高怪談2（1999年）：若手時代に出演したホラー映画で、彼女の初期の演技力が光る。
- オガムド（2009年）：キム・ミジン役（「33番目の男」セグメント）。オムニバス形式の映画で、彼女の繊細な演技が注目された。
- 化平飯店（2021年）：カン・シンイル、ペク・ソンヒョンと共演。家族と癒しを描く作品で、彼女の温かい演技が評価された。
TV
- 武神（2012年）：キム・ジュヒョクとの共演で話題に。歴史ドラマでの彼女の迫真の演技が称賛された。
- スキャンダル 非常に衝撃的で不道徳な事件（2013年）：ジャン・ジュハ役。複雑な人間ドラマで、感情の機微を巧みに表現。
- アバウトタイム（2018年）：イ・サンウンの初恋役として特別出演。短い出演ながら強い印象を残した。
- グリーン・マザーズ・クラブ（2022年）：ソ・ジンハ役。母親たちの競争と友情を描く現代ドラマで、ミステリアスなキャラクターを演じた。
その他の活動
- ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ（2011年～2013年）：出場者として2位を獲得し、後にホストとしても活躍。ダンスの才能を披露した。
- キム・ギュリのポンダン・ポンダン（2019年～2021年）：TBS交通放送のラジオ番組のDJとして、視聴者に親しみやすい一面を見せた。
まとめ
キム・ギュリは、モデルから女優へと転身し、『美人図』をはじめとする数々の作品でその演技力を証明してきました。彼女のキャリアは、映画やドラマだけでなく、ラジオやリアリティ番組など多岐にわたり、常に新しい挑戦を続けてきた姿勢が印象的です。社会的な発言やプライバシーの擁護、さらには政治的信念を公に表明するなど、彼女は単なるエンターテイナーにとどまらない影響力を持っています。私生活では恋愛や噂に関するメディアの注目を浴びつつも、自身の信念を貫く姿勢を崩しません。キム・ギュリのこれまでの活躍と今後のさらなる飛躍に、ファンならずとも期待が高まります。
レビュー 作品の感想や女優への思い