フランシス・フィッシャー(Frances Fisher)は、1952年5月11日生まれのイギリス出身のアメリカ女優です。舞台からキャリアを始め、ソープオペラ『The Edge of Night』でデビュー。『タイタニック』(1997年)や『許されざる者』(1992年)などで知られ、テレビや映画で幅広く活躍しています。
プロフィール
- 名前:フランシス・フィッシャー(Frances Fisher)
- 生年月日:1952年5月11日(73歳)
- 出生地:英国ハンプシャー
- 国籍:米国
- 配偶者:ビリー・マック・ハミルトン(1970年〜1972年)
生い立ち・教育
フランシス・ルイーズ・フィッシャー(Frances Louise Fisher)は、1952年5月11日、イングランドのハンプシャー州ミルフォード・オン・シーで生まれました。両親はアメリカ人で、母親のオルガ・ロシン(旧姓モーン)は専業主婦、父親のウィリアム・アーヴィング・“ビル”・フィッシャー・シニアは石油精製所の建設監督でした。父親の仕事の都合で、フィッシャーは幼少期にイタリア、トルコ、コロンビア、フランス、カナダ、ブラジルなど世界各地を転々とし、15歳までに9回の引っ越しを経験しました。この多様な環境での生活は、彼女の視野を広げ、適応力を養いました。
バージニア州に住んでいた時期に演劇に興味を持ち始め、地元の劇団に参加しました。高校卒業後、彼女は演劇への情熱を追求するためニューヨーク市に移り、そこで本格的な舞台女優としてのキャリアをスタートさせました。正式な高等教育に関する詳細な情報は公開されていませんが、演劇の現場での実践を通じてスキルを磨いたことが彼女のキャリアの基盤となっています。ニューヨークでの生活は、彼女にとって演技の技術と表現力を深める重要な時期でした。
経歴
フィッシャーのキャリアは舞台から始まりました。ニューヨークで14年間、地域劇場やオフブロードウェイのプロダクションに出演し、シェイクスピアやトム・ストッパードの作品などで経験を積みました。この時期、彼女は演技の基礎を固め、後に映画やテレビでの成功へとつなげました。1976年、彼女はCBSの昼ドラ『The Edge of Night』で女刑事デボラ・“レッド”・サクソン役としてテレビデビューを果たし、1981年まで23エピソードに出演しました。この役で彼女は広く知られるようになり、テレビ業界での足がかりを築きました。
1980年代後半から映画での活躍が増え、1992年のクリント・イーストウッド監督の『許されざる者』でストロベリー・アリス役を演じ、注目を集めました。1997年のジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』では、ルース・デウィット・ブケイター役で印象的な演技を見せ、国際的な知名度を獲得しました。その後も『トゥルー・クライム』(1999)、『砂と霧の家』(2003)、『引き寄せの法則』(2004)、『告発のとき』(2007)、『リンカーン弁護士』(2011)、『ホスト』(2013)など、話題作に多数出演しています。
テレビでは、1990年代から2000年代にかけて『Strange Luck』や『Becker』などのシリーズにゲスト出演し、2014年から2015年にはABCのドラマ『Resurrection』で主演を務めました。2019年にはHBOの『ウォッチメン』に出演し、グラフィックノベルを原作とするこのシリーズで高い評価を受けました。また、近年では『黄金のアデーレ 名画の帰還』(2015)や『ホリデーオンリー: とりあえずボッチ回避法?』(2020)など、映画での活躍も続いています。
フィッシャーの演技は、感情の深さとリアルなキャラクター描写で知られ、舞台から映画、テレビまで幅広いメディアで安定したキャリアを築いています。彼女の多才さは、ジャンルを問わずさまざまな役柄を演じ分ける能力に表れています。
私生活
フランシス・フィッシャーの私生活は、彼女のキャリア同様に波乱に満ちています。1980年代に俳優のビリー・マック・ハミルトンと結婚しましたが、後に離婚しました。その後、1990年代初頭にクリント・イーストウッドと交際し、1993年に娘のフランチェスカ・イーストウッドが生まれました。フランチェスカも女優として活動しており、2013年にはミス・ゴールデングローブに選ばれました。フィッシャーはシングルマザーとして娘を育てることについて、「紳士の呼び出し元はなかった」と語り、子育てとキャリアの両立が容易ではなかったことを明かしています。
フィッシャーは私生活では控えめな姿勢を保ちつつ、演劇や映画業界への情熱を持ち続けています。彼女はロサンゼルスに拠点を置き、インディペンデントスピリットアワードなどのイベントにも積極的に参加しています。2010年のインタビューでは、シングルマザーとしての生活が彼女の人間関係に影響を与えたと述べ、プライベートでの挑戦を乗り越えながらも女優としてのキャリアに専念してきたことを示唆しています。
出演作品
以下は、フランシス・フィッシャーの代表的な出演作品の一部です。
映画
- 許されざる者(1992年):ストロベリー・アリス役。クリント・イーストウッド監督の西部劇で、アカデミー賞受賞作。
- タイタニック(1997年):ルース・デウィット・ブケイター役。ローズの母親として厳格な上流階級の女性を演じた。
- トゥルー・クライム(1999年):クリント・イーストウッド監督作品で重要な脇役。
- 砂と霧の家(2003年):ジェニファー・コネリーと共演。
- 引き寄せの法則(2004年):ピアース・ブロスナンと共演。
- 告発のとき(2007年):トミー・リー・ジョーンズと共演。
- ジョリーン(2008年):ジェシカ・チャステイン主演のドラマ。
- リンカーン弁護士(2011年):マシュー・マコノヒーと共演。
- ザ・ルームメイト(2011年):レベッカの母役。
- ホスト(2013年):SF映画で重要な役を演じる。
- 黄金のアデーレ 名画の帰還(2015年):バーバラ・シェーンベルク役。
- ホリデーオンリー: とりあえずボッチ回避法?(2020年):ロマンティックコメディ。
- レプタイル 蜥蜴(2023年):脇役
TV
- The Edge of Night(1976-1981):デボラ・“レッド”・サクソン役。23エピソードに出演。
- Strange Luck(1995-1996):ゲスト出演。
- Becker(1998-2004):ゲスト出演。
- Resurrection(2014-2015):ABCのドラマシリーズで主演。
- ウォッチメン(2019年):HBOのシリーズで重要な役を演じる。
- メンタリスト(The Mentalist)(シーズン2、エピソード5):ゲスト出演。
まとめ
フランシス・フィッシャーは、舞台での長いキャリアを基盤に、映画とテレビで多彩な役柄を演じてきた実力派女優です。『タイタニック』や『許されざる者』での印象的な演技で知られ、国際的な引っ越しを繰り返した幼少期やシングルマザーとしての私生活を通じて、強い適応力と情熱を持ち続けました。彼女の出演作品は、ドラマからロマンティックコメディまで幅広く、演技力の高さが評価されています。今後も彼女の活躍に注目が集まります。
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