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夜叉 容赦なき工作戦

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『夜叉 容赦なき工作戦』は、中国・瀋陽を舞台に、韓国国家情報院の極秘工作チーム「ブラックチーム」と、その監察に送り込まれた検事が各国の諜報員と激突するスパイアクション。手段を選ばないリーダー「夜叉」と、法を信じる検事の衝突が、銃撃と裏切りに満ちた工作戦を加速させます。ネオンに照らされた裏社会と、正義の境界を問う緊迫した125分です。

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基本情報

  • 邦題:夜叉 容赦なき工作戦
  • 原題:야차
  • 英題:Yaksha: Ruthless Operations
  • 製作国・地域:韓国
  • 公開年:2022年
  • 上映時間:125分
  • ジャンル:アクション、クライム、スリラー

女優の活躍

本作でひときわ鋭い存在感を放つのが、チン・ソヨンが演じるリョニ。

瀋陽で北朝鮮レストランを営む表の顔と、国家保衛省の諜報員という裏の顔を併せ持ち、夜叉と呼ばれるチ・ガンインとは情報を交換し合う持ちつ持たれつの関係にあります。狂っているように見えて計算高く、余裕と危険を同時に漂わせる立ち姿が、作品全体の緊張を一段引き上げています。

チン・ソヨンは、感情を大袈裟に爆発させるのではなく、視線の置き方と間の取り方でリョニの危うさを表現しています。味方とも敵とも言い切れない距離感を保ちながら、必要な瞬間だけ牙を見せる演技は、スパイ映画に不可欠な二重性を体現しています。毒戦で薬物に侵された女性を演じた経験が、抑制と狂気の境界を見極める精度に生きている印象です。

もう一人の女性要員として、イエルが演じるヒウォンも見逃せません。ブラックチームのベテラン上級要員で、短髪に身を包み、銃撃戦の最前線に立ちます。韓国の女性俳優には珍しい高難度の射撃アクションを、派手さより正確さで消化し、チームの実働部隊としての説得力を支えています。狂いと冷静、二つの女性像が並ぶことで、瀋陽の裏社会に厚みが出ています。

また、とち狂った表情の演技がキレッキレに冴えているイレブン(演・イレブン・ヤオ)もカッコいいです。

女優の衣装・化粧・髪型

リョニの装いは、レストランの女主人と諜報員の二面性を視覚で示しています。店のカウンターに立つときは落ち着いた色味のブラウスやジャケットをまとい、夜の交渉の場では光を吸い込む暗色の衣装に切り替えます。布地は光沢を抑え、動きやすく、なおかつ輪郭が崩れない仕立てです。化粧は強すぎず、目元をわずかに濃くすることで、笑っているのか狙っているのか判別しにくい表情を作っています。

髪型は肩にかかる程度の自然な長さで、派手なセットは避けています。顔の輪郭を隠さないよう前髪を軽く流し、視線が常に相手を捉えている印象を強めています。口紅は赤を抑え、血色のよい落ち着いた色に留めることで、狂いを化粧で強調せず、演技そのものに預けています。

一方、ヒウォンは実務要員らしく短い髪型を選んでいます。前髪を短く切りそろえ、動きの邪魔にならないシルエットです。衣装は黒や濃紺の実用的なジャケットとパンツが中心で、装飾は最小限です。化粧も肌の質感を残した薄化粧で、戦場の緊張と日常の冷静を同時に見せます。二人の対照が、女性キャラクターの幅を広げています。

あらすじ

各国のスパイが静かにせめぎ合う中国・瀋陽。韓国国家情報院の瀋陽支部長チ・ガンインは、任務達成のためなら法も倫理も顧みないことから「夜叉」と呼ばれ、極秘工作を担うブラックチームを率いています。本部は、支部から上がる報告のすべてが偽装されていると知り、ソウル中央地検から左遷された検事ハン・ジフンを特別監察官として派遣します。

原理原則を重んじるジフンは、ガンインのやり方を犯罪集団と変わらないと疑い、執拗に後を追います。しかし現場では、北朝鮮の資金管理を担う人物の行方、日本の現役工作員オザワの暗躍、現地の組織との取引が同時に動き、監察の立場はすぐに崩れます。ガンインは情報屋でもあるリョニから北朝鮮側の動向を聞き出し、標的の娘を人質にするなど、手段を選びません。

ジフンは正義の定義に揺れながらも、銃火の中へ巻き込まれていきます。味方に見えた人間が裏で動いていたことが明らかになり、ブラックチーム内部にも亀裂が走ります。捕まえるか、捕まるか。瀋陽の夜を舞台に、スパイたちの本当の戦争が始まります。

解説

監督・脚本のナ・ヒョンは、監獄の首領で見せた緊迫した群像劇の感覚を、諜報の現場へ移しています。正義は手段を選ばず守るべきだとするガンインと、法によって守るべきだとするジフンの対立が、物語の芯です。単なる善悪ではなく、現場で結果を出してきた者と、机上の原則を信じる者のすれ違いが、銃撃の合間に繰り返し問われます。

舞台の瀋陽は、韓国、北朝鮮、日本、中国の利害が交差する接点として描かれます。ネオンの赤い光、狭い路地、廃墟化した施設が、工作の非公式性を視覚化しています。アクションは連続する銃撃と車の追跡が中心で、華麗な格闘より、距離と遮蔽を意識した実戦的な見せ方が目立ちます。

リョニの存在は、この対立に第三の視点を加えます。南も北も完全には信じず、情報を商品として扱う彼女は、夜叉の冷酷さを相対化する鏡です。狂っているように見えながら、生き残るための計算を欠かさない姿勢が、作品のタイトルが示す「容赦のなさ」を人物の側から支えています。娯楽としての推進力を優先した作りではありますが、国境をまたぐ諜報の泥臭さを、俳優の顔のアップで押し通している点が持ち味です。

キャスト

  • チ・ガンイン:ソル・ギョング。国家情報院瀋陽支部長兼ブラックチームのリーダー。通称夜叉。
  • ハン・ジフン:パク・ヘス。ソウル中央地検から派遣された特別監察官の検事。
  • オザワ・ヨシノブ:池内博之。通称D7。日本の現役工作員。
  • ホン課長:ヤン・ドングン。ブラックチームの一員。
  • ヒウォン:イエル。ブラックチームのベテラン上級要員。
  • ジェギュ:ソン・ジェリム。行動派のブラックチーム要員。
  • ジョンデ:パク・ジニョン。ブラックチームの最年少メンバー。
  • リョニ:チン・ソヨン。北朝鮮レストランを営む国家保衛省の諜報員。
  • ムン・ジュヨン:イ・スギョン。資金管理の要人ムン・ビョンウクの娘。
  • ヨム・ジョンウォン:チン・ギョン。国家情報院の対外情報を担う第4局長。
  • イレブン:ヤオ・イーチー。瀋陽の組織を率いる人物。

スタッフ

  • 監督・脚本:ナ・ヒョン
  • 脚本:アン・サンフン
  • 製作:サンサンフィルム
  • 配給:Netflix
  • 撮影:ホン・ジェシク
  • 編集:キム・サンボム
  • 美術:キム・ヒジン
  • 衣装:ホン・スヒ

Netflix

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