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名もなき野良犬の輪舞

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『名もなき野良犬の輪舞』は、男たちの忠誠と裏切りが交錯する、韓国ハードボイルドの傑作。犯罪組織の頂点を狙う服役囚ジェホと、刑務所へ送り込まれた若き男ヒョンス。互いを兄弟のように信頼し合った二人は、出所後に組織の乗っ取りを画策します。しかし、ヒョンスの正体は潜入捜査官であり、絆は一気に憎しみへ転じます。

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基本情報

  • 邦題:名もなき野良犬の輪舞
  • 原題:불한당:나쁜 놈들의 세상
  • 英題:The Merciless
  • 製作年:2017年
  • 製作国:韓国
  • 上映時間 :120分
  • 映倫区分:PG12

女優の活躍

本作で最も存在感のある女性キャラクターは、釜山地方警察のチーム長チョン・インスクを演じたチョン・ヘジンです。男たちが支配する裏社会と警察機構の狭間で、冷徹に任務を遂行する現場指揮官として登場します。潜入捜査官ヒョンスを組織へ送り込む立案者であり、同時に彼を駒として扱う実務家でもあります。

チョン・ヘジンは感情をほとんど表に出さず、短い台詞と視線だけで上司としての威圧と、部下への割り切りを両立させています。ヒョンスの母親の治療を餌に捜査を進める場面では、人情を排除した職業人の顔が際立ちます。暴力や悲嘆に沈む男たちとは対照的に、終始冷静な姿勢を崩さないことで、物語に緊張の軸を加えています。

ほかに、ヒョンスの母親を演じたナム・ギエは、病床での短い登場ながら、息子が潜入を受け入れる動機を支える重要な存在です。広告モデルなどの端役も登場しますが、物語の重心はチョン・ヘジンのチーム長に置かれています。

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女優の衣装・化粧・髪型

チョン・ヘジンのチーム長は、現場と会議室を行き来する実務型の警察官として造形されています。服装は黒や濃紺のテーラードジャケット、シンプルなブラウス、ストレートのスラックスが中心です。装飾を排したシルエットは、感情より任務を優先する人物像を視覚的に支えています。

化粧はごく薄く、血色を抑えたナチュラルな肌色です。口紅も控えめで、目元のラインもほとんど強調されません。髪型は耳より下のストレートボブ、または後ろで軽くまとめた実用的なスタイルが多く、動きやすいよう整えられています。派手さはなく、職場の空気に溶け込む落ち着きが意図されています。

ヒョンスの母親役ナム・ギエは、病室の白い寝間着と乱れた髪、血色の悪い肌で、息子が守りたい日常の脆さを示します。組織の広告に登場する若い女性たちは華やかなドレスと濃い化粧ですが、物語の本筋からは距離を置いた対比として機能しています。

あらすじ

表向きは水産物の輸入会社、裏では麻薬密輸を手がけるオセアン貿易。そのナンバー2であるハン・ジェホは、ある事件で服役中です。刑務所内でも序列を支配するジェホのもとに、警察学校を首席で出た若き刑事チョ・ヒョンスが潜入捜査官として送り込まれます。依頼したのはチーム長のチョンです。報酬は、腎臓病の母親の移植手術でした。

ヒョンスは規則を無視する態度でジェホの目を引き、襲撃からジェホを救ったことをきっかけに兄弟の契りを結びます。出所後、二人はオセアン貿易の会長コ・ビョンチョルを排除し、組織を乗っ取ろうと動きます。ジェホはヒョンスを心から信頼し、危険な仕事を任せていきます。

しかし母親は交通事故で命を落とし、ヒョンスは警察に利用されただけだと知ります。忠誠は怒りへ変わり、ジェホもまた自分を欺いた相手への復讐を決意します。港湾、クラブ、取引の現場で暴力が連鎖し、最後は二人の男と、彼らを駒にした警察のあいだで決着がつきます。

解説

監督・脚本はビョン・ソンヒョン、共同脚本はキム・ミンスです。2017年5月17日に韓国で公開され、同年のカンヌ国際映画祭ではミッドナイト・スクリーニング部門で上映されました。日本では2018年5月5日に『名もなき野良犬の輪舞』の邦題で公開されています。上映時間は120分、映倫はPG12です。

物語の核は、刑務所で生まれた擬似的な兄弟関係です。ジェホは感情を抑えた実務家でありながら、ヒョンスだけには父や兄のような情を向けます。ヒョンスは潜入という任務と、母親を救いたいという私情のあいだで揺れます。監督はインタビューで、男性同士の親密さを意識的に描いたと語っており、格闘や身体接触の場面にもその気配が残っています。

映像は港と夜の街を冷たい色調で捉え、暴力は短く鋭く処理されます。ソル・ギョングの寡黙な威圧と、イム・シワンの若さと危うさが対照をなし、チョン・ヘジンのチーム長が制度の冷たさを代表します。韓国犯罪映画に共通する「組織と国家の双方が個人を使い捨てる」構図が、忠誠の崩壊として凝縮されています。

興行は大ヒットとはいえませんでしたが、男同士の絆と裏切りを正面から描いた作風として、後年も語り継がれる一作です。邦題の「輪舞」は、信頼と復讐が円環のように繰り返される関係をよく表しています。

キャスト

  • ハン・ジェホ:ソル・ギョング
  • チョ・ヒョンス:イム・シワン
  • チョン・インスク(警察チーム長):チョン・ヘジン
  • コ・ビョンガプ:キム・ヒウォン
  • コ・ビョンチョル(オセアン貿易会長):イ・ギョンヨン
  • キム・ソンハン:ホ・ジュノ
  • ヒョンスの母親:ナム・ギエ
  • パク・ヨングン:ムン・ジユン
  • ミンチョル:チャン・インソプ
  • チョンシク:キム・ジフン

スタッフ

  • 監督:ビョン・ソンヒョン
  • 脚本:ビョン・ソンヒョン、キム・ミンス
  • 製作:ユン・ジウォン
  • 撮影:チョ・ヒョンレ
  • 編集:キム・ジェボム、キム・サンボム
  • 音楽:キム・ホンジプ、イ・ジニ
  • 美術:関連美術チーム
  • 衣装:チョ・ヒラン
  • 製作会社:CJエンタテインメント、ポルルクス・バルンソン
  • 配給(韓国):CJエンタテインメント
  • 配給(日本):ツイン
  • 公開:2017年5月17日(韓国)、2018年5月5日(日本)
  • 上映時間:120分
  • 映倫区分:PG12

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