ケリー・プレストン(Kelly Preston)は米国の女優・モデル。『ジェリー・マグワイア』『What a Girl Wants』『SpaceCamp』『Battlefield Earth』などで知られ、ジョン・トラボルタの妻として私生活でも注目された。乳がん闘病の末、57歳で逝去。
プロフィール
- 名前:ケリー・プレストン(Kelly Preston)
- 本名:Kelly Kamalelehua Smith
- 生年月日:1962年10月13日
- 没年月日:2020年7月12日(享年57歳)
- 出生地:米国ハワイ州ホノルル
- 職業:女優
- 活動期間:1980年~2020年
- 配偶者:ケヴィン・ゲイジ(1985年~1987年)、ジョン・トラボルタ(1991年~2020年)
生い立ち・教育
ケリー・プレストン(本名:ケリー・カマレレフア・スミス)は、1962年10月13日にアメリカのハワイ州ホノルルで生まれた。父親は農業資材会社に勤め、母親は精神保健センターの管理者だった。ハワイの豊かな自然と文化に囲まれた環境で育ち、幼少期から活発で芸術に興味を示した。5歳の時に父親が亡くなり、母親は後に再婚。継父の影響もあり、家族はオーストラリアやイラクなど海外で生活する機会があった。この多文化な環境が、彼女の柔軟な感性や表現力の基盤となった。
プレストンはハワイのプナホウ・スクールで学び、演劇やダンスに親しんだ。その後、カリフォルニア州ロサンゼルスに移り、南カリフォルニア大学(USC)で演劇とコミュニケーションを専攻。さらに、名門のビバリーヒルズ・プレイハウスで演技を磨き、プロの女優としての基礎を築いた。10代の頃からモデルとしても活動し、コマーシャルや広告に出演するなど、早くからエンターテインメント業界に足を踏み入れた。
経歴
プレストンの女優としてのキャリアは、1980年代初頭に始まった。テレビドラマ『Capitol』(1982年)でデビューし、若手女優として注目を集めた。1983年の映画『Christine』では、スティーヴン・キング原作のホラー作品で印象的な役を演じ、映画界での足場を固めた。その後も『Mischief』(1985年)や『SpaceCamp』(1986年)など、青春映画や冒険映画で活躍。1988年のコメディ映画『Twins』では、アーノルド・シュワルツェネッガーとダニー・デヴィートとの共演で、コミカルな演技が好評を博した。
1990年代に入ると、彼女のキャリアはさらに飛躍した。特に1996年の『ジェリー・マグワイア』では、トム・クルーズ演じる主人公の婚約者役を演じ、強烈な印象を残した。この作品は批評的にも商業的にも成功し、プレストンの知名度を一気に高めた。その後も『For Love of the Game』(1999年)や『Battlefield Earth』(2000年)など、多様なジャンルの映画に出演。『Battlefield Earth』では夫のジョン・トラボルタと共演し、サイエントロジー関連のプロジェクトとしても話題となった(この作品でゴールデンラズベリー賞の最低助演女優賞を受賞)。2000年代以降は、『What a Girl Wants』(2003年)や『Old Dogs』(2009年)など、家族向けのコメディ映画でも活躍。晩年には『Gotti』(2018年)でトラボルタ演じるマフィアの妻役を演じ、夫婦での共演が再び注目された。
女優業以外にも、プレストンはモデルやプロデューサーとしても活動。コマーシャルやファッション雑誌での仕事に加え、慈善活動にも積極的に参加した。特に、子どもや家族を支援する団体への貢献が知られている。彼女のキャリアは約40年にわたり、映画、テレビ、舞台と幅広い分野で多彩な才能を発揮した。
私生活
ケリー・プレストンの私生活は、ジョン・トラボルタとの結婚を中心に注目された。2人は1987年の映画『The Experts』の撮影で出会い、1991年に結婚。サイエントロジー教会の儀式で結ばれ、強い絆で結ばれた夫婦として知られた。夫妻には3人の子どもがおり、長男ジェット(1992年-2009年)、長女エラ・ブルー(2000年-)、次男ベンジャミン(2010年-)を育てた。特にジェットの死は、夫妻にとって大きな悲劇だった。2009年、16歳のジェットがバハマでの休暇中に発作を起こし亡くなり、プレストンとトラボルタは深い悲しみに暮れた。この出来事は彼女の人生に大きな影響を与え、後に家族との時間をより大切にする姿勢につながった。
プレストンはサイエントロジー教会の熱心な信者であり、トラボルタと共にその活動を支えた。教会のプログラムやイベントに参加し、精神的な成長や社会貢献に力を注いだ。また、健康志向が強く、ヨガやオーガニック食品を好むライフスタイルを実践。家族との時間を大切にし、子育てにも積極的に関わった。
2020年、乳がんとの2年間の闘病の末、57歳で逝去。彼女の死は家族やファンに大きな衝撃を与え、多くの追悼が寄せられた。
主な出演作品
- 『Christine』(1983年) – スティーヴン・キング原作のホラー映画。高校生ローズ役で注目を集めた。
- 『Mischief』(1985年) – 青春コメディでマリリン役を演じ、愛らしいキャラクターを好演。
- 『SpaceCamp』(1986年) – NASAの宇宙キャンプを舞台にした冒険映画でテリ役。
- 『Twins』(1988年) – アーノルド・シュワルツェネッガーと共演したコメディ映画でマリー役。
- 『ジェリー・マグワイア』(1996年) – トム・クルーズの婚約者エイヴリー役で強烈な印象を残す。
- 『For Love of the Game』(1999年) – ケヴィン・コスナー主演の野球映画でジェーン役。
- 『Battlefield Earth』(2000年) – ジョン・トラボルタと共演したSF映画でチュア役。
- 『What a Girl Wants』(2003年) – アマンダ・バインズ主演のコメディでリビー役。
- 『Old Dogs』(2009年) – トラボルタ、ロビン・ウィリアムズと共演した家族向けコメディでヴィッキー役。
- 『Gotti』(2018年) – ジョン・トラボルタ演じるマフィアの妻ヴィクトリア役で夫婦共演。
まとめ
ケリー・プレストンは、女優としての才能と温かな人柄で多くの人々に愛された。ハワイ生まれの彼女は、多文化な環境で育ち、演劇への情熱を早くから開花させた。『ジェリー・マグワイア』や『Twins』など、数々の映画で印象的な役を演じ、約40年にわたるキャリアを築いた。私生活ではジョン・トラボルタとの結婚や子育て、サイエントロジー活動に尽力。乳がんとの闘病の末、2020年に57歳で逝去したが、その遺産は映画や家族、ファンの中に生き続けている。
レビュー 作品の感想や女優への思い