ロサンゼルス市警察(LAPD)は米国カリフォルニア州ロサンゼルス市を管轄する警察で、1869年創設。約9,974人の警察官と3,036人の職員を擁し、米国で3番目に大きい。合議制警察委員会の管理下で、モットーは「to protect and to serve」。SWAT発祥の地で、人員不足が課題。
ロサンゼルス市警察が登場する作品
ロサンゼルス市警察(LAPD)は、数多くの映画、テレビドラマ、小説、ゲームなどのフィクション作品に登場し、その活動や警察官たちの姿が描かれています。以下に、代表的な作品をジャンルごとに紹介いたします。これらの作品では、LAPDの刑事やSWAT隊員が活躍する姿や、ロサンゼルスの都市環境を背景にしたリアルな捜査シーンが特徴的です。作品を通じて、LAPDの多様な役割や社会的な課題も描かれることが多く、そのリアリティが観客や読者に強い印象を与えています。
小説
ハリー・ボッシュ・シリーズ(マイクル・コナリー著)
LAPDの刑事ハリー・ボッシュを主人公とするミステリー・ハードボイルド小説シリーズ。1992年の『ナイトホークス』から始まり、2023年までに24の長編と多数の短編が刊行されています。ボッシュは強盗殺人課や未解決事件捜査班で活躍し、複雑な過去や正義感を背景に事件を解決。ロサンゼルスの闇や警察組織の内情がリアルに描かれ、シリーズは世界中で高い評価を受けています。
ロイド・ホプキンス・シリーズ(ジェイムズ・エルロイ著)
LAPDの刑事ロイド・ホプキンスを主人公としたハードボイルド小説。ロサンゼルスの犯罪や腐敗を背景に、ホプキンスの心理や捜査が描かれます。エルロイの文体は独特で、LAPDの厳しい現実を強調。シリーズは1980年代のロサンゼルスを舞台に、刑事の葛藤を掘り下げます。
実録 LA初 日本人女性警察官(永田有理著)
日本人女性として初めてLAPDに採用された永田有理のルポルタージュ。採用試験や警察学校での過酷な訓練を詳細に記述し、LAPDの厳格な採用基準や多様な職員構成を垣間見ることができます。ロサンゼルスの多文化社会での警察業務の現実も伝わります。
映画
L.A.コンフィデンシャル(1997年)
『L.A.コンフィデンシャル』はジェイムズ・エルロイの小説を原作とした犯罪ドラマ。1950年代のLAPDを舞台に、腐敗と正義の間で葛藤する刑事たちの物語。ラッセル・クロウやガイ・ピアース演じる刑事たちが、殺人事件を追う中で警察内部の闇を暴きます。アカデミー賞を受賞した名作です。
スピード(1994年)
キアヌ・リーブス演じるLAPDのSWAT隊員ジャック・トラヴェンが、爆弾魔との頭脳戦を繰り広げるアクション映画。バスや地下鉄を舞台にした緊張感溢れる展開が特徴。LAPDのSWATの機動力が強調され、1997年のノースハリウッド銀行強盗事件を彷彿とさせる武装描写も見どころです。
S.W.A.T.(2003年)
LAPDのSWATチームを描いたアクション映画。1975年のTV番組『特別狙撃隊S.W.A.T.』のリメイクで、コリン・ファレル演じる隊員が中心。SWATの訓練や装備、チームワークがリアルに描かれ、LAPDが発祥の特殊部隊の歴史を反映しています。
エンド・オブ・ウォッチ(2012年)
LAPDの巡査が南ロサンゼルスのギャング地帯で勤務する姿をリアルに描いた擬似ドキュメンタリー風映画。ジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャ演じる警察官の友情と危険な日常が焦点。LAPDのギャング対策部署の活動も垣間見られます。
カラーズ 天使の消えた街(1988年)
ロサンゼルスのギャング問題を扱った映画。ショーン・ペンとロバート・デュヴァル演じるLAPD警察官が、ギャング同士の抗争に立ち向かいます。LAPDのギャング・殺人事件特別捜査課の役割が強調され、社会問題をリアルに描写。
クワイヤボーイズ(1977年)
LAPD出身の作家ジョゼフ・ウォンボーの小説を基にした映画。警察官の過酷な職務と私生活の葛藤を描き、LAPDの労働環境や心理的負担をリアルに表現。ウォンボー自身の経験が反映された作品です。
コブラ(1986年)
シルヴェスター・スタローン演じるLAPDの刑事マリオン・コブレッティが、凶悪な犯罪者を追うアクション映画。LAPDの刑事部の活躍が派手なアクションとともに描かれ、80年代のアクション映画の典型として知られています。
センチュリアン(1972年)
LAPDの刑事ジョゼフ・ウォンボーの小説を原作とし、警察官の日常と犯罪捜査を描いた作品。LAPDの組織構造や刑事の職務を詳細に描写し、リアルな警察像を提示します。
ターミネーター(1984年)
LAPDが舞台の一部として登場。サラ・コナーを守るために未来から来たターミネーターと戦う中、警察署での戦闘シーンが印象的。LAPDの施設や対応が物語の緊張感を高めています。
チェンジリング(2008年)
1920年代のLAPDを舞台にした実話ベースのドラマ。クリント・イーストウッド監督作品で、行方不明の息子を巡る事件と警察の腐敗を描きます。歴史的なLAPDの姿をリアルに再現。アンジェリーナ・ジョリー主演。
背徳の囁き(1990年)
LAPDの刑事トム・ハーディが、連続殺人事件を追うサスペンス映画。警察内部の倫理的葛藤や捜査の難しさが描かれ、LAPDの刑事部の複雑さが浮き彫りにされます。
パニック・イン・スタジアム(1976年)
LAPDのSWATがスタジアムでのテロ事件に対応するアクション映画。SWATの迅速な対応や戦術が強調され、LAPDの特殊部隊の能力が描かれます。
ヒート(1995年)
アル・パチーノ演じるLAPDの刑事ヴィンセント・ハンナが、ロバート・デ・ニーロ演じる犯罪者を追う犯罪ドラマ。LAPDの強盗殺人課の捜査やロサンゼルスの都市風景がリアルに描かれ、緊迫感溢れる作品です。
ブルーサンダー(1983年)
LAPDのヘリコプター部隊を舞台にしたアクション映画。警察の航空支援部が登場し、先進的なヘリコプターを使った捜査や戦闘が描かれます。LAPDの航空隊の役割が強調されています。
ブレードランナー(1982年)
未来のロサンゼルスを舞台にしたSF映画。LAPDの刑事リック・デッカードがレプリカントを追う物語で、LAPDの未来的なイメージが描かれます。
プレデター2(1990年)
LAPDの刑事マイク・ハリガンが、宇宙からの狩人プレデターと戦うSFアクション。ロサンゼルスの犯罪多発地域でのLAPDの活動が背景に描かれ、刑事の勇敢さが際立ちます。
リーサル・ウェポン シリーズ(1987年~1998年)
メル・ギブソンとダニー・グローヴァー演じるLAPDの刑事コンビ、リッグスとマータフの活躍を描くアクション映画。ユーモアとアクションが融合し、LAPDの刑事部のチームワークが魅力です。
LAPD処刑分署(1985年)
LAPDの刑事たちが犯罪組織と戦うアクション映画。詳細は不明ですが、LAPDの刑事部の過酷な任務が描かれています。
TV番組
BOSCH/ボッシュ(2014年~2021年)
マイクル・コナリーの小説を原作としたAmazonプライムビデオのドラマ。ハリー・ボッシュがハリウッド署殺人課で活躍。ロサンゼルスの都市風景や警察組織の内情が詳細に描かれ、スピンオフ作品も展開されています。
Major Crimes 〜重大犯罪課(2012年~2018年)
LAPDの重大犯罪課を舞台にしたドラマ。『クローザー』のスピンオフで、刑事たちの捜査や人間関係が描かれます。LAPDの組織構造や捜査手法がリアルに表現されています。
クローザー(2005年~2012年)
LAPDの重大犯罪課長ブレンダ・ジョンソンを主人公とするドラマ。彼女の本部長補佐としての役割や、複雑な捜査が描かれ、LAPDの刑事部の専門性が強調されます。
刑事コロンボ(1971年~2003年)
ピーター・フォーク演じるコロンボ警部補が、LAPD殺人課で独特の捜査スタイルで事件を解決。全69話のミステリーで、LAPDの刑事の知性と粘り強さが特徴です。
サウスランド(2009年~2013年)
LAPDの巡査や刑事たちの日常を描いたリアルな警察ドラマ。ロサンゼルスの多様な地域での勤務や、警察官の私生活が描かれ、LAPDの多面性が表現されています。
特捜隊アダム12(1968年~1975年)
LAPDの巡査の日常業務を描いたドラマ。パトロールカーを中心に、ロサンゼルスの街での事件対応がリアルに描かれ、LAPDの地域密着型業務が強調されます。
特別狙撃隊S.W.A.T.(1975年~1976年)
LAPDのSWATチームを描いた元祖ドラマ。2017年からリブート版も放送され、SWATの訓練や任務が詳細に描かれ、LAPDの特殊部隊の歴史を反映しています。
パトカーアダム30(1957年~1958年)
LAPDのパトロールカーを舞台にした古いドラマ。警察官の日常業務を描き、LAPDの地域警察活動の原点を垣間見ることができます。
NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班(2009年~2023年)
LAPDとNCISの連携を描いたドラマ。ロサンゼルスを舞台に、潜入捜査やテロ対策が描かれ、LAPDの刑事や特殊部隊が登場します。
ザ・ルーキー 40歳の新米ポリス!?(2018年~現在)
LAPDの新人警察官ジョン・ノーランを中心に、40歳で警察官に転身した彼の奮闘を描く。LAPDの訓練やパトロール業務がリアルに描かれています。
ゲーム
L.A.ノワール(2011年)
1940年代のLAPDを舞台にしたアドベンチャーゲーム。プレイヤーは刑事コール・フェルプスとして、殺人や麻薬事件を捜査。LAPDの歴史的な組織や捜査手法が詳細に再現されています。
Midnight Club: Los Angeles(2008年)
ロサンゼルスを舞台にしたレーシングゲーム。交通違反をするとLAPDのパトカーに追跡され、警察の追跡シーンがリアルに描かれます。
グランド・セフト・オートシリーズ(GTA:SA、GTAV)
ロサンゼルスをモデルにしたロスサントスで、LSPD(Los Santos Police Department)としてLAPDが登場。犯罪を追う警察の姿やパトカー追跡が描かれ、都市の犯罪環境を反映しています。
コール オブ デューティ ブラックオプス2(2012年)
ロサンゼルスを舞台に、テロ組織の攻撃から大統領を護衛するミッションでLAPDが登場。FBIや軍と連携するLAPDの姿が描かれます。
ザ・警察官
後半でロサンゼルスを舞台にLAPDが登場。国外版ではLAPDの警察官が主人公となり、国際的な犯罪捜査が展開されます。
ReadyOrNot(2021年)
ロススエノス市としてLAPDをモデルにした警察が登場。SWATチームの戦術的な任務が描かれ、LAPDの特殊部隊のリアリティを反映しています。
まとめ
以上のように、LAPDは多様なジャンルの作品で重要な役割を果たしています。刑事やSWATの活躍を通じて、ロサンゼルスの犯罪や社会問題、警察組織の複雑さが描かれ、リアリティとエンターテインメント性を兼ね備えた作品が多いです。これらの作品は、LAPDのモットー「to protect and to serve」を体現する警察官の姿を、さまざまな視点から伝えています。
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