『ザ・ナニー』(1993~1999年)はフラン・ドレシャー主演の米国シットコム。ニューヨークの裕福な家庭でナニーとして働くフラン・ファインのユーモラスな日常と恋愛を描く。全6シーズン。フラン・ドレシャーは、主演であるフラン・ファイン役を演じるだけでなく、企画・製作総指揮としても大きく貢献。
基本情報
- 邦題:ザ・ナニー
- 原題:The Nanny
- 放送期間:1993年~1999年
- シーズン数:6
- エピソード数:146
- 公式サイト:YouTube
あらすじ
『ザ・ナニー』は、ニューヨークのクイーンズ出身のフラン・ファインが、化粧品のセールスウーマンとして働いていたところ、ひょんなことからブロードウェイのプロデューサー、マックスウェル・シェフィールドの豪邸でナニーとして雇われることから始まる物語です。フランは、マックスウェルの3人の子供たち、ブライトン、マーガレット、グレースの子育てを担当し、彼らの家庭に新たな風を吹き込みます。彼女の陽気で大胆な性格は、堅苦しいシェフィールド家にユーモアと温かさをもたらし、家族や執事のナイルズ、さらにはマックスのビジネスパートナーであるC・C・バブコックとの間でコミカルなやり取りが繰り広げられます。物語は、フランとマックスウェルのロマンスが徐々に発展していく過程や、フランとその家族、特に母親シルビアや友人ヴァルとの愉快な交流を中心に展開。フランが家族の絆を深め、自身の人生を切り開いていく姿が描かれます。最終シーズンでは、フランとマックスの関係が新たな局面を迎え、家族としての結束がさらに強まる感動的な結末が描かれます。このシットコムは、ユーモアと心温まるエピソードで多くの視聴者を魅了しました。
女優の活躍
フラン・ドレシャーは、本作の主演であるフラン・ファイン役を演じるだけでなく、企画・製作総指揮としても大きく貢献しました。彼女自身のユーモアセンスと実生活での経験を反映したキャラクター造形は、視聴者に強い印象を与え、番組の成功の鍵となりました。ドレシャーはその独特の声と陽気なキャラクターで一躍有名になり、後に他のテレビ番組や映画にも出演。彼女のコメディセンスは本作で特に際立ち、批評家からも高い評価を受けました。
ローレン・レーンは、C・C・バブコック役で冷たく高慢な女性を演じ、そのコミカルな敵役ぶりが視聴者に愛されました。レーンは舞台女優としての経験を活かし、フランとの対立シーンで抜群の存在感を示しました。マデリーン・ジーマやニコール・トムは、それぞれグレースとマーガレット役で子役として注目され、その後のキャリアでも安定した活躍を見せています。
レニー・テイラーは、フランの母親シルビア役でユーモラスな演技を披露し、視聴者に強い印象を残しました。レイチェル・シャガールは、フランの親友ヴァル役で、ドレシャーとの息の合った掛け合いが好評でした。全体として、女優陣の個性的な演技が本作の魅力を大きく高めました。
女優の衣装・化粧・髪型
フラン・ファインの衣装は、1990年代の派手でカラフルなファッションを象徴するものでした。ミニスカート、タイトなドレス、ビビッドな色使い、大きな肩パッド入りのジャケットなど、彼女のスタイルは大胆かつ個性的で、クイーンズ出身の庶民的な感性とニューヨークの華やかさを融合させたものでした。衣装は、フラン・ドレシャー自身がスタイリストと協力して選んだものが多く、彼女のキャラクターの陽気さと自信を強調するデザインが特徴です。化粧は、濃いアイライナー、鮮やかなリップカラー、チークを効かせたグラマラスなスタイルで、フランの派手好きな性格を反映。髪型は、ボリュームのあるカールやアップスタイルが中心で、大きなヘアアクセサリーを多用し、視覚的なインパクトを加えました。一方、C・C・バブコック役のローレン・レーンは、洗練されたビジネスウーマンのイメージを強調するテーラードスーツやエレガントなドレスを着用。彼女の衣装は、ダークトーンやモノクロを基調とし、フランの派手さとは対照的な上品さを演出。化粧は控えめながらシャープな印象で、髪型はタイトなアップスタイルやショートカットで、プロフェッショナルな雰囲気を保ちました。子役のマデリーン・ジーマやニコール・トムは、年齢に合わせたカジュアルで可愛らしい衣装が中心で、ナチュラルなメイクとシンプルな髪型が採用されました。シルビア役のレニー・テイラーは、派手な柄のドレスや大きなジュエリーで、フランに似た派手好きな母親像を強調。全体的に、衣装やメイクは各キャラクターの個性や社会的地位を視覚的に表現する重要な要素でした。
解説
『ザ・ナニー』は、1990年代のアメリカのシットコム黄金時代を代表する作品の一つです。この番組は、階級や文化の違いをユーモアでつなぐストーリーラインと、個性的なキャラクターたちの掛け合いが特徴です。フラン・ファインのユダヤ系アメリカ人の背景や、クイーンズの庶民的な価値観が、ニューヨークの上流階級のシェフィールド家とぶつかり合うことで生まれるコメディは、視聴者に新鮮な笑いを提供しました。特に、フランとC・C・バブコックの対立や、ナイルズの皮肉なユーモアは、番組のコメディの核となっています。また、家族愛やロマンスを丁寧に描くことで、単なる笑いだけでなく心温まる瞬間も多く、幅広い層に支持されました。本作は、フラン・ドレシャーの実体験やユーモアを基にした自伝的要素が強く、彼女の個性が作品全体に反映されています。視聴率は安定して高く、特にアメリカや国際的にシンジケーションで放送されたことで世界的な人気を博しました。文化的にも、1990年代のファッションやポップカルチャーを反映した作品として、今日でも多くのファンに愛されています。番組の成功は、キャストのケミストリーと脚本の巧妙さに支えられており、シットコムの歴史において重要な位置を占めています。
キャスト
- フラン・ドレシャー(フラン・ファイン):陽気で愛らしいナニー。クイーンズ出身で、独特の声と大胆な性格が特徴。
- ローレン・レーン(C・C・バブコック):マックスウェルのビジネスパートナー。高慢でフランと対立するコミカルな敵役。
- ダニエル・デイビス(ナイルズ):シェフィールド家の執事。皮肉なユーモアと鋭い観察力で家族を見守る。
- チャールズ・ショーネシー(マックスウェル・シェフィールド):ブロードウェイのプロデューサー。フランと徐々にロマンスを築く。
- ベンジャミン・ソールズベリー(ブライトン・シェフィールド):マックスウェルの長男。生意気だが愛らしい少年。
- マデリーン・ジーマ(グレース・シェフィールド):マックスウェルの末娘。賢く繊細な性格。
- ニコール・トム(マーガレット・シェフィールド):マックスウェルの長女。ティーンエイジャーらしい悩みを抱える。
- レニー・テイラー(シルビア・ファイン):フランの母親。食いしん坊でユーモラスなキャラクター。
- レイチェル・シャガール(ヴァル・トリエッロ):フランの親友。少し天然だが忠実な友人。
スタッフ
- 企画・製作総指揮:フラン・ドレシャー、ピーター・マック・ジェイコブソン
- 製作総指揮:ロバート・スターン、キャリン・ルーカス
- 監督:リー・シャルマン(主要エピソード)、ドロシー・ライマンほか
- 脚本:ピーター・マック・ジェイコブソン、フラン・ドレシャー、キャリン・ルーカスほか
- 音楽:ティモシー・トンプソン
- 製作会社:ハイ・スクール・スウィートハーツ、スターン・プロダクションズ、CBSテレビジョン
レビュー 作品の感想や女優への思い