『黄色い壁紙』(原題:The Yellow Wall-paper. A Story)は、米国の作家シャーロット・パーキンス・ギルマンが1892年1月に『ニューイングランド・マガジン』誌に発表した短編小説。ホラー小説の秀作としても賞賛されています。
この物語は、一人称で語られる日記の集まりとして書かれています。その日記は、医師の夫が夏の間、古い邸宅を借りている女性によって書かれました。夫はその家の他の部屋を避け、女性を2階の子供部屋に閉じ込めます。治療として、夫は日記を書く女性に仕事や執筆を禁じ、当時女性によく見られた「一時的な神経衰弱と軽いヒステリー傾向」と呼ばれる診断から回復できるよう、よく食べ、外の空気をたくさん吸うよう勧めます。読者は日記の記述を読み進めるうちに、部屋のはがれかけた黄色い壁紙を観察することくらいしかすることがなくなり、日記を書く女性が徐々に狂気へと落ちていくのを体験します。
黄色い壁紙
- 原題:The Yellow Wall-paper. A Story
- 著者:シャーロット・パーキンス・ギルマン
- 邦訳:山辺行雄
- 形式:Kindle版
映画化
1977年、この物語はマリー・アシュトン監督と脚本家ジュリー・アシュトンによって『黄色い壁紙』として短編映画化されました(14分)。
1989年、この物語は英国放送協会(BBC)により『黄色い壁紙』として脚色され、後に米国でも『Masterpiece』という題名で放映されました。脚色はマギー・ウェイディ、監督はジョン・クライブ、主演はジュリア・ワトソンとスティーヴン・ディレイン。
2009年、この物語はジョン・マッカーティ監督によって、コリーン・ラヴェット主演の短編(30分)映画『監禁』として映画化。マッカーティは当初、1960年代後半にTVのアンソロジー用にこの物語の脚本を書いていました。そのアイデアはお蔵入りになりましたが、最終的に『監禁』用に改稿。
2011年、この物語は、ローガン・トーマス監督、アリック・クッシング主演の長編映画『The Yellow Wallpaper』として大まかに脚色されました(DVDリリース、2015年)。
イギリスの映画監督ジュリア・ドグラ=ブラゼルの短編実験映画『The Rules of the Game』(2015年)は、このテキストからインスピレーションを得ており、ギルマンの物語を、映写用に作られた初の動画像の登場が間近に迫っていることと関連づけて文脈づけています。ドグラ=ブラゼルの映画は、2015年の第59回BFIロンドン映画祭でプレミア上映されました。
米国の映画監督アレクサンドラ・ロレスとケヴィン・ポンチは、『黄色い壁紙』(2021年)というタイトルの長編映画化作品を製作・監督。この映画は2021年にシネクエスト映画祭でプレミア上映されました。
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