リンジー・ローハン主演でヒットした学園コメディをミュージカルとしてリメイク。
『ミーン・ガールズ』は、ティナ・フェイの脚本をサマンサ・ジェインとアルトゥーロ・ペレス・ジュニアが監督した、2024年米国のティーン向けミュージカル・コメディ映画。
主演はアングリー・ライス、ルネ・ラップ、アウリイ・クラバーリョ、クリストファー・ブリニー。フェイとティム・メドウズはオリジナル作品から再出演。
パラマウント・ピクチャーズは2020年1月に本作の開発を発表し、フェイは再び脚本を執筆し、2004年の本作をプロデュースしたローン・マイケルズとともにプロデューサーを務めました。作曲家のジェフ・リッチモンドと作詞家のネル・ベンジャミンが舞台ミュージカルの曲を手直しするために戻り、リッチモンドは映画のスコアも作曲しました。
キャスティングは2022年12月に開始。主要撮影は2023年3月から4月にかけてニュージャージー州で行なわれました。当初はストリーミング・サービス「Paramount+」での公開が予定されていたのですが、パラマウント・ピクチャーズはテスト上映の好評を受けて劇場公開を選択しました。
『ミーン・ガールズ』は2024年1月8日にニューヨークのAMCリンカーン・スクエアでプレミア上映され、パラマウント・ピクチャーズによって1月12日に全米公開。この映画は批評家からさまざまな評価を受け、3600万ドルの予算に対して全世界で1億400万ドル以上の興行収入を記録しました。
ミーン・ガールズ
- 邦題:ミーン・ガールズ
- 原題:Mean Girls
- 公開年:2024年
- 製作国:米国
- 上映時間:112分
- ジャンル:コメディ、ミュージカル
- 配給:UIP
見どころ
2004年版のオリジナル『ミーン・ガールズ』同様に脚本と出演を務めたティナ・フェイの新たなひねりを加えた物語に注目。主演は『スパイダーマン』シリーズのアンガーリー・ライス。
あらすじ
新入生のケイディ・ハーロンは、人気女子グループ「プラスチックス」に気に入られます。グループを率いるレジーナを倒すため、学校のはみ出し者たちと秘密同盟を結んだケイディは、自分らしさを貫きながら高校という過酷なジャングルをくぐり抜けていきます。
ファム・ファタル
レニー・ラップ
少し予習したところ、映画へのかすかな期待はレニー・ラップが可愛いことくらい。実際に視聴してみると、彼女はレジーナ役の演技とヴォーカルで素晴らしい仕事をしていました。本作が長編映画デビュー作となったレニー・ラップはこの役で大きく飛躍すると思います。
レニーはブロードウェイ・ミュージカルでレジーナ・ジョージを演じていました。当初は1年間の契約でしたが、COVID-19の閉鎖により7カ月でストップ。
映画ではレジーナ・ジョージが歌うたびに、アスペクト比がフラット(正方形)からスコープ(長方形)に変わり、よりMVの雰囲気を伝えています。
脚本のティナ・フェイは、ブロードウェイ・ミュージカルでのレニーの演技を見て、レジーナ役に彼女を起用したいとずっと思っていましたが、パラマウントの重役たちがもっと流行の最先端を行く人物をキャスティングしたがるのではないかと不安でしたが、結局、重役たちも彼女を高く評価していると聞いて安心したそうです(^^)
アウリイ・クラヴァーリョ
また、ディズニー映画でモアナの声を担当したジャニス女優のアウリイ・クラヴァーリョの演技とボーカルが際立っていました。
女優全体
カレンは、映画で以前にその役を演じた女優がいない唯一のプラスチック。ブロードウェイでレジーナ役を演じたレニー・ラップが再登場し、ブロードウェイでグレッチェン・ワイナース役を演じたアシュリー・パークがフランス語教師を演じ、オリジナル映画でキャディ役を演じたリンジー・ローハンが数学選手大会でカメオ出演しています。ただし、ブロードウェイのオリジナル・カレン、ケイト・ロックウェルは、生徒から名字で呼ばれていました。
感想
前作が非常に強力なキャストを擁する象徴的な名作であり、本作はミュージカルでありながらミュージカルとして宣伝されていなかったため、こちらの『ミーン・ガールズ』は期待薄でした。
しかし、実際に見たところ、なかなかの力作。ジョークは実際に面白く、象徴的なものでないかぎりは原作からの使いまわしはありません。本作は原作やブロードウェイ・ショーのリメイクでもなく、リブートでもありません。基本的にオリジナルを前提としていながらも、ブロードウェイ・ミュージカルの良いところを取り入れて、新しくアップデートされたバージョンを作っていて、とても楽しい作品に仕上がっています。曲に新しいアレンジを加えることで、一般の観客にも親しみやすいサウンドになり、MVのビジュアルにもよく合っています。
唯一の不満といえば、キャディの演技は素晴らしかったものの、歌がイマイチだったこと。
解説
16歳の家庭教師キャディ・ヘロン(アングリー・ライス)は、母親(ジェナ・フィッシャー)とともにケニアからアメリカへ戻り、ノースショア高校に通っています。キャディは数学が得意なとても単純な女子。自然が大好きで、どんな人とも友達になれるオープンマインドをもっています。母親は、キャディの教育と将来を犠牲にしてまでケニアで研究を続けるのは自分勝手だと感じていました。キャディの母親はノースウェスタン大学に復職します。
登校初日、キャディはトイレで昼食をとることを余儀なくされました。キャディはジャニス・イミイケ(アウリィ・クラヴァーリョ)とダミアン・ハバード(ジャクエル・スパイヴィー)と親しくなり、さまざまな徒党(ジョック、お色気バンド・フリーク、古典的な燃え尽き症候群、成績至上主義者、演劇の混乱)を紹介されます。 彼らは、自信のないゴスパー、グレッチェン・ウィーナーズ(ベベ・ウッド)、知性がなく気立てのいいカレン・シェティ(アヴァンティカ・ヴァンダナプ)、そして人を操る女王蜂レジーナ・ジョージ(レニー・ラップ)で構成されています。レジーナにはルックスもお金もあり、さらに天然バストが自慢。ジャニスはこれを機に、キャディに自分のためにグループに参加するよう説得します。ジャニスはプラスチックが嫌いですが、理由は言いません。グレッチェンはキャディに、2日続けて同じトップスは着られないし、ポニーテールも週に1度しかできないと言います。水曜日はピンクのドレスの日。
教師陣は、ラップ先生(コナー・ラトクリフ)の英文学、マダム・パーク(アシュリー・パーク)のフランス語、ノーベリー先生の数学、カー・コーチ(ジョン・ハム)の体育。
キャディは、微積分クラスの先輩でレジーナの元カレ、アーロン・サミュエルズ(クリストファー・ブリニー)に惹かれていきます。アーロンは、数学の授業でキャディが成績優秀なせいで、他の生徒の印象が悪くなっていると考えています。キャディはアーロンにほれ込み、彼の気を引くためにイメージ・チェンジを決意。彼女の微積分クラスのケビン・ガナトラ(マヒ・アラム)は数学選手団のキャプテン。彼はキャディを自分のチームにスカウトしようとしますが、レジーナに禁止された彼女は断ります。ジャニスは、なぜレジーナが学校中の女子生徒を支配し、彼女からの命令には何でも従うのか知りたがります。
キャディがアーロンを好きだとグレッチェンとカレンに話すと、レジーナと付き合っている彼は立ち入り禁止だと忠告さます。キャディはプラスチックとレジーナの家に行き、レジーナの母親(ビジー・フィリプス)は彼女の古い「バーンブック」、プラスチックは学校の生徒やスタッフについての残酷な内容で満たされたスクラップブックを見つけます。バーン・ブックによると、ジャニスはレズビアンとのこと。グレッチェンはレジーナに虐待されるのを嫌がり、黙って彼女の命令に従います。キャディにはグレッチェンの痛みがわかります。
キャディはジャニスとダミアンにバーン・ブックのことを話し、ジャニスとレジーナはかつて友人だったもののレジーナがジャニスをレズビアンだと学校に暴露したことで仲たがいしたと説明。レジーナはジャニスからもらったBFF人形を全校生徒からバカにさせました。それを知ったジャニスは憤慨し、レジーナからもらった人形を文鎮バーナーで燃やしました。ジャニスは頭がおかしくなったように見え、大人たちは何が起こっているのか何も知らなかったため、一年間停学の処分に…。
キャディはアーロンに近づくため、わざと数学を落第させるようになり、アーロンは彼女をハロウィーン・パーティーに誘います。ジャニスはこれに反対しますが、キャディは自分の戦術がうまくいったと言います。レジーナはキャディのアーロンへの恋心を知り、嫉妬のあまりアーロンといちゃつき、キャディの前で彼にキス。レジーナについてジャニスが正しかったと気づいた彼女は、彼女の評判を落とす計画に同意します。
キャディはレジーナを騙して体重を減らすためにカルティンバーを食べさせ、フェイスクリームをラードに置き換えます。レジーナの授賞式でスプリンクラーを作動させ彼女を困らせますが、レジーナは濡れたセクシーなルックを披露し、これまで以上に妖艶に。彼女はまた、マスカラを塗るという新しい流行をはじめます。トリオは、レジーナに代わってキャディにキャンディ・ケイン・グラムを送らせることで、グレッチェンの不安を煽ります。グレッチェンは、アーロンがアメフト選手のシェーン・オーマンと浮気していたことなど、レジーナの秘密をキャディに暴露。
レジーナが浮気していることをアーロンに話したキャディは、アーロンに現行犯逮捕され、レジーナと別れます。レジーナの評判は、冬のタレント・ショーでの悲惨なパフォーマンス(レジーナは太りすぎでステージで平伏す)がウイルスによる恥ずかしさにつながった後、さらなる打撃を受けます。レジーナの社会的地位が急落し、キャディが新たな女王蜂となります。グレッチェンは満席のカフェテリアでレジーナに、もうプラスチックスと一緒に座ることは許されないと告げます。
一方、ノーベリーはキャディに、過去5回の小テストで不合格になったことを告げます。
ジャニスはキャディを美術展に誘いますが、彼女は母親とマディソンに行く用事があると嘘をつきます。しかしキャディは、家に泊めてくれるよう母親を説得し、こっそりハウスパーティを開きます(ハウスパーティを主催すればアーロンを招待できるとグレッチェンが提案したため)。彼は、レジーナのように人を操るようになったキャディを叱責し、嵐のように出て行きます。後を追った彼女は、ジャニスにレジーナのような猫なで声で罵られます。キャディはジャニスが自分に執着していると非難し、彼女はキャディが完全にプラスチックになったと答え、友情を放棄。
レジーナはパーティに招待されておらず、キャディがカルティンバーのことで嘘をついていたことを知ると、アリバイとして自分自身をバーン・ブックに追加し、わざと学校の廊下に落とします。それを発見した後輩女子たちは、中の噂をめぐって暴動を起こします。デュバル校長(ティム・メドウズ)と数学教師のノーバリー先生(ティナ・フェイ)は、本の出所を突き止めるため、下級生たちを体育館に呼び出します。ノーバリー先生はカタルシスを得るための介入を行ない、女子生徒たちに他人への扱いについて互いに謝罪するよう促します。ジャニスは口を開き、(キャディと共謀して)レジーナに復讐する計画の一部始終を暴露。学校の駐車場でキャディと対決中、レジーナはバスにはねられました。
学校の意見はレジーナに傾き、全員がレジーナをバスの前に突き飛ばしたキャディを責めます。
キャディは自分のしたことの重大さに気づき、この本の全責任を取ります。そしてノーバリー先生が麻薬の売人だと書いたことで、彼女は刑務所に入ることになりました。ノーバリー先生はキャディに、州選手権の数学選手団に参加することで追加単位を得る方法を提案し、キャディはチームの勝利に貢献することで名誉挽回します。
春の祭典で、キャディはレジーナと和解し、春の祭典の女王に選ばれますが、プラスチックの王冠を折って女の子たちに配り、みんなそれぞれに特別だと言います。彼女はジャニスとダミアンに謝罪し、ダミアンは彼女を友人として受け入れ、プラスチックスとアーロンに償いをします。
キャスト・スタッフ
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