『抱きたいカンケイ』（2011年）は、ナタリー・ポートマンとアシュトン・カッチャー主演のロマンティック・コメディ。セックスフレンドとして始まった男女の関係が、次第に本物の愛へと変わる過程を軽妙に描く。アイヴァン・ライトマン監督が手がけ、現代的な恋愛観とユーモアが魅力。ロサンゼルスを舞台に、2人の心の揺れと成長を等身大で表現。以下は、あらすじ、女優の活躍、女優の衣装・化粧・髪型、解説、キャスト、スタッフ）をまとめています。
基本情報
- 邦題：抱きたいカンケイ
- 原題：No Strings Attached
- 公開年：2011年
- 製作国：米国
- 上映時間：108分
- ジャンル：コメディ、恋愛
- 配給：パラマウント・ピクチャーズ
見どころ
セックスからはじまる恋の行方をコミカルに描いたラブコメディ。これまでの役柄とは打って変わって大胆＆奔放なイマドキ女子に扮したナタリー・ポートマンの魅力が炸裂！
あらすじ
映画『抱きたいカンケイ』は、恋愛感情を排除した「セックスフレンド」関係を始めた男女が、互いに惹かれ合う過程で生じる葛藤と成長を描いたロマンティック・コメディです。物語は、15年前のサマーキャンプで出会ったエマ・カーツマン（ナタリー・ポートマン）とアダム・フランクリン（アシュトン・カッチャー）から始まります。2人はその後も偶然の再会を繰り返しますが、性格や価値観の違いから恋愛には発展しませんでした。
大人になったエマはロサンゼルスの病院で多忙な医師として働き、恋愛に時間を割く余裕のない生活を送っています。一方、アダムはテレビ番組の制作アシスタントとして働き、父親で有名なテレビ司会者アルヴィン（ケヴィン・クライン）が元恋人と交際していることにショックを受けています。ある夜、アダムは泥酔状態でエマのシェアハウスに転がり込み、勢いで一線を越えてしまいます。恋愛に臆病なエマは、恋愛感情や嫉妬、デートを排除した「体だけの関係」を提案し、アダムもそれを受け入れます。
当初は気軽な関係を楽しむ2人ですが、アダムは次第にエマへの深い愛情に気づきます。しかし、恋愛に恐怖心を抱くエマは彼の気持ちを拒絶し、一度は関係を解消します。エマもまた、自分の本当の気持ちに気づき始め、愛を認める勇気を持つことで2人は再び向き合い、本物の恋愛へと踏み出します。物語は、ロサンゼルスのカジュアルなカフェやビバリーヒルズのセレブな雰囲気の中で、2人の心の変化をユーモラスかつ感動的に描きます。
女優の活躍
本作の主演女優ナタリー・ポートマンは、エマ・カーツマン役として卓越した演技を見せています。彼女は同年に公開された『ブラック・スワン』でアカデミー主演女優賞を受賞し、シリアスな役柄で知られていましたが、本作では珍しいラブコメディに挑戦。エマは仕事に没頭する知的で自立した女性でありながら、恋愛に対して臆病で感情を抑えるキャラクターです。ポートマンは、エマのクールで生真面目な一面と、徐々に心を開いていく繊細な感情の変化を自然体で表現し、観客に共感を呼びます。特に、コミカルなシーンでの軽妙な演技や、感情的なシーンでの真に迫った表情は、彼女の演技の幅広さを証明しています。映画ライターからは「薄幸顔が溌剌とした笑顔に変わる瞬間が新鮮」と評価され、シリアスな役柄が多いポートマンにとって新たな魅力を引き出す作品となりました。
ポートマンは本作で主演だけでなく製作総指揮も務め、作品のトーンやキャラクター設定にも影響を与えました。彼女の知性とプロフェッショナリズムは、エマのキャリアウーマンとしての説得力を高め、現代女性の恋愛観をリアルに反映しています。共演のアシュトン・カッチャーとのケミストリーも高く評価され、2人の軽快な掛け合いが本作のユーモアを支えています。ポートマンのラブコメ初挑戦は、彼女のキャリアにおける大胆な冒険として、観客に新鮮な驚きを提供しました。
女優の衣装・化粧・髪型
ナタリー・ポートマン演じるエマの衣装、化粧、髪型は、彼女のキャラクター設定とロサンゼルスのカジュアルかつ洗練された雰囲気を反映しています。エマは多忙な女医という設定上、衣装は実用性と知性を強調したものが中心です。病院でのシーンでは、白衣やスクラブを着用し、プロフェッショナルな印象を与えます。一方、私生活では、カジュアルなジーンズやTシャツ、シンプルなカーディガンなど、リラックスしたスタイルが目立ちます。これらの衣装は、ロサンゼルスのウエストハリウッドやビバリーヒルズのカジュアルなカフェ文化にマッチし、エマの恋愛に不器用な等身大の女性像を表現しています。特に、アダムとの親密なシーンでは、柔らかい色合いのトップスやゆったりしたニットが登場し、彼女の内面的な柔らかさをさりげなく示唆します。
化粧は、ナタリー・ポートマンのナチュラルな美しさを活かした控えめなスタイルが特徴です。エマの多忙な生活を反映し、普段は薄いファンデーションとリップグロス程度のシンプルなメイクで、知的でクールな印象を強調。デートシーンでは、ほのかにピンクやコーラル系のチークとリップを加え、女性らしい柔らかさをプラスしています。この変化は、エマが恋愛に対して心を開く過程を視覚的に表現する工夫です。
髪型は、ポニーテールやルーズなアップスタイルが中心で、医師としての機能性を優先しつつ、女性らしさを保っています。プライベートでは、緩やかなウェーブのかかったロングヘアが登場し、エマの親しみやすさを引き立てます。ポートマンの自然体な美貌と相まって、髪型はキャラクターの感情の変化をさりげなく補完する役割を果たしています。全体的に、エマのスタイルは現代的でカジュアル、かつ知的な女性像を体現し、観客に親近感を与えるデザインとなっています。
解説
『抱きたいカンケイ』は、現代の恋愛観を反映したロマンティック・コメディとして、気軽な関係から本物の愛へと移行する過程を軽妙に描きます。本作の魅力は、セックスフレンドという現代的なテーマを扱いつつ、普遍的な恋愛の葛藤や喜びを丁寧に表現している点にあります。エマとアダムの関係は、恋愛における「ルール」や「制約」を設けることで感情をコントロールしようとする試みを描き、現代社会の恋愛に対する複雑な心理を浮き彫りにします。しかし、物語が進むにつれ、2人が互いの本当の気持ちに気づき、愛を認める勇気を持つ過程は、観客に希望と共感を与えます。
監督のアイヴァン・ライトマンは、『ゴーストバスターズ』で知られるコメディの名手であり、本作でも彼の軽快な演出が光ります。ロサンゼルスの明るい風景やカジュアルなカフェのシーンは、物語の軽やかなトーンを強調し、観客にリラックスした雰囲気を提供します。また、ナタリー・ポートマンとアシュトン・カッチャーのケミストリーは、コミカルな掛け合いと感情的なシーンのバランスを絶妙に保ち、物語の推進力となっています。特に、ポートマン演じるエマの恋愛に対する恐怖や、アダムの純粋な愛情表現は、現代の恋愛における男女の立場の違いを象徴的に描いています。
本作は、批評家からは賛否両論を受けました。主演2人の演技やケミストリーは高く評価された一方、ストーリーの展開や脚本の深さに物足りなさを感じる意見もありました。しかし、Filmarksでの平均スコア3.5点（レビュー数約29,500件）や、観客の「キュンキュンするラブストーリー」との感想から、気軽に楽しめるロマコメとして広く受け入れられています。
ロサンゼルスの舞台設定も本作の大きな魅力です。ビバリーヒルズやウエストハリウッドの風景は、セレブ感とカジュアルさが融合したLAの雰囲気を伝え、2人の恋愛を彩ります。カフェやレストランでのシーンは、現代の都市生活者のライフスタイルを反映し、観客に親しみやすい背景を提供します。
キャスト
- エマ・カーツマン：ナタリー・ポートマン。多忙な医師で、恋愛に臆病な女性。知性と自立心を持ちつつ、感情を抑える傾向がある。
- アダム・フランクリン：アシュトン・カッチャー。テレビ番組の制作アシスタント。純粋で恋愛に誠実な性格。エマに惹かれていく。
- アルヴィン：ケヴィン・クライン。アダムの父親で、有名なテレビ司会者。アダムの恋愛に影響を与える。
- ルーシー：レイク・ベル。アダムの同僚で、彼に好意を寄せるキャラクター。
ケイリー・エルウィズ、グレタ・ガーウィグ、ミンディ・カリングらも脇役として登場し、ユーモラスな掛け合いで物語を盛り上げます。
スタッフ
- 監督：アイヴァン・ライトマン。『ゴーストバスターズ』で知られるベテラン監督。軽妙なコメディ演出が本作の魅力。
- 製作：アイヴァン・ライトマン、ジョー・メジャック、ジェフリー・クリフォード
- 製作総指揮：ロジャー・バーンバウム、ゲイリー・バーバー、ジョナサン・グリックマン、ナタリー・ポートマン、トム・ポロック
- 原案：エリザベス・メリウェザー、マイク・サモネック
- 脚本：エリザベス・メリウェザー
- 撮影：ロジェ・ストファーズ
- 編集：デイナ・E・グローバーマン
- 音楽：ジョン・デブニー。軽快でロマンティックな音楽が、物語の雰囲気を高めます。
まとめ
『抱きたいカンケイ』は、ナタリー・ポートマンとアシュトン・カッチャーの魅力的な演技と、アイヴァン・ライトマンの軽妙な演出が織りなす現代的なロマンティック・コメディです。セックスフレンドという大胆なテーマを扱いつつ、恋愛の本質や勇気を描く物語は、観客に笑いと感動を提供します。エマの衣装やメイクは、彼女のキャラクターとロサンゼルスの雰囲気を反映し、視覚的にも楽しめる要素となっています。キャストとスタッフの絶妙なバランスにより、本作は気軽に楽しめるラブストーリーとして、今も多くの観客に愛されています。
レビュー 作品の感想や女優への思い