Netflixオリジナル韓国ドラマ『クイーンメーカー』は巨大財閥のフィクサーだったファン・ドヒが、人権弁護士オ・ギョンスクをソウル市長に当選させるため熾烈な選挙戦に挑む社会派ヒューマン・ドラマ。キム・ヒエとムン・ソリのW主演で、権力と正義の戦いを描く。2023年放送、全11話。
基本情報
- クイーンメーカー
- 原題：퀸메이커
- 英題：Queen Maker
- 公開年：2023年
- 製作国：韓国
- 再生時間：65分
- ジャンル：ドラマ
あらすじ
『クイーンメーカー』（原題：퀸메이커）は2023年4月14日からNetflixで独占配信された韓国ドラマで、巨大財閥ウンソングループの戦略企画室長ファン・ドヒ（キム・ヒエ）が自身の過去を清算し正義を追求する物語です。ファン・ドヒは、ウンソングループの会長ソン・ヨンシム（ソ・イスク）とその家族のために、どんな汚い手を使ってでも問題を解決する敏腕フィクサーとして働いてきました。しかし、部下の悲劇的な事故をきっかけに、自身の仕事に疑問を抱き、ウンソングループと決別することを決意します。
彼女は、ウンソングループの暴走を止めるため、非正規労働者の権利を守る人権弁護士オ・ギョンスク（ムン・ソリ）をソウル市長に当選させるべく、選挙戦に飛び込みます。オ・ギョンスクは、清廉潔白で弱者のために闘う信念を持っていますが、政治的経験は皆無です。対するは、ウンソングループの婿で元人気アナウンサーのペク・ジェミン（リュ・スヨン）。彼は爽やかなイメージの裏に冷酷な野心を隠し、ソウル市長の座を狙います。ファン・ドヒは、イメージメイキングの天才として培ったスキルを駆使し、ギョンスクの選挙キャンペーンを成功に導こうと奮闘しますが、財閥の絶大な権力と策略に立ち向かう過酷な戦いが待っています。物語は、権力、裏切り、そして正義をめぐる緊張感あふれる展開で、視聴者を引き込みます。
女優の活躍
本作の最大の魅力は、韓国を代表するベテラン女優キム・ヒエとムン・ソリのW主演による圧倒的な演技力です。キム・ヒエ演じるファン・ドヒは、冷徹なフィクサーから正義を求める女性へと変化する複雑なキャラクターを見事に表現。彼女の鋭い眼差しや冷静な判断力、そして内面の葛藤を繊細に演じ分け、物語の中心として視聴者を牽引します。特に、選挙戦の戦略を立てるシーンでは、彼女の知性とカリスマ性が際立ち、観る者を圧倒します。キム・ヒエは『夫婦の世界』などで知られる実力派で、本作でもその存在感を存分に発揮しています。
ムン・ソリ演じるオ・ギョンスクは、理想主義的で人間味あふれる弁護士役。映画『オアシス』や『リトル・フォレスト 春夏秋冬』で国際的に評価されるムン・ソリは、ギョンスクの純粋さと強さを自然体で表現し、視聴者に共感を呼びます。彼女の演技は、時にユーモラスで、時に感動的で、特に選挙演説のシーンでは情熱的なスピーチで観る者の心を掴みます。両女優の初共演は、互いの演技を高め合う化学反応を生み出し、フェミニズムの視点を取り入れた女性たちの連帯と闘いが本作の核となっています。
また、ソ・イスク演じるソン・ヨンシムは、ウンソングループの冷酷な会長として強烈な存在感を放ちます。彼女の威圧的な演技は、物語の緊張感を高め、ヴィランとしての説得力を与えています。オク・ジャヨン演じるウン・チェリョンも、悪女役としてインパクトのある演技を見せ、物語に深みを加えています。
女優の衣装・化粧・髪型
ファン・ドヒ（キム・ヒエ）の衣装は、彼女の知的でプロフェッショナルなイメージを強調するデザインが特徴です。ウンソングループ在籍時は、シャープなテーラードスーツやモノトーンのドレスを着用し、洗練された都会的な雰囲気を演出。髪型はタイトなアップスタイルやショートボブで、知性と冷静さを象徴します。化粧は控えめながら、シャープなアイラインとリップで強さを表現。選挙戦では、カジュアルかつ親しみやすいジャケットやブラウスを採用し、変化する内面を反映しています。
オ・ギョンスク（ムン・ソリ）の衣装は、庶民的で温かみのあるスタイルが中心。カジュアルなコートやニット、柔らかい色合いのスカートが彼女の誠実さを引き立てます。髪型はナチュラルなミディアムヘアで、時にポニーテールにして親しみやすさを強調。化粧はほぼナチュラルメイクで、彼女の純粋さと人間性を表現しています。選挙戦が進むにつれ、洗練されたパンツスーツを着用する場面も増え、成長を象徴しています。
ソン・ヨンシム（ソ・イスク）は、豪華な毛皮のコートや高級感あるドレスで、財閥の権力を視覚的に表現。髪型は厳格なアップスタイルで、化粧は濃い目のリップとアイメイクで威圧感を強調しています。これらの衣装やメイクは、彼女のキャラクター性を際立たせ、物語の対立構造を視覚的に補強しています。
解説
『クイーンメーカー』は、政治ドラマと復讐劇の要素を融合させた社会派エンターテインメントです。韓国の選挙戦の裏側をリアルに描き、財閥の権力や腐敗を批判する一方で、女性の連帯と成長をフェミニズムの視点で描いています。選挙キャンペーンの描写は、韓国の実際の選挙文化（歌やダンスを取り入れたキャンペーンなど）を反映し、日本とは異なる選挙のダイナミズムが興味深いポイントです。
物語は、単なる善悪の対立を超え、登場人物の葛藤や成長を丁寧に描写。特に、ファン・ドヒとオ・ギョンスクの関係性は、互いに影響を与え合いながら進化する姿が感動的です。レビューでは「ハラハラドキドキが止まらない」「女性パワーが際立つ」と高評価で、Filmarksでは平均3.9点（4513件のレビュー）を獲得。
キャスト
- ファン・ドヒ：キム・ヒエ（ウンソングループの戦略企画室長、イメージメイキングの天才）
- オ・ギョンスク：ムン・ソリ（労働人権弁護士、ソウル市長候補）
- ペク・ジェミン：リュ・スヨン（元アナウンサー、ウンソングループの婿、ソウル市長候補）
- ソン・ヨンシム：ソ・イスク（ウンソングループ会長）
- ウン・チェリョン：オク・ジャヨン（ウンソングループ会長の娘、ジェミンの妻）
- カール・ユン：イ・ギョンヨン（ウンソングループの側近）
- マ・ジュンソク：キム・テフン（ウンソングループの幹部）
- ソン・ミンジョン：チン・ギョン（ウンソングループの幹部）
スタッフ
- 監督：オ・ジンソク（『ミス・アジュンマ』『ヨンパリ』）
- 脚本：ムン・ジヨン（『スタイル』『君を守る恋』）
- 制作：インサイトフィルム、スタジオフォーカスエックス、Aストーリー
- 配信：Netflix（2023年4月14日より全11話一挙配信）
総括
『クイーンメーカー』は、キム・ヒエとムン・ソリの圧倒的な演技力と、緻密な脚本による社会派ドラマの傑作です。権力と正義、女性の連帯をテーマに、選挙戦の緊張感と人間ドラマを巧みに描き出します。衣装やメイクもキャラクターの個性を引き立て、視覚的な魅力も大きい作品です。Netflixで配信中の本作は、韓国ドラマファン必見の作品です。
レビュー 作品の感想や女優への思い