グレイシー・ゴールド（Grace Gold）は米国のフィギュアスケート選手。2014年ソチ五輪団体戦銅メダリスト、2014・2016年全米選手権優勝。摂食障害やうつ病を克服し復帰。キム・ヨナやミシェル・クワンのファンで、妹もスケーター。2016年日本のドラマに出演。
プロフィール
- 名前：グレイシー・ゴールド（Gracie Gold）
- 生年月日：1995年8月17日（7792歳）
- 出生地：米国マサチューセッツ州ニュートン
- 身長：168cm
- 種目：フィギュアスケート選手（女子シングル）
選手情報
- 代表国：米国
- カテゴリー：女子シングル
- コーチ：ヴァンサン・レステンクール、イリーナ・ヤコレワ、パーシャ・フィルチェンコフ
- 所属クラブ：Ice Works Skating Club
- ISUサイト：バイオグラフィ
生い立ち・教育
グレイシー・ゴールド（Grace Elizabeth “Gracie” Gold）は、1995年8月17日にアメリカ合衆国マサチューセッツ州ニュートンで生まれました。彼女にはカーリーという二卵性双生児の妹がおり、姉妹揃ってフィギュアスケート選手として活動しています。姓の「Gold」はドイツ語で「ゴルト」と発音され、ドイツでは一般的な姓です。グレイシーは7歳の頃からスケートを始め、幼少期からその才能を発揮しました。彼女のスケートへの情熱は、フィギュアスケート界のレジェンドであるミシェル・クワンへの憧れに強く影響されており、インスタグラムではキム・ヨナのファンであることを公言しています。
グレイシーはイリノイ州スプリングフィールドで育ち、地元の学校で教育を受けました。スケートに専念するため、ホームスクーリングを選択した時期もあり、競技と学業の両立に努めました。彼女の家族はスポーツに理解があり、特に妹のカーリーとはスケートを通じて強い絆を築いてきました。グレイシーの両親は彼女のキャリアを支え、コーチやトレーニング環境の選定にも関与しました。彼女は若い頃から厳しいトレーニングを積み、ジュニア時代から頭角を現しました。
経歴
グレイシー・ゴールドのフィギュアスケートキャリアは、ジュニア時代から輝かしいものでした。2011-2012シーズン、ジュニアグランプリシリーズのJGPタリン杯で優勝し、2012年の全米選手権ジュニアクラスでも優勝。世界ジュニア選手権では初出場で銀メダルを獲得し、シニアデビューへの道を開きました。2012-2013シーズンのグランプリシリーズでは、スケートカナダで7位、ロステレコム杯で銀メダルを獲得し、注目を集めました。
2014年は彼女のキャリアの頂点とも言える年でした。全米選手権で初優勝を飾り、ソチオリンピックの米国代表に選出。団体戦で銅メダルを獲得し、個人戦では4位と惜しくも表彰台を逃しましたが、205.53点という高得点を記録しました。同年、NHK杯でアメリカ人女性として初優勝を果たし、グランプリシリーズでの実績を積み上げました。2016年の全米選手権でも2度目の優勝を達成し、ボストンでの世界選手権ではショートプログラムでアメリカ人女性最高の76.43点を記録するなど、技術面での進化を見せました。しかし、フリーでは6位に終わり、総合4位となりました。
2016年以降、グレイシーは精神的な課題に直面しました。スケートアメリカでの5位を機に、摂食障害やうつ病、不安障害に悩まされ、2017-2018シーズンは競技から離れました。彼女は治療に専念し、2018年に復帰を目指してトレーニングを再開。2018年ロステレコム杯ではショートプログラムで苦戦し、フリーを棄権しましたが、2019年全米選手権への復帰を表明。2020年の全米選手権では11位、2022年には10位と、完全復活には至らないものの、競技への情熱を持ち続けました。彼女の復帰は、観客や仲間からスタンディングオベーションで迎えられ、精神的な強さを称賛されました。
グレイシーは5種類の3回転ジャンプを跳べる技術を持ち、特に3回転ルッツ-3回転トウループのコンビネーションジャンプを得意とします。一方で、フリップジャンプではエッジエラーを指摘されることがありました。彼女のスケーティングは、優雅さと力強さを兼ね備え、表現力でも高い評価を受けています。2022年のスケートアメリカでは、27歳でのグランプリシリーズ復帰を果たし、「年齢はただの数字」と語る彼女の姿勢は多くの人々に感動を与えました。
私生活
グレイシーの私生活は、彼女の競技生活と同じく波乱に満ちていました。2017年から2018年にかけて、摂食障害、うつ病、不安障害に苦しみ、一時は引きこもり状態に陥りました。彼女はこれらの問題を公に語り、精神的な健康の重要性を訴える活動家としても知られるようになりました。2019年には、勇気あるスケーターに贈られる「ウィル・シアーズ・アワード」を受賞。2022年には、性的暴行を受けた経験を告白し、加害者であるオーストラリアのスケーター、ブレンダン・ケリーが米国フィギュアスケート連盟から永久追放されたことを明らかにしました。この事件は、彼女のキャリアと精神に大きな影響を与えましたが、彼女はこれを乗り越え、競技復帰を果たしました。
グレイシーは自身のセクシュアリティについてもオープンで、バイセクシャルであることを自伝で公表。過去に男性と女性の両方と交際した経験があり、かつてはエージェントからセクシュアリティを隠すよう助言されたものの、現在は自分を肯定する姿勢を示しています。彼女は英国のジュニアアイスダンス選手ジェームズ・ヘルナンデスと短期間交際したこともあります。
家族との絆も深く、2020年の新型コロナウイルス禍では、医療従事者として最前線で働く母親を誇りに思うと語りました。彼女はチャリティーイベント「Blades for The Brave」の司会を務め、コロナ禍での支援活動にも貢献。ヨガや健康的なライフスタイルにも関心を持ち、精神と身体のバランスを大切にしています。
出演作品
グレイシーはフィギュアスケート選手としてだけでなく、メディアにも登場しています。2016年には、日本のテレビドラマ『せいせいするほど、愛してる』（TBS系列）に本人役で出演。このドラマは、恋愛と情熱を描いた作品で、彼女の出演は日本のファンに大きな印象を与えました。また、HBOのスポーツドキュメンタリー『The Weight of Gold』に出演し、トップアスリートのメンタルヘルス問題について語り、2022年には「Bell of Hope Award」を受賞しました。彼女の自伝では、競技生活や個人的な試練について率直に綴られ、広く共感を呼びました。
まとめ
グレイシー・ゴールドは、フィギュアスケートでの輝かしい成績と、精神的な試練を乗り越えた復活劇で知られる選手です。ソチ五輪の銅メダルや全米選手権の優勝、技術的な進化に加え、摂食障害やうつ病との闘いを通じて、精神的な強さと自己肯定の大切さを体現しています。日本のドラマ出演やチャリティー活動など、競技以外でも影響力を発揮。彼女の物語は、年齢や困難を乗り越える力強いメッセージを伝えています。
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