『ハロウィン6 最後の戦い』は1995年9月29日公開のアメリカ製スラッシャー・ホラー映画で、ハロウィンシリーズの第6作目。監督はジョー・チャペル、脚本はダニエル・ファランズが担当しています。マイケル・マイヤーズが古代の呪い「ソーン」により家族を抹殺しようとする物語で、ドナルド・プリーサンスがドクター・ルーミス役で最後の出演を果たしています。ポール・ラッドがトミー・ドイルとしてデビューし、家族の恐怖を描いています。
基本情報
- 邦題：ハロウィン6 最後の戦い
- 原題：Halloween: The Curse of Michael Myers
- 公開年：1995年
- 製作国：米国
- 上映時間：88分
見どころ
1978年の『ハロウィン』より続くスラッシャーホラー第6作。ブギーマンとマイケルが再び死闘を繰り広げる。ルーミスを演じたドナルド・プレザンスの遺作となった。
女優の活躍
『ハロウィン6 最後の戦い』ではいくつかの女優が重要な役割を果たしており、それぞれの活躍が物語の緊張感を高めています。まず、マリアン・ハガンが演じるカラ・ストロードは、シングルマザーとして息子のダニーを守る強い女性像を体現しています。彼女は家族の家に住み、マイケルの脅威に直面しながらも、トミーと協力して脱出を試みます。特に、カルト集団に拉致された後、最大セキュリティの病棟から脱出し、子供たちを救うシーンでは、勇気と母性愛が際立っています。ハガンの演技は、恐怖の中でも冷静さを保つキャラクターを説得力を持って表現しており、観客に強い印象を残します。
次に、J.C.ブランディが演じるジェイミー・ロイドは、前作からの続きで登場し、物語の冒頭で重要な役割を担います。15歳になったジェイミーはカルトに監禁され、出産を強いられますが、看護師の助けを借りて赤ん坊を抱えて逃亡します。マイケルに追われながらも、ラジオで助けを求めるシーンは、彼女の絶望と決意を強調しています。しかし、早い段階で殺害されてしまうため、短い出演ながらもシリーズの連続性を象徴する活躍です。ブランディの演技は、ティーンエイジャーの脆弱さと強さをバランスよく描いています。
マライア・オブライエンが演じるベスは、ティム・ストロードのガールフレンドとして登場し、祭りのシーンで活発に振る舞います。彼女はラジオDJのバリー・シムズのイベントに参加し、楽しげな雰囲気を演出しますが、マイケルに襲われ、悲惨な死を迎えます。オブライエンの活躍は、日常的な青春の象徴として機能し、ホラーのコントラストを強めています。また、キム・ダービーが演じるデブラ・ストロードは、ストロード家の母親役で、家族の日常を支える穏やかな人物です。ルーミス博士の警告を聞き、家族を守ろうとしますが、マイケルの斧による殺害シーンで衝撃を与えます。ダービーの演技は、家族の絆を温かく表現しています。
さらに、エレン・アルベルティーニ・ダウが演じるブランケンシップ夫人は、マイケルの過去を知る謎めいた存在として活躍します。彼女はダニーとカラにハロウィンの起源を語り、呪いの示唆を与えます。カルトの一員であることが明らかになり、物語のミステリーを深めます。スーザン・スウィフトが演じるメアリー（看護師）は、ジェイミーの脱出を助ける勇敢な役で、短いながらも重要な貢献をしています。これらの女優たちは、ホラー映画特有の被害者役を超え、それぞれのキャラクターに深みを与え、物語を豊かにしています。
女優の衣装・化粧・髪型
『ハロウィン6 最後の戦い』の女優たちの衣装、化粧、髪型は、1990年代の日常的なスタイルを反映しつつ、ホラー要素を強調したものとなっています。マリアン・ハガンのカラ・ストロードは、カジュアルな衣装が中心です。ジーンズやセーター、シンプルなシャツを着用し、母親らしい実用性を表しています。物語が進むにつれ、血や汚れが付着し、恐怖の進行を視覚的に示します。化粧はナチュラルで、薄いファンデーションと軽いリップが基本ですが、逃亡シーンでは汗や涙で崩れ、リアルな恐怖感を演出します。髪型はロングのブラウンヘアをストレートに下ろしたスタイルで、動きやすいようまとめられる場面もあります。これにより、彼女の強靭さが強調されます。
J.C.ブランディのジェイミー・ロイドは、監禁された状態から始まるため、病院風のガウンやシンプルな服を着ています。出産後の逃亡では、汚れた服が彼女の苦境を象徴します。化粧はほとんどなく、蒼白い肌と疲れた表情が自然に表現され、ティーンエイジャーの脆弱さを強調します。髪型はミディアムのダークヘアを乱れさせた状態で、追跡シーンの緊張を高めています。
マライア・オブライエンのベスは、若々しいファッションが特徴です。デニムショーツやTシャツ、ジャケットを着用し、祭りらしいカジュアルスタイルです。化粧は明るめで、アイシャドウとリップがアクセントとなり、青春の輝きを表します。髪型はボブスタイルのブロンドヘアで、軽快さを演出しますが、殺害シーンで血まみれになることでホラーの残酷さを強調します。
キム・ダービーのデブラ・ストロードは、中年女性らしい落ち着いた衣装です。ブラウスとスカート、またはエプロン姿で家庭的なイメージです。化粧は控えめで、ナチュラルメイクが中心です。髪型はショートのブラウンヘアを整えたスタイルで、母親の穏やかさを示します。エレン・アルベルティーニ・ダウのブランケンシップ夫人は、古風なドレスやエプロンを着用し、謎めいた雰囲気を醸します。化粧は薄く、老婦人らしい自然さです。髪型はグレイヘアをバンにまとめたクラシックスタイルです。これらの要素は、キャラクターの個性を視覚的に支え、映画の没入感を高めています。
あらすじ
前作から6年後、マイケル・マイヤーズと姪のジェイミー・ロイドはドルイドのようなカルト集団に監禁されています。ジェイミーは出産し、赤ん坊を抱えて逃亡しますが、マイケルに追われ殺害されます。赤ん坊は隠され、ジェイミーの助けを求める声がラジオで放送されます。一方、ハドンフィールドでは、マイヤーズ家にストロード一家が住んでいます。カラ・ストロードと息子のダニーは、ダニーが謎の声に悩まされる中、家族の日常を送っています。トミー・ドイルは、1978年の事件以来マイケルを研究し、ジェイミーの赤ん坊を発見してスティーブンと名付けます。
ルーミス博士は引退していましたが、友人であるテレンス・ウィン博士の訪問を受け、ジェイミーの声を聞き行動を起こします。マイケルはストロード家を襲い、デブラを斧で殺害します。トミーはカラとダニーを保護し、マイケルが古代のドルイド呪い「ソーン」に操られていると説明します。この呪いは家族を皆殺しにし、次の犠牲者を生むものです。祭りでマイケルはバリーを殺し、ティムとベスを家で殺害します。ブランケンシップ夫人は、マイケルの過去を語り、ダニーが次の呪いの担い手になる可能性を示唆します。
カルトの正体がウィン博士であることが明らかになり、カラ、ダニー、スティーブンが拉致されます。スミス・グローブ精神病院で儀式が準備されますが、トミーとルーミスが介入します。マイケルはカルトを裏切り全員を殺します。トミーはマイケルを腐食液で攻撃し、無力化します。一行は脱出しますが、ルーミスは残り、マイケルのマスクが床に落ち、彼の叫びが響きます。物語は謎を残して終わります。
解説
『ハロウィン6 最後の戦い』はハロウィン・シリーズの第6作として、マイケル・マイヤーズの起源に超自然的な要素を導入し、シリーズの方向性を変えました。前作で登場した謎の「男 in ブラック」と「ソーンのシンボル」を拡大し、ドルイドの呪いがマイケルを駆り立てる設定です。これにより、単なる連続殺人鬼から、古代の呪いに操られる存在へと深化しています。しかし、この変更はファンから賛否両論を呼び、シリーズのシンプルな恐怖を損なうとの批判もありました。
制作背景は複雑で、テストスクリーニング後の不評により再撮影が行われました。ドナルド・プリーサンスは撮影中に体調を崩し、1995年2月に亡くなり、本作が遺作となりました。映画は彼に捧げられています。ポール・ラッドのデビュー作としても知られ、トミー・ドイル役で大人になったキャラクターを描いています。予算500万ドルに対し、興行収入1510万ドルを記録しましたが、批評家からは弱いストーリーとエンディングを指摘されました。
プロデューサーズ・カット版が存在し、代替エンディングや追加シーンがあり、カルトの儀式がより詳細に描かれています。この版はファンに人気で、2014年に公式リリースされました。本作はシリーズの「ソーン・タイムライン」を締めくくり、次の『ハロウィン H20』ではこの要素を無視して再起動しています。全体として、ホラーのミステリーとスラッシャー要素を融合させた野心作ですが、複雑さが混乱を招いた点が課題です。
キャスト
- ドナルド・プリーサンス：サム・ルーミス博士
- ポール・ラッド：トミー・ドイル
- マリアン・ハガン：カラ・ストロード
- ミッチェル・ライアン：テレンス・ウィン博士
- マライア・オブライエン：ベス
- J.C.ブランディ：ジェイミー・ロイド
- キム・ダービー：デブラ・ストロード
- ブラッドフォード・E・ヤング：ティム・ストロード
- エレン・アルベルティーニ・ダウ：ブランケンシップ夫人
- デヴィン・ガードナー：ダニー・ストロード
- ジョージ・P・ウィルバー：マイケル・マイヤーズ（メイン）
- A.マイケル・ラーナー：マイケル・マイヤーズ（再撮影）
- スーザン・スウィフト：メアリー（看護師）
- レオ・ゲーター：バリー・シムズ
スタッフ
- 監督：ジョー・チャペル
- 脚本：ダニエル・ファランズ
- 製作：ポール・フリーマン
- 製作総指揮：ムスタファ・アッカド
- 撮影：ビリー・ディクソン
- 編集：ランドルフ・K・ブレイシー
- 音楽：アラン・ハワース
- 美術：ブライアン・ベイカー
- 衣装：アン・ロス
- メイクアップ：ライアン・マクコーミック
- 特殊効果：ジョン・カール・ブーチラー
レビュー 作品の感想や女優への思い