『X-MEN:フューチャー&パスト』（2014年5月23日公開）は、ミュータントの存亡をかけた戦いを描くアクションSF映画。過去と未来を行き来し、歴史改変で危機を回避する壮大な物語。豪華キャストと視覚効果で、シリーズ最高興行収入を記録。
基本情報
- 邦題：X-MEN:フューチャー＆パスト
- 原題：X-MEN: Days of Future Past
- 公開年：2014年
- 製作国：米国
- 上映時間：131分
- ジャンル：アクション
- 配給：20世紀フォックス映画
あらすじ
2023年、センチネルと呼ばれる対ミュータント用ロボットが世界を支配し、ミュータントとその支援者は絶滅の危機に瀕しています。プロフェッサーX（パトリック・スチュワート）とマグニートー（イアン・マッケラン）は、キティ・プライド（エリオット・ペイジ）の能力でウルヴァリン（ヒュー・ジャックマン）の精神を1973年に送り込み、センチネル計画のきっかけとなったミスティーク（ジェニファー・ローレンス）によるボリバー・トラスク（ピーター・ディンクレイジ）の暗殺を阻止する作戦を立てます。
1973年、ウルヴァリンは廃人状態の若きチャールズ・エグゼビア（ジェームズ・マカヴォイ）と出会い、協力を求めます。チャールズはベトナム戦争で生徒を失い、能力を封じる薬に頼っています。ハンク（ニコラス・ホルト）、クイックシルバー（エヴァン・ピーターズ）の助けでマグニートー（マイケル・ファスベンダー）を救出し、パリでの暗殺を阻止しようとしますが、ミスティークの行動とエリックの裏切りで事態は悪化。最終的に、チャールズの説得でミスティークが暗殺を思いとどまり、歴史が改変され、2023年の破滅的な未来は消滅。ウルヴァリンは平和なX-メン学園で目覚め、ジーンやスコットが生きている新たな未来を迎えます。
解説
『X-MEN:フューチャー&パスト』は、マーベル・コミックの「アンキャニィX-MEN」の「デイズ・オブ・フューチャーパスト」を基にした作品で、シリーズ第7作目、新シリーズの2作目です。旧三部作と新シリーズを繋ぐ橋渡しとして、過去と未来の二つの時間軸を巧みに描き、シリーズの集大成とも言える内容です。監督ブライアン・シンガーは、視覚効果とドラマ性を融合させ、アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされるほどの映像美を実現しました。物語は、時間改変によるパラドックスや、ミュータントと人間の対立、個々の葛藤を深く掘り下げ、特にチャールズとエリックの友情と対立が感動を呼びます。クイックシルバーの高速シーンは、視覚的にも印象的で、シリーズ屈指の名シーンとして評価されています。
女優の活躍
ジェニファー・ローレンス（ミスティーク／レイブン）
ジェニファー・ローレンス演じるミスティークは、本作の物語の鍵を握るキャラクターです。彼女のトラスク暗殺が未来の破滅を引き起こすため、彼女の決断が物語の中心となります。ローレンスは、ミスティークの冷徹さと内面の葛藤を見事に表現。パリでのアクションシーンや、ワシントンでの最終決断では、感情の揺れを繊細に演じ、観客に強い印象を与えました。彼女の身体能力を活かした戦闘シーンも見どころで、特に変身能力を駆使した潜入シーンは緊張感たっぷりです。
ハル・ベリー（ストーム）
ハル・ベリー演じるストームは、未来のX-MENのリーダーとして登場。天候を操る能力でセンチネルと戦う姿は迫力満点です。出番は限られるものの、彼女の存在感は大きく、仲間を守るために命をかける姿は感動的。ベリーは妊娠中での撮影だったため、アクションは制限されていましたが、堂々とした演技でストームの威厳を保ちました。
アンナ・パキン（ローグ）
アンナ・パキン演じるローグは、劇場版では出番が大幅にカットされましたが、「ローグ・エディション」では重要な役割を担います。彼女の能力でキティの代わりにウルヴァリンの精神を過去に維持するシーンは、物語の緊迫感を高めます。パキンの繊細な演技は、ローグの孤独感と仲間への献身を表現し、短い出番でも印象を残しました。
エリオット・ペイジ（キティ・プライド）
エリオット・ペイジ演じるキティ・プライドは、未来でウルヴァリンの精神を過去に送る重要な役割を果たします。ペイジは、キティの若々しさと強い意志をバランスよく演じ、センチネルとの戦いでの緊迫した表情や、ウルヴァリンを支える冷静さが光ります。彼女の能力が物語の鍵となり、ペイジの演技がその重みを強調しました。
ファン・ビンビン（ブリンク）
ファン・ビンビン演じるブリンクは、テレポート能力で未来の戦闘を支えます。出番は少ないものの、彼女のポータルを使った戦術は視覚的に鮮やかで、チームワークを際立たせました。ビンビンのクールな演技は、ブリンクの神秘性を引き立て、印象的な存在感を示しました。
女優の衣装・化粧・髪型
ジェニファー・ローレンス（ミスティーク）
ミスティークの青い鱗状の皮膚は、全身を覆う特殊メイクで表現され、撮影には数時間かかりました。このメイクは、彼女の変身能力を強調し、神秘的で非人間的な魅力を放ちます。衣装はほとんどなく、青い肌自体が彼女の「衣装」として機能。髪は赤みを帯びたオレンジで、ワイルドな雰囲気を作り出しました。変身シーンでは、軍人や将校の衣装を着用し、70年代のファッションを反映したタイトなスーツやドレスが登場。メイクは変身先のキャラクターに合わせて変化し、ローレンスの演技をさらに際立たせました。
ハル・ベリー（ストーム）
ストームの衣装は、未来の戦闘シーンで黒を基調とした戦闘服。タイトなレザー風のスーツは、彼女の力強さとリーダーシップを象徴します。白髪はストームの特徴で、長く流れる髪型は風を操る能力を視覚的に表現。メイクはシンプルで、戦士としての厳しさを強調するナチュラルな仕上がりでした。
アンナ・パキン（ローグ）
ローグの衣装は、未来のシーンで暗いトーンの戦闘服。彼女の能力上、肌を露出しないデザインで、手袋や長袖が特徴的です。髪は暗いブラウンに白い筋が入り、彼女の孤独感を象徴。メイクは控えめで、ローグの内面的な葛藤を反映したナチュラルなスタイルでした。
エリオット・ペイジ（キティ・プライド）
キティの衣装は、未来の戦闘シーンで実用的な戦闘服。ダークカラーのタイトなスーツは、動きやすさを重視したデザインです。髪はショートカットで、若々しさと実戦的な雰囲気を両立。メイクはほとんどなく、戦いの中での自然体な表情が強調されました。
ファン・ビンビン（ブリンク）
ブリンクの衣装は、紫を基調とした未来的な戦闘服で、テレポート能力をイメージした流れるようなデザイン。髪は長く、紫がかった色合いが彼女の神秘性を引き立てます。メイクはエキゾチックで、鋭いアイラインと淡いリップが特徴的でした。
キャスト
- ローガン／ウルヴァリン：ヒュー・ジャックマン
- チャールズ・エグゼビア／プロフェッサーX（若年期）：ジェームズ・マカヴォイ
- チャールズ・エグゼビア／プロフェッサーX（老年期）：パトリック・スチュワート
- エリック・レーンシャー／マグニートー（若年期）：マイケル・ファスベンダー
- エリック・レーンシャー／マグニートー（老年期）：イアン・マッケラン
- レイヴン・ダークホルム／ミスティーク：ジェニファー・ローレンス
- ストーム：ハル・ベリー
- ローグ：アンナ・パキン
- キティ・プライド：エリオット・ペイジ
- ボリバー・トラスク：ピーター・ディンクレイジ
- ハンク／ビースト：ニコラス・ホルト
- ピーター／クイックシルバー：エヴァン・ピーターズ
- ビショップ：オマール・シー
- ブリンク：ファン・ビンビン
- サンスポット：エイダン・カント
- ウォーパス：ブーブー・スチュワート
- ハボック：ルーカス・ティル
- ウィリアム・ストライカー：ジョシュ・ヘルマン
- ジーン・グレイ：ファムケ・ヤンセン（カメオ）
- サイクロップス：ジェームズ・マースデン（カメオ）
スタッフ
- 監督：ブライアン・シンガー
- 脚本：サイモン・キンバーグ
- 原案：ジェーン・ゴールドマン、サイモン・キンバーグ、マシュー・ヴォーン
- 製作：ローレン・シュラー・ドナー、ブライアン・シンガー、サイモン・キンバーグ、ハッチ・パーカー
- 製作総指揮：スタン・リー、トッド・ハロウェル、ジョシュ・マクラグレン
- 撮影：ニュートン・トーマス・サイジェル
- 美術：ジョン・マイヤー
- 衣装：ルイーズ・ミンゲンバック
- 編集：ジョン・オットマン
- 音楽：ジョン・オットマン
レビュー 作品の感想や女優への思い