『コヨーテ・アグリー』は2000年公開の米国映画。NYの実在クラブ「コヨーテ・アグリー」を舞台に、ソングライターを目指すヴァイオレットの夢と成長を描く青春ストーリー。情熱的なダンスと音楽が魅力の群像劇。若手女優たちがエネルギッシュな演技で物語を牽引。主演のパイパー・ペラーボはヴァイオレット役で映画初主演。
基本情報
- 邦題：コヨーテ・アグリー
- 原題：Coyote Ugly
- 公開年：2000年
- 製作国：米国
- 上映時間：101分
- ジャンル：ドラマ、コメディ、音楽
あらすじ
ニュージャージー州出身の21歳、ヴァイオレット・サンフォード（パイパー・ペラーボ）は、ソングライターになる夢を抱いてニューヨークへ上京します。しかし、現実は厳しく、デモテープは受け入れられず、空き巣被害で所持金も失います。生活費を稼ぐため、偶然見つけたクラブ・バー「コヨーテ・アグリー」で働くことに。そこは、女性バーテンダーたちがバーカウンターの上で過激なダンスパフォーマンスを披露し、客を魅了する異色のバーでした。オーナーのリル（マリア・ベロ）にスカウトされたヴァイオレットは、失敗を繰り返しながらも徐々に客あしらいやダンスに慣れていきます。
ある夜、店の騒動を収めるためにカウンターで歌ったことで「歌うコヨーテ」として注目を集めますが、その派手な姿が新聞に掲載され、故郷の父ビル（ジョン・グッドマン）の怒りを買います。さらに、恋人ケヴィン（アダム・ガルシア）とのすれ違いや、店でのトラブルが原因でクビに。一度は夢を諦めかけるも、父や友人の励ましを受け、再び曲作りに励みます。ついにライブの機会を得たヴァイオレットは、舞台恐怖症を乗り越え、成功を収め、自身の曲が世に出ることで夢を実現します。
解説
『コヨーテ・アグリー』は、ニューヨークのイーストビレッジに実在するクラブ「コヨーテ・アグリー・サルーン」を舞台にした2000年公開の青春映画です。監督はデビューのデヴィッド・マクナリー、製作には『アルマゲドン』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』で知られるジェリー・ブラッカイマーが名を連ね、音楽やダンスを軸に夢を追いかける女性たちの情熱と成長を描いた群像劇です。
本作は、単なるサクセスストーリーに留まらず、友情、家族愛、恋愛といった人間関係を通じて等身大の葛藤や挑戦を表現。特に、主人公ヴァイオレットの舞台恐怖症や父親との関係、恋人とのすれ違いなど、現実的な悩みが丁寧に描かれ、観客に共感を呼びます。映画の魅力は、リアン・ライムスによる主題歌「Can’t Fight The Moonlight」をはじめとするエネルギッシュなサウンドトラックと、女性バーテンダーたちのダイナミックなパフォーマンスにあります。
バーでの過激なダンスシーンは、女性の力強さと美しさを強調し、観る者を引き込む一方で、ややステレオタイプな描写も見受けられるため、現代の視点では議論の余地があるかもしれません。それでも、夢に向かって前進する姿勢や、仲間との絆を描いたポジティブなメッセージは、公開から25年経った今も色褪せず、幅広い層に愛されています。
女優の活躍
本作『コヨーテ・アグリー』では、若手女優たちがエネルギッシュな演技で物語を牽引。
主演のパイパー・ペラーボは、ヴァイオレット役で映画初主演を飾り、夢に向かって葛藤しながら成長する女性を繊細かつ力強く演じました。彼女の歌唱シーン（実際の歌声はリアン・ライムスが担当）やダンスパフォーマンスは、観客に強い印象を与え、本作を機に注目を集めました。
- マリア・ベロは、クラブのオーナー、リル役で堂々としたリーダーシップと温かみを表現。バーでのパフォーマンスや部下を導く姿で、作品に深みを加えています。
- タイラ・バンクスは、法律の勉強を目指すバーテンダー、ゾーイ役で出演。短い登場時間ながら、モデル出身の彼女らしい華やかな存在感でバーの雰囲気を盛り上げました。
- イザベラ・マイコは「ロシアの小悪魔」キャミー役で、セクシーでユーモラスな演技を披露。
- ブリジット・モイナハンは「NYのアバズレ」レイチェル役で、気性が荒いながらも仲間への忠誠心を見せる複雑なキャラクターを演じ切りました。
- メラニー・リンスキーは、ヴァイオレットの親友グロリア役で、控えめながらも温かい友情を体現し、物語に優しさを添えました。
これら新星女優たちの情熱的な演技は、個々の夢や背景を際立たせ、群像劇としての魅力を高めています。
女優の衣装・化粧・髪型
『コヨーテ・アグリー』の衣装、化粧、髪型は、クラブの派手でセクシーな雰囲気を強調し、キャラクターの個性を際立たせる重要な要素です。衣装デザインはマーリーン・スチュアートが担当し、バーテンダーたちの衣装は、タイトなレザーパンツ、クロップトップ、カウボーイブーツなど、ワイルドで挑発的なスタイルが特徴です。
ヴァイオレット（パイパー・ペラーボ）は、初めは控えめな服装ですが、バーでの仕事を通じて徐々に大胆な衣装に変化。彼女のシグネチャールックである赤いレザーパンツやホルタートップは、成長と自信の象徴として印象的です。リル（マリア・ベロ）は、黒を基調としたシャープな衣装でリーダーシップを表現し、キャミー（イザベラ・マイコ）は派手な柄やアクセサリーで遊び心を、レイチェル（ブリジット・モイナハン）はダークトーンのタイトな衣装でクールな魅力を演出。ゾーイ（タイラ・バンクス）は、モデルらしい長身を活かした流れるようなトップスで華やかさを加えています。
化粧は、濃いアイラインやスモーキーアイ、鮮やかなリップでセクシーさを強調。特にバーでのパフォーマンスシーンでは、汗や照明に映えるメイクが施され、女性たちのエネルギーを引き立てます。
髪型は、ヴァイオレットのナチュラルなロングヘアが徐々にルーズなウェーブやポニーテールに変化し、バーでの活発な動きに対応。リルはショートカットで実用的かつスタイリッシュ、キャミーはボリュームのあるカールで華やかさを、レイチェルはストレートのロングヘアでクールな印象を強調しています。
これらのビジュアルは、2000年代初頭のトレンドを反映しつつ、キャラクターの個性とバーの雰囲気を視覚的に表現しました。
キャスト
- ヴァイオレット・サンフォード：パイパー・ペラーボ（日本語吹替：三石琴乃）
- ケヴィン・オドネル：アダム・ガルシア（小西克幸）
- リル：マリア・ベロ（深見梨加）
- グロリア：メラニー・リンスキー（岡村明美）
- ビル・サンフォード：ジョン・グッドマン（玄田哲章）
- ゾーイ：タイラ・バンクス（佐藤ゆうこ）
- キャミー：イザベラ・マイコ（石塚理恵）
- レイチェル：ブリジット・モイナハン（浅野まゆみ）
- リアン・ライムス：リアン・ライムス（本人役、歌唱吹替も担当）
スタッフ
- 監督：デヴィッド・マクナリー
- 脚本：ジーナ・ウェンドコス、ジェフ・ナサンソン
- 原案：ジーナ・ウェンドコス
- 製作：ジェリー・ブラッカイマー、チャド・オマン
- 製作総指揮：マイク・ステンソン、スコット・ガーデンアワー
- 撮影：アミール・モクリ
- 美術：ジョン・ハットマン
- 編集：ウィリアム・ゴールデンバーグ
- 音楽：トレヴァー・ホーン
- 衣装デザイン：マーリーン・スチュアート
レビュー 作品の感想や女優への思い