『最終絶叫計画』(Scary Movie)は2000年の米国のブラック・コメディ・スラッシャー映画。ホラー映画のパロディで、ティーンエイジャーがゴーストフェイスの殺人鬼に追われる物語。キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ監督、アンナ・ファリスらが出演。
基本情報
- 邦題:最終絶叫計画
- 原題:SCARY MOVIE
- 公開年:2000年
- 製作国:米国
- 上映時間:88分
- ジャンル:コメディ
見どころ
有名作品のパロディと最低な下ネタで映画ファンの心を掴み、全米で大ヒットを記録。『スクリーム』『マトリックス』などのパロディが満載で、映画好きなら必ず笑える一作。
あらすじ
ハロウィンの夜、ハイスクールの美少女ドリュー・デッカーがゴーストフェイスのマスクを被った殺人鬼に惨殺されます。この事件で町が騒然とする中、シンディ・キャンベルは1年前に友人たちと誤って車で人をはね、遺体を湖に捨てた過去を思い出します。彼女はその事故が今回の殺人事件と関連しているのではないかと疑い始めます。シンディと友人たちは、ゴーストフェイスに次々と命を狙われ、恐怖と混乱の中で真相を突き止めようとします。この物語は、『スクリーム』(1996年)や『ラストサマー』(1997年)のプロットを基に、コミカルに再構築されたパロディ作品です。ホラー映画の定型を誇張し、ユーモアと下ネタを織り交ぜながら展開します。
解説
『最終絶叫計画』は、ホラー映画やスラッシャー映画のパロディを主軸にしたブラック・コメディ。特に『スクリーム』や『ラストサマー』を主要な題材に、1990年代のティーン向けホラー映画の定番要素を風刺しています。ゴーストフェイスのマスクや電話での脅迫、予測可能な展開など、ホラー映画のクリシェを意図的に誇張し、笑いを誘います。
さらに、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『マトリックス』など、当時のポップカルチャーや他のジャンルの映画もパロディの対象として取り入れられています。監督のキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズは、過激なユーモアと下ネタを多用し、観客に気軽な娯楽を提供することを目指しました。
製作費1900万ドルに対し、全世界で2億7800万ドルの興行収入を記録し、商業的にも大成功を収めました。この成功により、シリーズ化され、続編が複数製作されました。批評家からは賛否両論でしたが、軽快なテンポとパロディの豊富さで多くの観客に愛されました。
女優の活躍
本作では、アンナ・ファリス、カルメン・エレクトラ、シャノン・エリザベス、レジーナ・ホールといった女優たちが重要な役割を果たしました。
アンナ・ファリス(シンディ・キャンベル役)
本作の主人公で、『スクリーム』のシドニー・プレスコットを彷彿とさせるキャラクターを演じました。アンナ・ファリスは、天然で少し間抜けなヒロイン像をコミカルに表現し、ホラー映画の「ファイナルガール」のステレオタイプを風刺。彼女のユーモラスな演技は本作の成功の鍵となり、シリーズの顔として続編にも出演しました。この役で彼女は一躍注目を集め、コメディ女優としての地位を確立しました。
カルメン・エレクトラ(ドリュー・デッカー役)
映画の冒頭で殺される役を演じ、『スクリーム』のドリュー・バリモアのシーンをパロディ化。短い出演時間ながら、セクシーで派手な演技で観客の印象に残りました。彼女の登場シーンは、ホラー映画の「犠牲者」役の典型を誇張したもので、コミカルな効果を高めました。
シャノン・エリザベス(バフィ・ギルモア役)
『アメリカン・パイ』でブレイクしたエリザベスは、典型的な「人気者のチアリーダー」役を演じました。彼女のキャラクターは、ホラー映画のステレオタイプを風刺し、コミカルで大胆な演技が光ります。特に、彼女の登場シーンでは、ホラー映画の「セクシーな犠牲者」のパロディが強調されています。
レジーナ・ホール(ブレンダ・ミークス役)
シンディの親友で、陽気で騒がしいキャラクターを演じました。ホールの演技は、映画館でのマナー違反や過剰な反応を風刺するシーンで特に際立ち、観客に笑いを提供。彼女のエネルギッシュな演技は、シリーズ全体で重要な役割を果たし、続編でも存在感を示しました。
女優の衣装・化粧・髪型
本作の女優たちの衣装、化粧、髪型は、1990年代のティーン向けホラー映画や青春映画のスタイルを反映しつつ、パロディとして誇張されたデザインが特徴です。
アンナ・ファリス
シンディ役のファリスは、カジュアルで親しみやすいスタイルが中心。ジーンズやTシャツ、シンプルなスニーカーといった典型的な高校生の服装を着用し、ホラー映画の「普通の少女」を強調。化粧はナチュラルで、普段の女子高生らしい清潔感を演出。髪型はストレートのロングヘアで、ポニーテールやハーフアップが多く、動きやすさと若さを表現していました。彼女のルックは、ホラー映画のヒロインの「純粋さ」を風刺しつつ、親しみやすさを保ちました。
カルメン・エレクトラ
ドリュー役のエレクトラは、セクシーさを強調した衣装が特徴。冒頭のシーンでは、タイトなタンクトップとショートパンツを着用し、ホラー映画の「セクシーな犠牲者」を誇張。化粧は濃いアイラインとグロスで、グラマラスな印象を強化。髪型はゆるいウェーブのかかったロングヘアで、セクシーさを際立たせました。このスタイルは、短い登場時間で強いインパクトを与えるための意図的な選択でした。
シャノン・エリザベス
バフィ役のエリザベスは、チアリーダーのステレオタイプを反映した衣装が目立ちます。ミニスカートのチアリーダー衣装や、タイトなトップスを着用し、セクシーで派手な印象。化粧は明るいリップとチークで、若々しく華やかな雰囲気を演出。髪型は高めのポニーテールで、チアリーダーらしい活発さを強調しました。これらの要素は、ホラー映画の「人気者」キャラをパロディ化したものです。
レジーナ・ホール
ブレンダ役のホールは、カジュアルかつ個性的なスタイル。カラフルなトップスやジーンズ、アクセサリーを多用し、陽気なキャラクター性を表現。化粧は鮮やかなアイシャドウやリップで、活発な印象を強化。髪型はショートカットや編み込みで、動きのあるシーンに適した実用的なスタイルでした。彼女のルックは、映画館での騒がしい振る舞いを風刺するシーンで特に際立っていました。
キャスト
- アンナ・ファリス:シンディ・キャンベル
- カルメン・エレクトラ:ドリュー・デッカー
- シャノン・エリザベス:バフィ・ギルモア
- レジーナ・ホール:ブレンダ・ミークス
- ジョン・エイブラハムズ:ボビー・プリンゼ
- ショーン・ウェイアンズ:レイ・ウィルキンス
- マーロン・ウェイアンズ:ショーティ・ミークス
- ロックリン・マンロー:グレッグ・フィリップ
- デイヴ・シェリダン:ドゥーフィー・ギルモア
- カート・フラー:保安官
- ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク:本人役(カメオ)
スタッフ
- 監督:キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ
- 脚本:ショーン・ウェイアンズ、マーロン・ウェイアンズ、バディ・ジョンソン、フィル・ボーマン、ジェイソン・フリードバーグ、アーロン・セルツァー
- 製作:エリック・L・ゴールド、リー・R・メイエス
- 撮影:フランシス・ケニー
- 編集:マーク・ヘルフリッチ
- 音楽:デヴィッド・キッテイ
- 製作会社:ウェイアンズ・ブラザース・エンタテインメント、ゴールド・ミラー、ブラット・グレイ・ピクチャーズ
- 配給:ディメンション・フィルムズ(米国)、日本ヘラルド映画(日本)
まとめ
『最終絶叫計画』は、ホラー映画のパロディを通じて、1990年代のポップカルチャーをユーモラスに描いた作品です。アンナ・ファリスをはじめとする女優たちのコミカルな演技、誇張された衣装やスタイル、そしてキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズの軽快な演出が、観客に笑いと娯楽を提供しました。シリーズの第1作として、後の続編の基礎を築いた本作は、コメディとホラーの融合として今なお多くのファンに愛されています。
レビュー 作品の感想や女優への思い