『プリティ・プリンセス』は2001年に公開された米国のロマンス・コメディー映画。平凡な高校生が王女と知り、成長する姿を描く。家族向けの心温まる物語で、映画初出演のアン・ハサウェイが15歳の内気な少女を演じ、突然自分がある国の王女であると知らされる役柄を見事に表現。
基本情報
- 邦題:プリティ・プリンセス
- 原題:The Princess Diaries
- 公開年:2001年
- 製作国:米国
- 上映時間:115分
- ジャンル:コメディ、恋愛
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女優の活躍
本作はアン・ハサウェイの映画初主演作であり、彼女のキャリアの出発点として注目されました。ハサウェイは、15歳の内気な少女ミア・サーモポリスを演じ、突然自分がジェノヴィアという国の王女であると知らされる役柄を見事に表現しました。彼女の演技は、ぎこちないティーンエイジャーから自信に満ちた王女へと成長する過程を自然体で伝え、観客に共感を呼びました。特に、コミカルな場面での表情や、感情的なシーンでの繊細な演技が評価され、若手女優としての可能性を示しました。ハサウェイはこの役で、親しみやすさとユーモアを兼ね備えたキャラクターを演じ、以降のキャリアで『レ・ミゼラブル』や『プラダを着た悪魔』などの大作へと進む礎を築きました。
共演のジュリー・アンドリュースは、ミアの祖母であるクラリス・レナルディ女王役で出演し、貫禄ある演技で物語に深みを加えました。アンドリュースは、自身のキャリアで培った気品とユーモアを活かし、ハサウェイとの掛け合いを通じて師弟のような絆を魅力的に演じました。
両女優の相乗効果により、映画は世代を超えて愛される作品となりました。
女優の衣装・化粧・髪型
本作の衣装、化粧、髪型は、ミアの変身を象徴する重要な要素です。物語の冒頭、ミアは冴えない高校生として、ボサボサの巻き毛、厚い眉毛、眼鏡といった地味な外見で登場します。彼女の衣装は、だぶだぶのセーターやチェック柄のスカートなど、典型的な「目立たない」ティーンエイジャーのスタイルを反映。化粧はほとんど施されておらず、自然な顔立ちが強調されています。この外見は、ミアの内気で自信のない性格を視覚的に表現していました。
物語が進むにつれ、ミアは祖母クラリスによる「王女教育」を受け、劇的な変身を遂げます。髪はボサボサの巻き毛から滑らかで輝くストレートヘアに整えられ、眉毛は丁寧に形を整えられ、眼鏡はコンタクトレンズに変更。化粧は、ナチュラルながらも洗練されたルックに変わり、彼女の美しさが引き立ちます。衣装も、カジュアルな学生服からエレガントなドレスや洗練されたスーツへと移行。特に、舞踏会での白いドレスは、ミアの王女としての覚醒を象徴する印象的な衣装で、観客に強い印象を残しました。
ジュリー・アンドリュース演じるクラリスは、常に気品あるドレスやスーツを着用し、パールや帽子をアクセントにしたクラシックなスタイル。彼女の化粧は控えめで上品、髪型は整ったアップスタイルで、女王としての威厳を保ちつつ、親しみやすさを表現しました。
これらの衣装や外見の変化は、キャラクターの内面的成長を視覚的に補強し、映画のテーマである「自分らしさの発見」を強調しています。
あらすじ
サンフランシスコに住む平凡な高校生ミア・サーモポリスは、冴えない外見と内気な性格で、学校では目立たない存在です。ある日、彼女は疎遠だった祖母クラリス・レナルディから、自分がヨーロッパの小国ジェノヴィアの王女であると告げられます。父が亡くなり、ミアが王位継承者であることが判明したのです。突然の事実に戸惑うミアですが、クラリスから王女としてのマナーや振る舞いを学ぶ「王女教育」を受けることに。最初は不器用で失敗ばかりのミアでしたが、祖母や友人たちの支えを受け、徐々に自信をつけていきます。一方、学校での人気者ジョシュとの恋や、親友リリーとの関係、さらには王位継承を巡る葛藤がミアを悩ませます。舞踏会の日、ミアは自分らしさと王女としての責任の間で揺れながらも、自身の道を選び、成長した姿を見せます。心温まるコメディーと感動的な展開が織り交ざり、ミアの自己発見の旅が描かれます。
解説
『プリティ・プリンセス』は、メグ・キャボットの同名小説を原作としたディズニー製作の家族向け映画で、自己受容と成長をテーマにしたロマンス・コメディーです。監督のゲイリー・マーシャルは、『プリティ・ウーマン』で培った軽快な演出を本作にも活かし、幅広い年齢層に訴える作品に仕上げました。映画の魅力は、ミアの「変身」物語を通じて、誰もが共感できる「自分らしさ」を模索する過程にあります。特に、ティーンエイジャーの不安や自己肯定感の欠如といったテーマは、若年層の観客に強く響きました。ハサウェイの初々しい演技と、アンドリュースの安定感ある存在感が、物語にユーモアと温かさを加えています。映画は、ディズニーらしい明るいトーンと、適度なロマンスやコメディー要素をバランスよく配置し、家族で楽しめるエンターテインメントとして成功。公開当時、全米興行収入1億ドル以上を記録し、批評家からも好意的な評価を受けました。文化的には、「冴えない少女が輝く」という物語の原型を現代的に再解釈し、後の類似ジャンルの映画に影響を与えました。また、2004年には続編『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』が公開され、ミアの物語がさらに展開。現代のシンデレラストーリーとして、ポジティブなメッセージと楽しい展開で多くの観客を魅了しました。
キャスト
- アン・ハサウェイ(ミア・サーモポリス):内気な高校生で、ジェノヴィアの王女。
- ジュリー・アンドリュース(クラリス・レナルディ):ミアの祖母で、ジェノヴィアの女王。
- ヘクター・エリゾンド(ジョー):クラリスの忠実なボディガード兼運転手。
- ヘザー・マタラッツォ(リリー・モスコヴィッツ):ミアの親友で、個性的な高校生。
- マンディ・ムーア(ラナ・トーマス):ミアをいじめる人気者のチアリーダー。
- キャロライン・グッドール(ヘレン・サーモポリス):ミアの母で、芸術家のシングルマザー。
- ロバート・シュワルツマン(マイケル・モスコヴィッツ):リリーの兄で、ミアに好意を抱く。
- エリック・フォン・デットン(ジョシュ・ブライアント):学校の人気者で、ミアが憧れる男子。
スタッフ
- 監督:ゲイリー・マーシャル
- 脚本:ジーナ・ウェンドコス
- 原作:メグ・キャボット(「プリンセス・ダイアリー」)
- 製作:ホイットニー・ヒューストン、デブラ・マーティン・チェイス、マリオ・イスコヴィッチ
- 音楽:ジョン・デブニー
- 撮影:カール・ウォルター・リンデンローブ
- 編集:ブルース・グリーン
- 製作会社:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
- 配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ
レビュー 作品の感想や女優への思い