メイン州はアメリカ合衆国北東部に位置し、大西洋に面した美しい海岸線と広大な森林が特徴。州都はオーガスタ、最大都市はポートランド。ロブスターやブルーベリーの産地として知られ、観光と林業が盛ん。メイン州出身の女優は多くはありませんが、リンダ・ラヴィン、レイチェル・ニコルズ、アンナ・ケンドリックのような著名な人物がいます。
歴史
メイン州の歴史は、約12,000年前に先住ワバナキ族がこの地に住み始めたことに始まります。ヨーロッパ人による探検は16世紀に始まり、フランスとイギリスの探検家がこの地域を訪れました。1604年、フランス人探検家ピエール・デュグアがサント・クロワ島に最初のヨーロッパ人入植地を設立しましたが、厳しい冬により失敗に終わりました。その後、1607年にイギリス人によるポプハム植民地が設立されたものの、これも短期間で放棄されました。17世紀を通じて、メイン州はマサチューセッツ湾植民地の一部として統治され、漁業や毛皮交易の拠点として発展しました。
メイン州は1820年3月15日にミズーリ妥協の一環としてアメリカ合衆国の23番目の州として独立しました。この妥協は、奴隷制度をめぐる南北の対立を調整するため、メイン州を自由州、ミズーリを奴隷州として同時に連邦に加盟させるものでした。19世紀には、メイン州は造船業と木材産業で繁栄し、特にバンゴーは「世界の木材首都」と呼ばれるほどでした。南北戦争では、メイン州は北軍を強く支持し、多くの兵士を派遣しました。ジョシュア・チェンバレン将軍はゲティスバーグの戦いで英雄的な役割を果たし、州の誇りとなっています。
20世紀に入ると、工業化が進む中でメイン州の経済は多様化し、観光業が重要な産業となりました。特にアーカディア国立公園は、1919年に設立されて以来、国内外から多くの観光客を引きつけています。現代のメイン州は、自然環境の保全と経済発展のバランスを重視し、持続可能な観光と地元産業を推進しています。
芸術
メイン州は、その自然美と静かな環境から多くの芸術家にインスピレーションを与えてきました。特に、19世紀から20世紀にかけて、メイン州の海岸や森林はアメリカの風景画に大きな影響を与えました。ウィンスロー・ホーマーはメイン州のプロウツ・ネックに住み、壮大な海洋画を多く制作しました。彼の作品『波濤』や『霧の警報』は、メイン州の荒々しい海岸線を力強く描き、アメリカ美術史に名を刻んでいます。
また、メイン州は作家の創作の場としても知られています。ホラー小説の巨匠スティーヴン・キングはバンゴー出身で、彼の多くの作品はメイン州の町や風景を舞台にしています。キングの小説は、メイン州の静かで神秘的な雰囲気を背景に、恐怖と人間ドラマを織り交ぜた独特の世界観を生み出しています。メイン州の小さな町デリーは、キングの『IT』の舞台として有名です。
現代でも、メイン州はアートコロニーやギャラリーが点在し、ロックランドのファーンズワース美術館は、ワイエス家(N.C.ワイエス、アンドリュー・ワイエス、ジェイミー・ワイエス)の作品を中心に展示しています。アンドリュー・ワイエスの『クリスティーナの世界』は、メイン州の田園風景を象徴する作品として広く知られています。さらに、ポートランドでは現代アートや工芸品の展示会が頻繁に開催され、若い芸術家たちに創作の場を提供しています。
登場する映画
メイン州の独特な風景と雰囲気は、数多くの映画の舞台として選ばれてきました。以下は、メイン州を舞台にした代表的な映画の一部です。
- 『ショーシャンクの空』(1994年): フランク・ダラボン監督のこの映画は、スティーヴン・キングの小説を原作とし、メイン州のショーシャンク刑務所を舞台に、希望と友情を描いた感動作です。実際のロケ地はオハイオ州ですが、メイン州の設定が物語に深みを与えています。
- 『ペット・セメタリー』(1989年、2019年): スティーヴン・キングのホラー小説を基にした映画で、メイン州の架空の町ラドローを舞台に、死者を蘇らせる墓地の恐怖を描きます。メイン州の不気味な森が効果的に使われています。
- 『IT/イット』(2017年、2019年): スティーヴン・キングの小説を基にしたホラー映画で、メイン州の架空の町デリーを舞台に、子供たちと邪悪な存在との戦いを描きます。メイン州の静かな町の雰囲気が恐怖を際立たせます。
- 『メッセージ・イン・ア・ボトル』(1999年): ケヴィン・コスナーとロビン・ライトが出演するロマンス映画で、メイン州の海岸沿いの町が舞台。美しい海辺の風景が物語の情感を高めています。
- 『イン・ザ・ベッドルーム』(2001年): トッド・フィールド監督のこのドラマ映画は、メイン州の小さな港町を舞台に、家族の悲劇と復讐を描きます。メイン州の静かな生活が物語の背景として重要な役割を果たします。
出身女優
メイン州出身の女優は多くはありませんが、リンダ・ラヴィン、レイチェル・ニコルズ、アンナ・ケンドリックのような著名な人物がいます。
- リンダ・ラヴィン(1937年10月15日生まれ、ポートランド出身): ブロードウェイとTVで活躍する女優で、特にシットコム『アリス』(1976-1985年)での主演が有名です。アカデミー賞受賞は無いものの、トニー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされるなど、演技力が高く評価されています。映画では『The Back-up Plan』(2010年)などに出演しました。
- レイチェル・ニコルズ(1980年1月8日生まれ、オーガスタ出身): アクションやSF映画で知られる女優で、『G.I.ジョー』(2009年)や『スター・トレック』(2009年)に出演。TV番組『コンティニュアム』(2012-2015年)でも主演を務め、幅広いジャンルで活躍しています。
- アンナ・ケンドリック(Anna Kendrick、1985年8月9日生まれ、ポートランド出身): メイン州を代表する若手女優の一人で、『トワイライト・サーガ』(2008-2012年)や『ピッチ・パーフェクト』(2012-2017年)で広く知られています。『マイレージ、マイライフ』(2009年)での助演でアカデミー賞にノミネートされ、歌唱力とコメディセンスで人気を博しています。
まとめ
メイン州は、その自然美と静かな魅力で、芸術や映画に深い影響を与えてきました。観光地としても人気があり、アカディア国立公園やポートランドの歴史ある街並みは、訪れる人々に感動を与えます。これからもメイン州は、創造性と文化の源泉として輝き続けるでしょう。
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