金鶏百花映画祭は、1992年に始まった中国映画家協会が主催する中国最大の映画授賞式です。香港電影金像奨、台湾金馬賞と並び、中国語文化圏の三大映画賞の一つとして知られています。
芸術性の高い映画を対象とする金鶏奨と、大衆性を重視する百花奨を組み合わせた映画祭であり、中国映画の振興と国際的な評価を目的としています。毎年開催地が変わり、映画業界関係者や一般の観客による投票も含めて受賞が決定されます。
賞の種類
- 最優秀作品賞:優れた映画作品に授与される。
- 最優秀監督賞:卓越した監督技術を示した監督に授与される。
- 最優秀男優賞:優れた演技を行った男性俳優に授与される。
- 最優秀女優賞:優れた演技を行った女性俳優に授与される。
- 最優秀助演男優賞:助演として際立った演技を見せた男性俳優に授与される。
- 最優秀助演女優賞:助演として際立った演技を見せた女性俳優に授与される。
- 最優秀脚本賞:優れた脚本に対して授与される。
- 最優秀撮影賞:優れた撮影技術に対して授与される。
- 最優秀音楽賞:映画音楽の優れた貢献に対して授与される。
- 国際映画部門:外国映画や国際的な作品を対象とした特別賞(最優秀作品賞、最優秀男優賞、最優秀女優賞など)。
歴史
金鶏百花映画祭は、1981年に創設された金鶏奨を起源とし、1992年から百花奨と統合されて現在の形になりました。金鶏奨は中国の酉年(1981年)にちなみ、安徽懐寧県の芝居文物「金鶏碑」に由来して名付けられました。当初は中国本土の作品や人物のみが対象でしたが、2005年以降は台湾や香港などの地域にも選考対象を拡大し、国際的な影響力を増しています。2007年からは過去2年間の作品が対象となり、隔年で金鶏奨と百花奨が交互に主催される形式になりました。国際映画部門では、日本や韓国の作品も受賞するなど、国際的な評価も高まっています。
受賞女優一覧(国際映画部門の主な受賞者)
- 2009年:キム・ヘジャ(韓国、『母なる証明』、最優秀女優賞)
- 2017年:島田陽子(日本、『カノン』、最優秀女優賞)
- 2017年:鈴木保奈美(日本、『カノン』、最優秀助演女優賞)
- 2017年:佐々木希(日本、『カノン』、審査員特別女優賞)
※受賞女優一覧は国際映画部門を中心に記載しています。中国本土の受賞者については情報が限られており、網羅的なリストは公式発表をご確認ください。
レビュー 作品の感想や女優への思い