グロリア・グイダ（Gloria Guida）はイタリアの女優・モデル。1970年代のコミカ・セクシー・アル・イタリアーナ（commedia sexy all’italiana）の代表格。特に『La liceale』シリーズに出演したことで最もよく知られており、1970年代半ばにはエロティックな青春ドラマ映画にも出演。
プロフィール
- 名前：グロリア・グイダ（Gloria Guida）
- 生年月日：1955年11月19日（69歳）
- 出生地：イタリア共和国メラノ
- 職業：女優・モデル
- 活動期間：1974年～現在
- 配偶者：ジョニー・ドレッリ（1987年結婚）
- 子供：1人
- SNSサイト：Instagram
生い立ち・教育
グロリア・グイダ（Gloria Guida）は、1955年11月19日、イタリア共和国トレンティーノ＝アルト・アディジェ州メラノで生まれました。エミリア＝ロマーニャ州出身の家族のもとに誕生し、幼少期に家族とともにボローニャ近郊のカサレッキオ・ディ・レノに移住。この地域は彼女の人生の基盤となり、公式な居住地としても長く続いています。父親はロマーニャ海岸でダンスホールやエンターテイメント施設を経営しており、そんな環境が彼女の芸術的な感性を育みました。幼い頃から歌唱に興味を持ち、父親の施設で歌を披露する機会を得て、早い段階でエンターテイメントの世界に足を踏み入れました。
教育面では、正式な高等教育の詳細は公にされていませんが、ボローニャの地元学校で中等教育を修了したとされます。学校生活では演劇やパフォーマンスに熱心で、地元の劇団や学校の演劇部で活躍した記録があります。これらの経験が、後のモデルや女優としてのキャリアを支える基盤に。ティーンエイジャーの頃には、歌唱活動を本格化させ、1972年にシングル「L’uomo alla donna non può dire no」と「Cuore, fatti onore」をリリースし、音楽シーンにデビューしました。しかし、彼女の真の才能は視覚的な魅力と演技力にあり、歌唱キャリアは短期間でモデル業に移行。1974年にはミス・ティーンエイジ・イタリアに選ばれ、これがエンターテイメント業界への扉を開きました。こうした生い立ちは、家族の支援と地域の活気ある文化が融合したもので、彼女の多才さを形成したといえます。
経歴
グロリア・グイダの経歴は、1970年代のイタリア映画界を象徴するもの。モデルとして注目を集めた後、1974年に映画デビューを果たします。初出演作はマリオ・インペローリ監督の『La ragazzina』（英語タイトル：Monika）で、セクシーなコメディのジャンルであるコミカ・セクシー・アル・イタリアーナに参入。同年、シルヴィオ・アマーディオ監督の『La minorenne』にも出演し、若々しい魅力で観客を魅了しました。これらの作品は、彼女を一躍スターたらしめ、ティーンエイジャーの性的目覚めを描くエロティックな青春ドラマとして人気を博しました。
1975年は彼女のブレイクの年で、ミケーレ・ビアンキ監督の『La liceale』（The Teasers）が大ヒット。高校生の少女を演じ、ナイーブさとセクシーさを兼ね備えた役柄でイタリア全土に名を馳せました。このシリーズは続編を生み、『La liceale nella classe dei ripetenti』（1978年）や『L’infermiera di notte』（1979年）など、彼女の代表作となった。1978年の『Avere vent’anni』（To Be Twenty）は、ルチアーノ・エリ監督作で、20歳の女性の葛藤を描き、批評家からも高い評価を受けました。これにより、彼女は単なるセックスシンボルから、演技力のある女優として認められるようになったのです。
1980年代に入ると、キャリアの転機が訪れます。1979年に出会った歌手で俳優のジョニー・ドゥレリとの関係が深まり、1987年に結婚（公式には1991年）。これを機に、映画出演を減らし、家族生活を優先しました。代わりにTVや舞台にシフトし、1980年代後半から1990年代にかけて、ミュージカルやコメディ劇に出演。歌唱のバックグラウンドを活かし、舞台でのパフォーマンスで観客を沸かせました。1990年代は比較的静かな時期でしたが、2000年代に入り復帰の兆しを見せます。2009年のTV番組『Fratelli Benvenuti』で再び注目を集め、家族コメディの役で温かみのある演技を披露しました。
2010年代以降は、テレビプレゼンターとしても活躍。2011年と2012年にイタリアのタレントショーに出演し、審査員やゲストとして参加。2018年から2020年まで、Raiの番組『Le ragazze』をホストし、女性のエンパワーメントをテーマにしたトークショーで人気を博しました。2022年には映画『Improvvisamente Natale』に出演し、久々のスクリーン復帰。2023年の『Gigolò per caso』でも脇役を務め、キャリアの多様性を示しました。全体として、彼女の経歴は約50年に及び、セクシーコメディのアイコンから、成熟したエンターテイナーへの変遷を物語ります。
音楽面では、1979年に「La musica è」をリリースするなど、散発的に活動を続けましたが、主軸は演技業。イタリア映画史において、彼女は1970年代の文化的シンボルとして永遠の存在です。
私生活
グロリア・グイダの私生活は、公のキャリアとは対照的に、穏やかで家族中心のもの。1979年、映画『L’infermiera di notte』の撮影現場で、共演者のジョニー・ドゥレリと出会います。当時、ドゥレリは著名な歌手・俳優で、互いに惹かれ合い、恋に落ちました。この関係は当初、メディアの注目を集めましたが、二人は慎重にプライバシーを守りながら進展させました。1987年に婚約を発表し、1991年に正式に結婚。結婚生活は安定しており、娘のグェンダリーナ・グイダ・ドゥレリが誕生。グェンダリーナは1982年生まれで、現在は女優やモデルとして活動しており、母親の影響を受け継いでいます。
結婚後、グロリアはローマ近郊に家族で移住し、静かな生活を送りました。ドゥレリとのパートナーシップは、互いのキャリアを尊重しつつ、家族を第一に考えるもの。彼女はローマ・カトリック信者として知られ、信仰が私生活の支えとなっていると語っています。趣味としては、読書、旅行、料理を楽しみます。家族旅行では、イタリアの海岸やヨーロッパの都市を訪れ、リラックスした時間を過ごします。公の場では、娘のキャリアを温かく見守り、時折共同でイベントに出席。
健康面では、加齢による変化を自然に受け入れ、フィットネスやヨガを日常的に取り入れています。メディア露出を控えめにする一方で、慈善活動や女性支援のイベントに参加し、社会貢献も果たしています。2020年代に入っても、夫婦仲は良好で、互いの成功を祝う姿が報じられます。私生活の安定が、彼女の長期的なキャリアを支えているといえるでしょう。
出演作品
グロリア・グイダの出演作品は、主に1970年代のイタリア映画を中心に、多岐にわたります。以下に主なものを挙げます。
- La ragazzina（1974年）…デビュー作、セクシーコメディの少女役。
- La minorenne（1974年）…未成年の少女を描くエロティックドラマ。
- La liceale（1975年）…ブレイク作、高校生の青春と恋愛物語。
- Peccati di gioventù（1975年）…若者の罪と情熱をテーマにした作品。
- Il gatto mammone（1975年）…コメディ要素の強いファミリードラマ。
- Quella età maliziosa（1975年）…思春期の悪戯を描く。
- La liceale al mare（1976年）…シリーズ続編、海辺のコメディ。
- Scandalo in famiglia（1976年）…家族内のスキャンダスを扱う。
- La professoressa di scienze（1976年）…教師役のセクシーコメディ。
- Maschio latino cercasi（1977年）…恋愛コメディ。
- Orazi e curiazi 3-2（1977年）…パロディ要素を含むアドベンチャー。
- Il triangolo bermuda（1978年）…SFホラー映画。
- Avere vent’anni（1978年）…代表作、20歳の女性の成長物語。
- La liceale nella classe dei ripetenti（1978年）…シリーズの人気作。
- Indagine su un delitto perfetto（1978年）…ミステリー要素。
- Emanuelle e le notti erotiche（1978年）…エロティックアドベンチャー。
- L’insegnante va in collegio（1978年）…教師シリーズ。
- L’infermiera di notte（1979年）…看護師役のコメディ、ここで夫と出会う。
- La ripetente va in vacanza（1980年）…シリーズ最終作。
- Improvvisamente Natale（2022年）…近年作、クリスマスファミリーコメディ。
- Gigolò per caso（2023年）…最近のテレビ映画。
これらの作品以外に、テレビシリーズ『Fratelli Benvenuti』(2009年）、番組『Le ragazze』(2018-2020年）でのホスト業、舞台ミュージカル多数。音楽シングルとして「L’uomo alla donna non può dire no」(1972年）、「La musica è」(1979年）など。
レビュー 作品の感想や女優への思い