廖苡任（リャオ・イーレン）は、1997年6月8日生まれの台湾出身の女子バレーボール選手で、セッターとして活躍。身長167cmの小柄ながら、速いトスワークとリーダーシップで知られ、台湾代表のキャプテンを務める。台北クジラチームのキャプテンとしてもチームを牽引し、2024年に日本のVリーグのカノアラウレアーズ福岡へ加入。Instagramフォロワー22万人超の「バレーボール界のアイドル」として人気を博す。2023年のユニバーシアードでは開会式の旗手を務め、ベストセッター賞を複数回受賞。怪我からの復活も印象的で、海外挑戦を通じて成長を続ける。
プロフィール
基本情報
- 名前：リャオ・イーレン（廖苡任）
- 生年月日：1997年6月8日（28歳）
- 出身地：台湾台北県（現新北市）
- ラテン文字：Liao Yi-Jen
- 身長：167cm
選手情報
- 所属：カノアラウレアーズ福岡
- 背番号：18
- 愛称：イレイン
- ポジション：S
生い立ち・教育
廖苡任は、1997年6月8日、台湾の台北県（現在の新北市）で生まれた。幼少期から活発で運動が好きな少女だったが、具体的な幼少期のエピソードはあまり公にされていないものの、彼女のインタビューから、家族の支えが大きかったことがうかがえる。バレーボールとの出会いは、中学生の頃に学校の部活動で始まったとされる。当時、台湾ではバレーボールが人気スポーツの一つであり、彼女は自然とその魅力に引き込まれていった。小柄な体格ながら、セッターのポジションを選んだのは、チームをコントロールする役割に魅力を感じたからだという。
高校時代は、台北の名門校である台北市立体育学校に進学した。ここは台湾のスポーツ強豪校として知られ、バレーボール部も全国レベルで活躍するチームだった。廖苡任は入学後すぐにレギュラーを獲得し、県大会や全国大会で活躍。チームメイトとの絆を深めながら、基礎技術を磨いた。高校3年生の時には、台湾ジュニア代表に選出され、国際大会への出場経験を積むことになる。この時期、彼女はバレーボールが単なる趣味ではなく、将来の道として本格的に向き合うようになった。厳しい練習環境の中で、精神的な強さを養い、怪我のリスクも学びながら成長を遂げた。
大学進学後、廖苡任は国立台湾師範大学（National Taiwan Normal University）に入学した。この大学は教育学部が有名で、スポーツ科学や体育教育を専門とする学部が充実している。彼女は体育学部に所属し、バレーボール部に所属しながら、学業とスポーツの両立に努めた。大学1年生の頃から、大学リーグで活躍し、チームの主力セッターとして全国優勝に貢献。学業面では、コーチング理論やスポーツ心理学を学び、将来の指導者としての視野を広げた。2019年には、在学中にユニバーシアード（夏季ユニバーシアード）の台湾代表に選ばれ、国際舞台で活躍。チームの中心として、トスを正確に供給し、攻撃の起点となった。この経験は、彼女の自信を大きく高め、プロ選手への道を確実なものにした。
卒業後、廖苡任はさらに学力を高めるため、台北市立大学（University of Taipei）の大学院に進学した。ここではスポーツマネジメントを専攻し、バレーボールの普及や運営に関する知識を深めた。大学院在学中もバレーボール選手として活動を続け、2023年のユニバーシアードでは再び代表に選出され、開会式の旗手を務める栄誉に浴した。この役割は、台湾の若手アスリートの象徴として、彼女に大きな責任感を与えた。教育の道を選んだ背景には、幼少期からの教師への憧れがあり、将来はバレーボールのコーチや指導者になることを夢見ているという。学業とスポーツの両立は、彼女の忍耐力と時間管理能力を象徴しており、多くの後輩から尊敬を集めている。
生い立ちを通じて、廖苡任は家族の影響を強く受けている。両親は彼女のスポーツ活動を全力でサポートし、怪我の時期には精神的な支えとなった。台北の都市部で育った彼女は、多様な文化に触れ、国際的な視野を自然と養った。バレーボールが彼女の人生を形作った一方で、教育がその基盤を固め、バランスの取れたアスリート像を築き上げたのである。
経歴
- 2010年代初頭：中学生時代にバレーボール部に入部し、セッターの基礎を学ぶ。地元台北の大会で活躍し、才能を認められる。
- 2013年頃：台北市立体育学校入学。高校バレーボール部でレギュラーとなり、台湾高校選手権でベスト8進出に貢献。
- 2015年：台湾ジュニア代表に初選出。アジアユース選手権に出場し、国際経験を積む。
- 2016年：国立台湾師範大学入学。大学バレーボールリーグでデビューし、1年生ながらスタメン出場。
- 2017年：大学リーグでチームの準優勝に貢献。個人としてもベストセッターに選ばれる。
- 2018年：台湾A代表に初招集。アジア選手権でデビューし、チームの攻撃を支える。
- 2019年：ユニバーシアード台湾代表に選出。金メダル獲得に貢献し、MVP級の活躍を見せる。
- 2020年：台北クジラチーム（KingWhale Taipei）に入団。プロ選手として本格デビュー。
- 2021年：台湾リーグでキャプテンに就任。チームをリーグ優勝に導く。
- 2022年：プレミア・バレーボール・リーグインビテーショナルカンファレンスでベストセッター賞受賞。フィリピンでの国際大会で銀メダル。
- 2023年：企業排球聯賽でベストセッター賞。ユニバーシアード開会式旗手。アジア選手権で台湾代表キャプテンとして活躍。
- 2024年：2023-24企業排球聯賽ベストセッター賞。Vリーグのカノアラウレアーズ福岡に加入。背番号18でデビューし、速攻中心のトスワークでチームを活性化。
- 2024-25シーズン：Vリーグで42セット出場、チームの4位貢献。台湾代表としてAVC女子ネーションズカップに出場。
- 2025年：Vリーグ退団（学業と代表活動のため）。アジア大会杭州2022で銅メダル級の活躍。
廖苡任の経歴は、着実な成長の軌跡を示している。高校時代から代表入りし、大学で国際経験を積んだ後、プロ入り。台北クジラチームではキャプテンとしてチームをまとめ、複数回のベストセッター賞を獲得した。2022年のPVLインビテーショナルでは、フィリピンのトップセッターたちから学び、個人賞を受賞。怪我の時期（左膝十字靭帯断裂と右足首損傷）を乗り越え、復活の象徴となった。2024年の日本Vリーグ加入は、彼女の海外挑戦の第一歩。カノアラウレアーズ福岡では、キャプテン大西風歌とのローテーションで活躍し、テンポの速い攻撃を展開。チームメイトの気遣いに感謝し、家族のような絆を築いた。退団後も台湾代表キャプテンとして、アジアの舞台でリーダーシップを発揮。彼女のキャリアは、技術だけでなく、精神力の強さを物語る。
私生活
廖苡任の私生活は、スポーツ中心ながらも穏やかで温かなものだ。台北の家族と暮らしており、両親と兄弟姉妹の支えが彼女の原動力となっている。インタビューで、家族が怪我の時期に「諦めないで」と励ましたエピソードを語り、感謝の言葉を欠かさない。休日には、家族と食事を楽しむのが習慣で、台湾の伝統料理である小籠包や牛肉麺を好むという。バレーボール以外では、読書や音楽鑑賞が趣味。スポーツ心理学の本を読み、精神面の強化に努めている。
ソーシャルメディアでは、Instagramで22万人以上のフォロワーを抱え、「バレーボール界のアイドル」と呼ばれる。投稿は試合のハイライトや日常のスナップが多く、笑顔あふれる写真がファンを魅了する。2024年の日本移住時には、福岡のラーメンや温泉を投稿し、現地ファンとの交流を深めた。好きな日本語は「ダイスキ」から「アイシテル」へ進化し、恥ずかしがりながらも積極的に学ぶ姿が愛らしい。チームメイトからは「ずるいくらいカワイイ」と評され、年下のメンバーからも慕われる。
恋愛については、公には明かされていないが、シングルでキャリアに集中している様子。海外挑戦の際、財布を失くしたエピソードでは、チームメイト全員が探す手伝いをしてくれ、無事発見。こうした絆を「家族のよう」と表現し、チームスポーツの醍醐味を感じている。怪我からの復活は、夢を諦めない姿勢の表れで、後輩へのメッセージとして「多くの道がある」と語る。私生活のバランスを大切にし、教師やコーチへの道も視野に入れる彼女の日常は、努力と優しさに満ちている。
出演作品
廖苡任は主にバレーボール選手として活躍するが、その人気からメディア出演も多い。テレビでは、台湾のスポーツ番組『スポーツ天下』にレギュラー出演し、試合分析やインタビューを担当。2023年のユニバーシアード旗手就任後、開会式の模様が全国放送され、視聴率を稼いだ。日本では、Vリーグ加入後、TBSの『S☆1』で特集され、海外挑戦の苦労を語った。
- 2022年：PVLインビテーショナルハイライト動画（YouTube）。ベストセッターとしてフィーチャーされ、再生回数100万超。
- 2023年：ユニバーシアード開会式放送（台湾CCTV）。旗手として国旗を掲げ、感動のシーンを演出。
- 2024年：風傳媒インタビュー記事・動画。膝の怪我からの復活と日本挑戦をテーマに、台湾メディアで特集。
- 2024年：Vリーグ開幕戦ハイライト（NHK）。カノアの勝利に貢献し、速攻トスのシーンが繰り返し放送。
- 2025年：AVCネーションズカップハイライト（Volleyball World YouTube）。台湾代表キャプテンとして、ベトナム大会の活躍を記録。
- メディア出演：Yahoo Sportsインタビュー（2023年）、バレーボールキング記事（2024年）、西スポWEB特集（2024年）。
出演作品はドキュメンタリー風のものが中心で、彼女の人間性を描く。PVLの動画では、Jia Moradoらとの対戦を振り返り、学びを共有。台湾のYahoo Sportsでは、旗手エピソードを詳細に語り、若手アスリートのロールモデルを示した。日本メディアでは、福岡での生活をユーモアを交えて紹介し、ファンを増やした。将来的には、指導者としてテレビ解説者になる可能性も。彼女の出演は、スポーツの魅力を広める役割を果たしている。
レビュー 作品の感想や女優への思い