ケイ・キャノン(Kay Cannon)は米国の脚本家、プロデューサー、監督、女優。「ピッチ・パーフェクト」シリーズの脚本・製作で知られる。映画デビュー作は、2012年のアカペラ・コメディ「ピッチ・パーフェクト」の脚本。監督としては、2018年のコメディ「Blockers」でデビュー。
プロフィール
- 名前:ケイ・キャノン(Kay Cannon)
- 生年月日:1974年8月21日(51歳)
- 出生地:アメリカ合衆国イリノイ州
- 学歴:リード・カスター高校、ルイス大学(学士号、修士号)
- 職業:脚本家、プロデューサー、監督、女優
- 活動期間:2007年~現在
- 配偶者:ジェイソン・スデイキス(2004年結婚、2010年離婚)、エベン・ラッセル(2012年結婚)
- 子供:1人
生い立ち・教育
ケイ・キャノン(Kay Cannon)は1974年8月21日、アメリカ合衆国イリノイ州カスター・パークで生まれた。彼女は7人兄弟の5番目として育ち、大家族の中で賑やかな幼少期を過ごした。父親のジョン・M・キャノンは弁護士で、母親のローズマリー・キャノンとともに、創造性を育む環境を提供した。キャノン自身、幼い頃から演劇やコメディに強い興味を示し、家族の影響でエンターテイメントの世界に憧れを抱くようになった。
高校時代はイリノイ州ブライウッドのReed-Custer High Schoolに通い、そこで演劇部に積極的に参加した。学校の舞台公演で数多くの役をこなし、即興劇の才能を早くから発揮した。この時期に、彼女はコメディの楽しさに目覚め、将来のキャリアの基盤を築いた。卒業後、彼女はイリノイ州ロメオビルのLewis Universityに進学し、演劇の学士号(B.A.)を取得した。さらに、教育学の修士号(M.A.)も同大学で修得し、教師としての資質も養った。しかし、彼女の心は常にパフォーマンスと執筆に向けられていた。
大学時代、キャノンはシカゴのコメディシーンに足を踏み入れ、Second City、ImprovOlympic、ComedySportzなどの名門即興劇団でトレーニングを受けた。これらの経験は、彼女のユーモアセンスを磨き、プロフェッショナルなスキルを提供した。Boom Chicago in AmsterdamやUpright Citizens Brigade Theatreでのパフォーマンスも行い、国際的な視野を広げた。この生い立ちは、彼女の作品に家族の絆やユーモラスな人間関係を反映させる基盤となった。
経歴
ケイ・キャノンのキャリアは、シカゴのコメディ界から始まった。Second Cityでのトレーニング後、彼女はBoom ChicagoやThe Second Cityの舞台でスケッチと即興劇を披露した。この頃、Second Cityの卒業生であるティナ・フェイと出会い、友情を深めた。フェイがNBCのコメディ番組「30 Rock」(2007-2012年)の脚本家を探す際、キャノンを推薦し、彼女はスタッフライターとして参加した。これがハリウッドへの扉を開いた。
「30 Rock」では、キャノンはスタッフライターからスーパーバイジング・プロデューサーまで昇進した。彼女の脚本は、シリーズの鋭い風刺とユーモアを支え、3度のWriters Guild of America Award(Best Comedic Series)を受賞。2008年にはPeabody Awardも獲得し、2010年にはEmmy Award(Outstanding Writing in a Comedy Series)にノミネートされた。また、ティナ・フェイの映画「Baby Mama」(2008年)でコ・プロデューサーとしても活躍した。
2010年頃、キャノンは20th Century Foxと全体開発契約を結び、ロサンゼルスに移住。「New Girl」(2012-2014年)ではコ・エグゼクティブ・プロデューサーとして4エピソードの脚本を執筆し、ヒットに貢献。「Cristela」(2014年)ではコンサルティング・プロデューサーとして2エピソードを担当した。この契約下で、Fox向けの職場コメディ「The Wrecking Crew」を売り込み、CBSのパイロット「The Runt」を執筆した。
彼女の映画デビュー作は、2012年のアカペラ・コメディ「ピッチ・パーフェクト」の脚本。アナ・ケンドリックやレベッカ・ファーガソンが出演し、世界興行収入1億1500万ドル超のヒットを記録。以降、「ピッチ・パーフェクト2」(2015年、脚本・コ・プロデューサー)と「ピッチ・パーフェクト ラストステージ」(2017年、同)でシリーズを完成させた。これらの作品は、音楽とコメディの融合で若者文化を捉え、批評家からも高評価を得た。
Netflixの「Girlboss」(2017年)では、ソフィア・アモルーソの自伝を基にクリエイター、脚本家、エグゼクティブ・プロデューサーとし
て6エピソードを制作。起業家精神と女性のエンパワーメントを描き、好評を博した。監督としては、2018年のコメディ「Blockers」でデビュー。レスリー・マン、ジョン・セナ主演のこの作品は、親子の関係とティーンの反乱をユーモラスに扱い、興行的に成功した。彼女の夫エベン・ラッセルが脚本を執筆した点も注目された。
2021年、ソニー・ピクチャーズのミュージカル版「シンデレラ」を監督・脚本。カミラ・カベロ主演で、現代的な解釈を加え、伝統的なおとぎ話をアップデートした。他にも、2019年のアンソロジー映画「Let It Snow」の脚本を担当。キャノンのキャリアは、テレビから映画へ、そして多角的な役割へ広がり、常に女性の視点とユーモアを武器に進化を続けている。
私生活
ケイ・キャノンの私生活は、キャリアの激務の中で家族とのつながりを大切にする穏やかなものだ。2004年、彼女は俳優・コメディアンのジェイソン・サダイキスと結婚した。二人は5年間の交際を経てのゴールインで、共同のコメディプロジェクトで絆を深めた。しかし、2008年に別居し、2010年に離婚。公には詳細を語らず、互いのキャリアを尊重する形で別れた。この経験は、彼女の作品に人間関係の複雑さを加えるインスピレーションとなった。
離婚後、キャノンはコメディ作家のエベン・ラッセルと出会い、2012年1月1日に再婚した。ラッセルは「Blockers」の脚本家でもあり、夫婦での創作活動が特徴的だ。二人はクリエイティブなパートナーシップを築き、互いの作品を支え合っている。2013年10月9日、娘のエヴェリン・ローズ・ラッセル(愛称:レニ)が誕生。キャノンは母として、家族の時間を最優先にし、Instagram(@kaykaycannon)で家族の温かな日常を時折共有する。フォロワー数は約4万人で、キャリアのプロモーションとともに、娘の成長や夫婦のエピソードが綴られる。
私生活では、キャノンはプライバシーを重視し、メディア露出を控えめにする。Steps of Faith Foundationの取締役として、慈善活動にも情熱を注ぎ、信仰とコミュニティ支援に取り組む。シカゴ出身のルーツを忘れず、休暇は家族でイリノイに戻ることも。彼女の生活は、仕事の成功と家庭のバランスを体現し、女性アーティストのロールモデルとなっている。
出演作品
映画(脚本・製作・監督・出演)
- Baby Mama(2008年)コ・プロデューサー
- ピッチ・パーフェクト(2012年):脚本家
- ピッチ・パーフェクト2(2015年):脚本家、コ・プロデューサー、カメオ出演
- ピッチ・パーフェクト ラストステージ(2017年):脚本家、コ・プロデューサー
- Blockers(2018年):監督
- Let It Snow(2019年):脚本家
- シンデレラ(2021年):監督、脚本家
- How to Be Single(2016年):出演(ゲスト)
- The Little Tin Man(2013年):主演
- Mystery Team(2009年):出演
TV番組(脚本・製作・出演)
- 30 Rock(2007-2012年、NBC):脚本家(11エピソード)、コ・プロデューサー、ゲスト出演
- New Girl(2012-2014年、FOX):脚本家(4エピソード)、コ・エグゼクティブ・プロデューサー、ゲスト出演(エピソード「Eggs」)
- Cristela(2014年):脚本家(2エピソード)、コンサルティング・プロデューサー、ゲスト出演
- Girlboss(2017年、Netflix):クリエイター、脚本家(6エピソード)、エグゼクティブ・プロデューサー
これらの作品は、キャノンの多才さを示すもので、ユーモアあふれるストーリーテリングが共通の魅力。
レビュー 作品の感想や女優への思い