ローラースケートは、靴の底に車輪を付けた遊具やスポーツ用具で、平らな地面を滑走して楽しむもの。一般的には、4つの車輪が前後2列に配置されたクワッドタイプを指しますが、広義では車輪付きの靴全般を意味します。
起源は18世紀初頭のヨーロッパで、アイススケートの代替として考案されました。1760年にベルギー人のジョン・ジョセフ・マーリンが初のローラースケートを発明しましたが、制御が難しく普及しませんでした。1863年、アメリカ人のジェームズ・レナード・プリンプトンがクッション付きの4輪スケートを開発し、方向転換が容易になったことで大衆化が進みました。
これにより、19世紀後半にスケートリンクが世界的に広がりました。20世紀に入ると、1950年代のローラーダービーや1970年代のディスコブームで人気を博しました。
競技としては、スピードスケート、フィギュアスケート、ローラーホッケー、インラインホッケーなどの種目があり、世界選手権も開催されています。一方、インラインスケート(ローラーブレード)は1980年代に登場し、車輪が一列に並ぶタイプで、スピードが出やすいのが特徴です。
ローラースケートはレジャーからプロスポーツまで幅広く活用され、健康維持やエンターテイメントとして現代でも親しまれています。安全のため、ヘルメットやプロテクターの着用が推奨されます。
ローラースケートを使った職業
ローラースケートは、単なるレジャー道具ではなく、さまざまな職業で活用されています。主に移動速度を高めたり、華やかなパフォーマンスを披露したりする場面で活躍します。特にアメリカでは、1950年代から1980年代にかけてローラースケートを使ったサービス業が人気を集めました。日本でも一部の工場やイベントで導入された例があります。
ローラー・ダービー選手
ローラー・ダービーは、ローラースケートを履いて行う接触スポーツです。選手はチームに所属し、ポイントを競います。プロ選手として活動する人も多く、試合のほかワークショップやショーに出演して収入を得ています。女性中心のリーグが多く、身体能力とチームワークが求められます。近年は世界大会も開催され、国際的に活躍する選手が増えています。
ローラースケート・ウェイトレス
アメリカのダイナーやレストランでは、ローラースケートを履いたウェイトレスが定番です。広い店内を素早く移動して注文を取り、料理を運びます。1950年代のドライブイン文化で広まり、1970年代のディスコブームで再燃しました。現在も一部の老舗店舗で続いています。接客スキルに加え、スケート技術が重要です。華やかな制服とスケート姿が魅力で、観光客にも人気です。
インストラクターやパフォーマー
ローラースケート教室のインストラクターは、初心者から上級者まで指導します。ショッピングモールやイベントでのパフォーマンスも職業の一つです。派手な衣装でダンスやトリックを披露し、観客を楽しませます。プロのダンサーやアーティストとして活動する人もいます。YouTubeやSNSで人気を集め、スポンサー契約で生計を立てるケースもあります。
その他の職業
一部の郵便配達員や警察官、それに電話交換手のマネジャーたちがローラースケートを使用します。また、狭い路地や公園での移動が速く、効率的です。工場では、戦後日本の鐘紡西大寺工場で女工がローラースケートを履いて作業効率を上げた例があります。イベントホステスとしてローラースケートを履き、会場を移動しながら挨拶する仕事もあります。これらの職業は、身体の軽快さと安全管理が鍵です。
ローラースケートの登場する映画
ローラースケートは、映画で魅力的に描かれることが多いです。1970年代のディスコブームやローラーダービーの激しさを反映した作品が代表的です。邦題がある場合は邦題を優先して紹介します。
ローラーガールズ・ダイアリー(2009年)
ローラーダービーを題材にした青春ドラマです。エレン・ペイジが箱入り娘ブリス・キャヴェンディッシュを演じ、ローラースケートチームに入って自分らしさを見つけます。ドリュー・バリモアが監督と出演を兼ね、女性の力強さを描いています。派手な試合シーンと音楽が魅力です。PrimeVideoAmazon
ロール・バウンス(2005年)
1970年代のローラースケート文化を再現した作品です。少年たちがスケートリンクで友情を深め、ダンスバトルに挑みます。黒人コミュニティの文化やファッションが色濃く、ノスタルジックな雰囲気が人気です。爽やかな青春物語です。PrimeVideoAmazon
ローラー・ブギ(1979年)
ディスコ時代を象徴するローラースケート映画です。リンダ・ブレアが裕福な少女を演じ、地元のローラースケートリンクを守るためにダンスコンテストに挑戦します。派手な衣装と音楽が特徴で、当時のブームを象徴しています。Amazon
ザナドゥ(1980年)
オリビア・ニュートン=ジョンがローラースケートを履いたミュージカルです。ギリシャ神話の女神が人間界でローラースケートリンクを開きます。ジーン・ケリーのタップダンスと融合したシーンが有名です。ポップな音楽が楽しめます。PrimeVideoAmazon
ローラーボール(1975年)
未来の暴力スポーツを描いたSFアクションです。ローラースケートとモーターサイクルを使った過酷な競技が中心です。ジェームズ・カーンが主人公を演じ、資本主義の暗部を批判しています。激しいアクションが印象的です。PrimeVideoAmazon
その他の作品
チャーリー・チャップリンの「ローラースケート」(1916年)では、ウェイター役でコミカルにスケートを披露します。「カンザスシティ・ボンバー」(1972年)では、ローラーダービーの女性選手を描いています。「エアボーン」(1993年)や「ブリンク!」(1998年)もローラースケートを活かした青春映画です。
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』ではトレードマークである野球バットやローラースケートを使ったアクション場面が特に印象的。なお、短時間ではありますが、アンジェリーナ・ジョリーが主演した『チェンジリング』(2009年)には電話交換手の主人公がローラースケートを履いて仕事する場面が出てきます。このような場面は、20世紀中期を舞台にした映画に、しばしば登場します。
ローラースケートの歴史
ローラースケートの歴史は300年以上に及びます。アイススケートの代替として生まれ、時代ごとに進化しました。現代の形になるまで、数多くの改良が重ねられています。
起源と初期の発明
ローラースケートの起源は18世紀初頭に遡ります。オランダやイギリスで、夏にアイススケートを楽しむための道具として考案されました。記録に残る最初のローラースケートは、1743年のロンドン劇場で使用されたものです。1760年、ベルギー人のジョン・ジョセフ・マーリンが車輪付きの靴を発明しました。彼はパーティーで披露しましたが、止まれずに壁に激突する失敗談が有名です。
19世紀の普及
1863年、アメリカの実業家ジェームズ・レナード・プリンプトンが、クッション付きの4輪ローラースケートを発明しました。これにより方向転換がしやすくなり、大衆化が進みました。19世紀後半には、ニューヨークやロンドンでスケートリンクが次々に開業しました。貴族から庶民まで楽しむ娯楽となりました。
20世紀のブーム
日本には1877年頃に紹介され、明治時代にスポーツとして普及しました。1903年には日本体育会が導入し、1910年には浅草ルナパークにスケート場が開業しました。1950年代から1960年代にかけてアメリカでローラーダービーが人気を集め、1970年代のディスコブームで再び大ブームとなりました。ローラースケートリンクが全国に広がり、音楽とダンスが融合しました。
現代の進化
1980年代にはインラインスケート(ローラーブレード)が登場しました。4輪が一列に並び、スピードと機動性が高まりました。1990年代以降はストリートスケートやアグレッシブスケートが発展しました。現在はローラーダービーやフィットネスとして人気です。コロナ禍でも屋外スポーツとして再注目されました。ローラースケートは、時代を超えて人々の心を掴み続けています。
また、米国のコメディアン、女優、ライターのエスター・ポビツキーのように、今でもローラースケートを趣味にしている人はたくさんいます。




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