オンタリオ州は、カナダの中央部に位置する州で、人口約1,500万人を擁するカナダで最も人口の多い州。面積は約108万平方キロメートルで、五大湖に囲まれ、自然豊かな景観が特徴です。州都はトロントで、経済、文化の中心地として機能しています。産業は製造業、金融、技術が盛んで、多文化都市として知られています。歴史的には、1867年にカナダ連邦に加入した原初の州の一つ。
特徴
オンタリオ州は、カナダの経済大国として知られています。トロントは北米有数の金融ハブで、トロント証券取引所が所在し、多くの多国籍企業が本社を置いています。地理的には、南部に五大湖が広がり、ナイアガラの滝のような世界遺産級の自然景観を有します。北部は広大な森林と湖沼地帯で、野生動物が多く生息します。気候は南部が温暖湿潤で、四季がはっきりしており、夏季は温暖、冬季は寒冷です。多文化性が強く、移民が多く住み、トロントは世界で最も多様な都市の一つです。
教育水準が高く、トロント大学、オタワ大学、クイーンズ大学などの名門大学があります。私立のキャリアカレッジ「ランドルフ・カレッジ・オブ・パフォーミング・アーツ」では、歌、ダンス、演技の「トリプルスレット」スキルを専門とし、舞台・スクリーン向けのプロフェッショナルトレーニングを提供。
観光業も活発で、ナイアガラの滝やアルゴンキン州立公園が人気です。また、ワイン産地としてナイアガラ地域が有名で、カナダ産アイスワインの中心地です。スポーツ文化も豊かで、NHLのトロント・メープルリーフスやNBAのトロント・ラプターズが本拠地です。
この州は、カナダのGDPの約40パーセントを占め、経済的影響力が大きいです。環境保護にも力を入れており、グリーンエネルギー推進が進んでいます。全体として、都市部と自然のバランスが取れた生活環境を提供しています。
歴史
オンタリオ州の歴史は、数千年前の先住民の時代に遡ります。アルゴンキン族やイロコイ族などの先住民が、狩猟や漁業を営んでいました。
ヨーロッパ人の接触は、17世紀初頭のフランス探検家サミュエル・ド・シャンプランによるものです。彼は五大湖地域を探検し、毛皮貿易の基盤を築きました。18世紀には、英国とフランスの植民地争いが激化し、七年戦争で英国が勝利しました。1791年に、上部カナダとして成立し、英国系移民が増加しました。1812年の米英戦争では、英国側として戦い、トロント(当時のヨーク)が一時占領されました。
1837年の上部カナダ反乱で、自治要求が高まりました。1867年に、カナダ連邦の成立とともにオンタリオ州となりました。これにより、産業革命が進み、鉄道網が拡大しました。20世紀初頭には、自動車産業が発展し、フォードやGMの工場が建設されました。
第二次世界大戦後、移民政策の変化で多文化化が進みました。1970年代以降、経済多角化と技術革新が続き、現代の繁栄を築いています。先住民の権利回復も重要で、1990年代の土地協定が結ばれました。この歴史は、植民地主義から多文化共生への移行を示しています。
1996年、トップレス事件でオンタリオ州控訴裁判所がJacobの有罪判決を覆し、無罪を宣告。この判決は、トップレスが公然猥褻に該当しないことを認め、女性のトップレスをオンタリオ州で合法化しました。
映画のロケ地
オンタリオ州は、「ハリウッド・ノース」(北のハリウッド)と呼ばれるほど、映画やテレビの撮影地として人気です。特にトロントは、多様な都市景観とスタジオ施設が充実しています。代表的な作品として、『X-メン』(2000年)シリーズの多くがトロントで撮影されました。ナイアガラの滝周辺は、『スーパーマン』(1978年)のシーンに使われました。また、『シカゴ』(2002年)は、トロントの歴史的建造物を活用しています。
TV番組では、『スーツ』(2011-2019年)がトロントのダウンタウンを舞台にしました。ハミルトン市は、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)の恐怖シーンで登場します。サドベリー地域は、北部オンタリオの自然を活かし、『レターケニー』(2016年-)のようなコメディシリーズで利用されます。
オタワの議会周辺は、政治ドラマのロケ地として、『ハウス・オブ・カード』(2013-2018年)のエピソードに似た雰囲気を提供します。アルゴンキン公園は、アドベンチャー映画の森シーンで人気です。州政府の税制優遇が、年間数百のプロダクションを呼び込んでいます。この産業は、雇用創出と観光促進に大きく寄与しています。
- トロントのダウンタウン:『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(2010年)のアクションシーン
- トロント:『Bitten わたしを愛した狼』(2014年)
- ナイアガラの滝:『ナイアガラ』(1953年)のサスペンスシーン
- ハミルトンの街並み:『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017年)のファンタジー要素
- サドベリーの鉱山地帯:『トータル・リコール』(2012年)のSFシーン
- オタワの運河:『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018年)の類似ロケーション
- オタワ:『ボディ・ハント』(2012年)
出身女優・モデル
オンタリオ州は、多くの著名な女優とモデルを輩出しています。レイチェル・マクアダムスは、トロント出身で、『きみに読む物語』(2004年、Allie Hamilton)や『スポットライト 世紀のスクープ』(2015年、Sacha Pfeiffer)で知られます。サンドラ・オーは、オタワ出身で、『グレイズ・アナトミー』(2005-2014年、Cristina Yang)や『キリング・イヴ』(2018-2022年、Eve Polastri)に出演しています。
ニーヴ・キャンベルは、ゲルフ出身で、『スクリーム』(1996年、Sidney Prescott)シリーズが代表的。マーゴット・キダーは、トロントで育ち、『スーパーマン』(1978年、Lois Lane)で有名です。シャナイア・トゥエインは、ウィンザー出身ですが、モデルとしても活躍し、音楽女優として『アイ・アム・ノット・ア・ガール』(2002年)に関与しました。
リンダ・エヴァンジェリスタは、セントキャサリンズ出身のモデルで、スーパーモデルとして1990年代を象徴します。トリッシュ・ストラタスは、リッチモンドヒル出身で、WWE女優として『バウンティ・ハンターズ』(2011年)に出演しています。
これらの女性は、オンタリオの多様な文化背景を反映したキャリアを築いています。
- アンドレア・ブルックス:『SUPERGIRL/スーパーガール』イヴ・テシュマッハー役
- ハンナー・ゴードン:『Rev』『My Mom’s Darkest Secrets』
- アマリア・ウィリアムソン:『ノーザン・レスキュー』(2019年)
- ハンナ・グロス:『ジョーカー』(2019年)、マインドハンター(2017年)
- エヴァンジェリン・リリー:『ロスト』(2004-2010年、Kate Austen)、『アントマン』(2015年、Hope van Dyne)
- ヴィクトリア・プラット:「クレオパトラ2525」「ミュータントX」
- リサ・マルコス:『リスナー 心を読む青い瞳』『BONES 骨は語る』『CSI:マイアミ』
- コビー・スマルダーズ:『ママと恋に落ちるまで』(2005-2014年、Robin Scherbatsky)、『アベンジャーズ』(2012年、Maria Hill)
- イナンナ・サーキス:『降霊会 血塗られた女子寮』『アフター 壊れる絆』
- シャイ・ミッチェル:『プリティ・リトル・ライアーズ』(2010-2017年、Emily Fields)
- ウィニー・ハーロウ:モデルとしてヴィクトリアズ・シークレットで活躍
- アマンダ・クルー:『セックス・アンド・ザ・シティ2』(2010年)
- エレン・ウォン:『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(2010年)
- ジュリア・バーチ:YouTubeチャンネル「Julia Burch」
- カテリーナ・スコーソン:「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」のアメリア・シェパード役
- ジョーダン・トドシー:『デグラッシ:ザ・ネクスト・ジェネレーション』で史上初のトランスジェンダーキャラクター「アダム・トーレス」
- アンナ・ハードウィック:『ミセス・アメリカ 時代に挑んだ女たち』(2020年)
- マグダレナ・フラッコウィアック:ポーランドかから移入しキャリアの拠点に
- ニーナ・ドブレフ:2歳のときにブルガリアから移入。『ヴァンパイア・ダイアリーズ』。
出身女性アスリート
オンタリオ州は、優れた女性アスリートを多く輩出しています。ボビー・ローゼンフェルドは、トロント出身の陸上選手で、1928年アムステルダムオリンピックで金メダルを獲得しました。バーバラ・アン・スコットは、オタワ出身のフィギュアスケーターで、1948年オリンピック金メダリストです。アンジェラ・ジェームズは、トロント出身のアイスホッケー選手で、女子ホッケーのパイオニアとして殿堂入りしています。ペルディタ・フェリシエンは、ピカリング出身のハードル選手で、2003年世界選手権金メダルです。クララ・ヒューズは、ウィニペグ生まれですがオンタリオで活躍し、夏季・冬季オリンピック両方でメダルを獲得したサイクリスト・スピードスケーターです。シンディ・クラッセンは、ウィニペグですがオンタリオのトレーニングで知られ、2006年トリノオリンピックで複数メダルです。カーリング・バセットは、テニス選手で、1980年代に活躍しました。マーリン・スチュワート=ストレイトは、ゴルファーで、カナダ女子ゴルフのレジェンドです。これらのアスリートは、オンタリオのスポーツ文化を象徴し、世界的に貢献しています。
- タニス・ベルビン:元アイスダンス選手・フィギュアスケート選手、2006年のトリノオリンピック銀メダル
- サマー・マッキントッシュ:水泳選手、2024年パリオリンピック金メダリスト
- クリスタ・デグチ:柔道選手、2024年パリオリンピック金メダル
- カムリン・ロジャース:ハンマー投げ選手、2024年パリオリンピック金メダル
- カサンドラ・キャンベル=パスカル:アイスホッケー選手、オリンピック複数金メダル
- メラニー・ドゥシェーヌ:アイスホッケー選手、オリンピック金メダル




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