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リアリズム

リアリズム(Realism)は、芸術、文学、哲学などの分野で、現実をありのままに描写しようとするアプローチ。ここでは、リアリズムの一般的な意味や映画の中のリアリズムを説明しています。また後半では代表的な作品を取り上げて簡単な解説を加えていきます。

なむ
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「なむ語る」では、リアリズムについて、観客・視聴者が自身に関わることだと感じる場面に反映すると考えています。作品全体にリアリズムは反映しないという立場です。詳しくは「映画におけるリアリズムの神話」をご覧ください。

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リアリズムとは何か?

まず、リアリズムの一般的な概念から説明します。リアリズムは、芸術、文学、哲学などの分野で、現実をありのままに描写しようとするアプローチを指します。19世紀のヨーロッパで生まれたこの運動は、理想化されたロマンティシズム(浪漫主義)に対抗し、日常生活、社会問題、普通の人々の生活を客観的に表現することを重視しました。

例えば、文学ではギュスターヴ・フローベールやチャールズ・ディケンズの作品が、絵画ではギュスターヴ・クールベの現実的な人物描写が代表的です。リアリズムの核心は、「現実の忠実な再現」であり、幻想や装飾を排して、観察に基づく真実性を追求します。

これを映画の文脈に絞ると、映画のリアリズムは、現実世界を可能な限り自然に映し出すスタイルや手法を意味します。映画は視覚・聴覚メディアであるため、リアリズムは撮影技法、脚本、演技、編集などに及びます。単なる見た目のそっくりさだけでなく、社会問題への眼差しや、観客が「現実に存在している」と感じさせる映像の力まで含みます。

映画の歴史では、リアリズムは時代や地域によって多様な形で発展し、社会の鏡として機能してきました。以下では、映画のリアリズムの主な種類を詳しく解説し、それぞれの代表作品と簡単な解説を加えます。種類は歴史的な文脈に基づいて分類し、代表的なものをピックアップします。

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映画のリアリズムの種類

映画のリアリズムは、大きく分けて以下の種類があります。これらは相互に重なる要素もありますが、時代背景や目的によって区別されます。主に、戦後イタリアのネオリアリズムドキュメンタリー風のリアリズム社会問題を扱うソーシャルリアリズム、現代のバリエーションとしてドグマ95ハイパーリアリズムなどです。各種類の特徴を丁寧に説明します。

イタリアン・ネオリアリズム

特徴

第二次世界大戦後にイタリア共和国で生まれた運動で、スタジオ撮影ではなく実際の街路や場所を使い、非職業俳優を起用して、貧困や社会的不正をリアルに描きます。脚本は即興的で、ドキュメンタリーのような自然さを重視。華美な照明や特殊効果を避け、現実の厳しさを強調します。このスタイルは、映画が社会を変える力を持つと信じられ、世界中の映画に影響を与えました。

代表作品

自転車泥棒(1948年、監督:ヴィットリオ・デ・シーカ)

戦後のローマを舞台に、失業した男が自転車を盗まれ、息子と探す物語。非職業俳優の自然な演技と実際の街の風景が、貧困の現実を痛切に描き出します。この作品は、ネオリアリズムの象徴としてアカデミー賞外国語映画賞を受賞し、映画史に残る名作です。シンプルなプロットを通じて、人間性の喪失と希望の微光を示しています。

ローマ、開市(1945年、監督:ロベルト・ロッセリーニ)

ナチス占領下のローマを描いた抵抗運動の物語。実際の出来事を基に、即興的な撮影で緊張感を演出。戦争の残酷さと人間の尊厳をリアルに表現し、ネオリアリズムの先駆けとなりました。女優アンナ・マニャーニの演技が特に印象的です。

シネマ・ヴェリテまたはドキュメンタリー風リアリズム

特徴

1960年代のフランス共和国アメリカ合衆国で発展したスタイルで、「真実の映画」という意味。ハンドヘルドカメラ(手持ちカメラ)を使い、インタビューや観察を基に、現実を直接記録します。フィクション映画でもこの手法を取り入れ、ドキュメンタリーのような即時性を加えることがあります。目的は、観客に「本物の現実」を感じさせることですが、監督の主観が入る点で純粋なドキュメンタリーとは異なります。

代表作品

クロニクル・オブ・ア・サマー(1961年、監督:ジャン・ルーシュ、エドガー・モラン)

パリの街頭で人々に「あなたは幸せですか?」と問いかけるドキュメンタリー。カメラが人々の日常を捉え、社会の不安や喜びを自然に映し出します。この作品はシネマ・ヴェリテの基礎を築き、フィクション映画のリアリズムに影響を与えました。観客はまるで現場にいるような没入感を得られます。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年、監督:ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス)

フィクションのホラー映画ですが、ファウンド・フッテージ(発見された映像)スタイルで、ドキュメンタリー風に撮影。手持ちカメラの揺れと即興演技が恐怖のリアリティを高め、低予算で大ヒットしました。現代のリアリズムのバリエーションとして、観客の現実認識を揺さぶります。

ソーシャルリアリズム

特徴

主にイギリスやアメリカで、社会階級、労働問題、差別などを現実的に描くスタイル。キッチンシンク・リアリズム(Kitchen Sink Realism)と呼ばれるイギリスの変種は、日常の台所(シンク)のような平凡な生活を焦点にします。目的は、社会批判を通じて観客の意識を喚起すること。演技は自然で、場所は実際の都市部を使います。

代表作品

土曜の夜と日曜の朝(1960年、監督:カレル・ライス)

イギリスの労働者階級の若者が、退屈な日常と反逆心を抱く物語。実際の工場や街を舞台に、アルコール、恋愛、階級格差をリアルに描きます。キッチンシンク・リアリズムの代表作で、1960年代のイギリス社会を反映。主演アルバート・フィニーの荒々しい演技が光ります。

ケス(1969年、監督:ケン・ローチ)

イギリスの炭鉱町で育つ少年が、鷹を飼うことで希望を見出す話。非職業俳優と自然光の使用で、貧困と教育の問題を強調。ローチ監督のソーシャルリアリズムの典型で、観客に社会的不平等を痛感させます。シンプルながら心に残る作品です。

ドグマ95や現代のハイパーリアリズム

特徴

1990年代のデンマークで、ラース・フォン・トリアーとトーマス・ヴィンターベアが提唱した運動。特殊効果、人工照明、音楽を禁じ、手持ちカメラと自然音のみで撮影する厳格なルール。目的は、映画の純粋性を回復し、現実のエッセンスを抽出すること。現代では、デジタル技術を使ったハイパーリアリズム(超現実主義)が登場し、CGIで現実を極限まで再現しますが、伝統的リアリズムとは対照的です。

代表作品

セレブレーション(1998年、監督:トーマス・ヴィンターベア)

家族の誕生日パーティーで明かされる暗い秘密を描く。ドグマ95のルール通り、スタジオなしで撮影され、緊張感のある対話がリアリティを生みます。家族の崩壊を赤裸々に表現し、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。現代リアリズムの革新例です。

イディオッツ(1998年、監督:ラース・フォン・トリアー)

知的障害者を装うグループの奇行を描くコメディドラマ。手持ちカメラの乱暴な動きが、社会規範への挑戦を強調。ドグマ95の精神を体現し、観客に不快感を与えつつ、現実の境界を問います。トリアー監督の挑発的なスタイルが特徴です。

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まとめと追加の考察

映画のリアリズムは、現実を映す鏡として進化してきました。初期のネオリアリズムは戦後の荒廃を、社会リアリズムは階級問題を、現代のものは技術革新で新たなリアリティを探求しています。これらの作品は、単なる娯楽ではなく、社会を考えるきっかけを提供します。もし特定の種類や作品についてさらに詳しく知りたい場合、または他の芸術分野のリアリズムについてお聞きになりたい場合、ぜひ教えてください!

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