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ルーシー・レトビー事件

ルーシー・レトビー(Lucy Letby)は、英国の新生児看護師で、2015-2016年に英国チェスター伯爵病院の新生児ユニットで7人の新生児を殺害、7人を殺害未遂したとして有罪判決を受け、終身刑を宣告された。英国史上最悪の児童連続殺人犯の一人。

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経緯

ルーシー・レトビー事件は、英国チェスター伯爵病院(Countess of Chester Hospital/イギリス・イングランド・チェシャー・チェスター)の新生児ユニットで発生した一連の新生児死亡事件を中心に展開しました。この事件は、2015年6月から2016年6月にかけての期間に焦点を当てており、病院内で異常な新生児の死亡率の上昇が問題視されたことが発端です。以下に、主な経緯を時系列で丁寧に解説いたします。

事件の始まりは、2015年6月頃に遡ります。当時、レトビーは同病院の新生児ユニットで看護師として勤務しており、ユニットでは通常年間2〜3件程度の死亡が発生するところ、短期間に複数の新生児が急変し死亡する事態が相次ぎました。具体的には、6月22日に女児(Child D)が誕生後36時間で死亡したのを皮切りに、6月末までにさらに2人の新生児が死亡しました。これらのケースでは、原因不明の急性悪化が観察され、病院内のコンサルタント医師であるスティーブン・ブリアリー博士が、レトビーのシフト勤務時にこれらの事件が集中していることに気づきました。しかし、当初は人員不足や偶然の一致として扱われ、深刻な調査は行われませんでした。

2015年8月には、双子の男児(Baby E)が死亡し、双子のもう一方(Baby F)が重篤な状態となりました。Baby Fの血液検査で異常なインスリン値が検出されましたが、当時は十分に追及されませんでした。9月にはレトビーが集中治療の資格を取得し、引き続き勤務を続けました。10月には女児(Baby I)が死亡し、事件は徐々にエスカレートしていきました。

2016年に入り、4月には双子のBaby LとBaby Mが急変。Baby Lはインスリン中毒の疑い、Baby Mは死亡しました。これらのケースで、空気塞栓(空気の注入による血管閉塞)やインスリン投与が疑われ始めました。6月にはBaby N、O、Pが相次いで死亡し、ブリアリー博士をはじめとする医師たちがレトビーの関与を強く疑うようになりました。6月30日、ついにレトビーはユニットから外され、患者体験チームに異動となりました。これにより、ユニットの死亡率は急激に低下し、病院は新生児ユニットを縮小しました。

病院側の対応は遅れ、2016年9月に王立小児科・児童保健大学(RCPCH)のレビューが行われましたが、スタッフ不足を指摘するものの、明確な原因は特定されませんでした。2017年3月、医師たちが警察への通報を求め、4月にチェシャー警察が「Operation Hummingbird」という捜査を開始しました。2018年7月4日、レトビーは8件の殺人と6件の殺人未遂の容疑で逮捕されましたが、2019年6月に保釈されました。2020年11月、再逮捕され、7件の殺人と15件の殺人未遂で起訴されました。これらの容疑は、17人の新生児(AからQまで匿名で呼ばれる)に関わるものでした。

捜査の過程で、レトビーの自宅から手書きのメモが見つかり、「私は悪だ、私はこれをした」という内容が注目されました。また、彼女のテキストメッセージやフェイスブックの検索履歴も証拠として集められました。事件の背景には、病院の衛生問題(配管の汚染やスーパーバグの発生)やスタッフ不足が指摘され、これらが死亡率の上昇に寄与した可能性も議論されています。しかし、警察はレトビーの行動を主な原因と位置づけました。

この経緯は、病院管理者の対応の遅れが問題視されており、医師たちの警告が無視された点が後の調査で明らかになりました。事件は、医療現場での内部告発の重要性を浮き彫りにするものとなりました。

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裁判

レトビーの裁判は、2022年10月10日からマンチェスター王立裁判所(Manchester Crown Court)で始まり、ジェームズ・ゴス判事が主宰しました。レトビーは7件の殺人と15件の殺人未遂(計22件)の罪状をすべて否認しました。裁判は10ヶ月以上に及び、英国史上最長級の審理となりました。検察側は、レトビーが新生児に空気を注入したり、インスリンを投与したり、物理的な危害を加えたりしたと主張しました。具体的な証拠として、異常なインスリン値の血液検査結果、皮膚の変色(空気塞栓の兆候)、医療記録の不整合、レトビーが持ち帰った手渡しシート、そして彼女のテキストメッセージや行動パターンが挙げられました。また、手書きのメモは「告白」として提示されましたが、弁護側はこれを精神的苦痛の表れだと反論しました。

弁護側は、病院の衛生状態、スタッフ不足、自然死の可能性を強調し、レトビーを「熱心で有能な看護師」と描写しました。証人としてレトビー自身と配管工が呼ばれ、病院の排水問題が死亡原因のひとつかもしれないと主張しました。陪審員は22日間の審議の末、2023年8月18日に判決を下しました。結果は、7件の殺人有罪、7件の殺人未遂有罪(一部は10対1の多数決)、2件の殺人未遂無罪、6件の殺人未遂で評決不能でした。これにより、レトビーは英国現代史上最悪の児童連続殺人犯となりました。

2023年8月21日、ゴス判事はレトビーに終身刑を宣告し、仮釈放なしの「whole-life order」を適用しました。これは英国で4人目の女性に対する適用例です。判事は、レトビーの行為を「計算ずくで冷酷」と非難し、反省の欠如を指摘しました。2024年1月と5月の控訴申請は却下されましたが、6月から再審が開始され、7月2日に追加の1件の殺人未遂で有罪判決を受け、15件目の終身刑が宣告されました。

さらに、2023年12月、レトビーは看護師登録から抹消されました。2024年12月には、追加の新生児死亡に関する事情聴取を受け、弁護側は新たな専門家証言を基に再控訴を申請しました。2025年2月3日には、刑事事件審査委員会(CCRC)に審査申請が行われ、現在審査中です。この裁判は、証拠の解釈(例: インスリン検査の信頼性や統計的分析)で論争を呼び、医療証拠の扱いについて議論を喚起しています。

ルーシー・レトビーの診療下でさらに多くの乳児が被害を受けた可能性、新たな証拠が示唆 | BBCニュース
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メディア化

レトビー事件は、英国メディアで大々的に取り上げられ、国際的な注目を集めました。BBC、ガーディアン、タイムズ、インディペンデントなどの主要メディアが詳細なタイムラインや裁判経過を報道し、事件の衝撃性を強調しました。例えば、ガーディアンは2023年8月にインタラクティブなタイムラインを公開し、事件の展開を視覚的に解説しました。 また、BBCのNewsnightやPanoramaは、事件の背景を深掘りしたドキュメンタリーを放送し、レトビーを「現代英国史上最悪の児童連続殺人犯」と位置づけました。

メディア化の特徴として、裁判中の報道規制が厳しく、2023年8月の判決後まで詳細が制限されていました。判決後、ITVの「Lucy Letby: The Nurse Who Killed」(2023年8月)やChannel 5の「Lucy Letby: Did She Really Do It?」(2024年8月)などのドキュメンタリーが制作され、証拠の再検証を試みました。特に、2024年5月のニューヨーカー誌の記事は、証拠の信頼性を疑問視し、統計的誤謬や医療解釈の誤りを指摘して大きな論争を巻き起こしました。 これにより、一部メディア(例: デイリー・メールのピーター・ヒッチンズ記者)で有罪判決の疑問が提起され、ポッドキャスト「The Trials of Lucy Letby」も事件の再考を促しました。

公衆の反応は二極化し、被害者家族は判決を支持する一方、専門家の一部が証拠の弱さを指摘しました。これが、2023年9月に開始されたThirlwall Inquiry(サールウォール調査)につながり、病院の管理体制やNHSの改革を検討しています。この調査は2024年9月から公聴会を始め、2025年3月まで続く予定で、メディアでも継続的に報じられています。 また、Netflixの「犯罪捜査ファイル ルーシー・レトビー新生児殺害事件」(2026年2月公開)は、事件の事実と論争を扱い、さらなる議論を呼びそうです。

メディア化は、医療倫理や司法の透明性を問うものとなり、英国社会に深い影響を与えました。事件は、単なる犯罪報道を超え、システムの失敗を象徴するものとして扱われています。

補足情報
この記事を書いた人
なむ

洋画好き(字幕派)、煩悩に従う。猫ブログ「碧眼のルル」も運営中。映画の合間に、可愛い猫たちにも癒されてください。

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