アドラー心理学(または個人心理学)は、オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラーが創始した心理学的方法や学派のこと。このテーマに関するアドラーの著作(1925年)の英語版『The Practice and Theory of Individual Psychology(個人心理学の実践と理論)』は、主に1912年から1914年にかけて行われた論文や講義を集めたもの。これらの論文は心理学の包括的な概観を提供し、人格の不可分の統一性を反映することを意図していました。
フロイトからの脱却
個人心理学を発展させるにあたり、アドラーはフロイトの精神分析学派から脱却。アドラーは当初、自分の仕事を「自由な精神分析」と呼んでいましたが、後に「精神分析家」というレッテルを拒否しました。
現代の技法
現代のアドラー心理療法には、ルドルフ・ドレイカーズを信奉する学派と、古典的アドラーを信奉する学派の2つがあります。多くの団体がこの心理学について執筆したり実践したりしています。
- 北米アドラー心理学会(NASAP)
- ジャーナル・オブ・インディビジュアル・サイコロジー(The Journal of Individual Psychology)
- 国際個人心理学会(IAIP)
- 国際アドラー夏期学校・研究所会議(ICASSI)
など。
また、世界中の多くの大学が、アドラー心理学の大学院トレーニングを行っています。この心理療法は成長しつつあり、着実に主流の心理療法に同化しつつあります。
現代のアドラー主義者の間では、人格を決定する際の帰属性と優越性の相対的な役割について論争があり、ルドルフ・ドレイカーズ(Rudolf Dreikurs)に関連する学派は、古典的なアドラーの理論家とは対照的に、前者を重視しています。
現代人への影響
カール・ポパーのように、アドラーの個人心理学は、精神分析と同様に疑似科学であると主張する見解もありますが、人格研究への全体論的アプローチを含むアドラーの方法は、現代のカウンセリングや精神医学の戦略に大きな影響を与えています。
日本で刊行されているアルフレッド・アドラーの著作は多数あり、Amazonジャパンでは、洋書も含めて150冊を超える本が入手可能な状況です(2025年3月12日現在)。
考え方
「個人心理学」という用語は、個人だけでなく、不可分な存在としての患者をも指しています。アドラーは、患者の社会的つながりを含む環境全体を考慮しなければならないと述べています。
現代社会では組織や人間関係が複雑になり、心と体のバランスを崩したり、ストレスを抱える人が増えています。同時に、医療の現場では、病気の根底にある心の問題や生活環境など、その人を包括的にケアできる医療の必要性が重要視されようになりました。
そこで注目されているのが、アドラー心理学(個人心理学)。アドラーは「人間の悩みはすべて対人関係である」と考え、悩みの根源を知って幸せへの一歩を踏み出す方法を具体的に展開しています。
[PR]アドラー心理学検定1級講座
アドラー心理学検定1級講座は、アドラー心理学(個人心理学)の検定試験1級の合格をめざすオンライン講座で、日本統合医学協会が監修しています。
内容
講座では、次の観点から実践的にアドラー心理学を学習します。
- 自分を見つめなおす
- 「勇気づけ」を学び使いこなす
- 「共同体感覚」を持ち精神的な健康を手に入れる
- アドラー心理学を日常に活かす
自分を見つめなおす
性格(ライフスタイル)は自分が決めたものというアドラー心理学の結論にもとづいて、自分が変わることで対人関係を好転させる方法やアドラー心理学の核となる勇気づけ(困難を克服する活力)や共同体感覚(家族や友人、職場等への信頼感・貢献感)の全体像を学びます。
「勇気づけ」を学び使いこなす
アドラーの言う「勇気」の3要素
- リスクを引き受ける能力
- 困難を克服する努力
- 協力できる能力の一部
の中身を知り、自らはもちろん周りの人も勇気づけられる物事の捉え方や考え方を身につけ、他者の行動の受け止め方や言葉がけの方法を実践的に学びます。
「共同体感覚」を持ち精神的な健康を手に入れる
全ての人は何らかの「共同体」に属しており、その「共同体」への信頼や貢献度が人生を充実させていくと考えるアドラー心理学に欠かせない価値観について、人間関係がうまくいく6つの姿勢・いつも幸せな人が大切にしている6つのポイントをあげながら学んでいきます。
アドラー心理学を日常に活かす
怒りやイライラと上手く付き合うコツ、自分が好きになれず落ち込む時、SNSで気が休まらない悩み、相談を受けて仲違いした場合や苦手な人への対処法など、日常で起こりうる実例をあげながら対人関係や自分の感情についての思い込みを変える実践的な知識を習得します。
特徴とメリット
アドラー心理学検定1級講座は次のような特徴とメリットがあります。
- オンライン講座だから、いつでもどこでも自分の生活スタイルに合わせた学習ができます。
- オンライン講座だから、低予算・短期間で資格取得がめざせます。
- 医療現場で必要とされる統合医療の知識に特化し、日本統合医学協会が監修する幅広い知識が学べます。
- 講座修了後には、スキルアップや独立開業に役立てられる日本統合医学協会の資格取得をめざせます。
対象
アドラー心理学検定1級講座を受講するにふさわしい方として、次のような思いをもつ方が指導対象に挙げられます。
- 自分や家族の健康のためにセルフケアに役立つ学びをしたい方
- 人のために役立つ統合医療の知識を学んで、自身の仕事に活かしていきたい方
- 好きなことや興味関心のある分野で資格を取得をして自信をつけたい方
- コロナなどの感染症対策として、免疫力アップ、健康向上など強い体づくりを行いたい方
まとめ
アドラー心理学(または個人心理学)は、オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラーが創始した心理学的方法や学派のことでした。
アドラーは個人の対人関係や社会環境を重視して、個人がのびのびと生活できるための対処法を協力や共同の観点から考えました。アドラー心理学は、個人の時代にふさわしい考え方を提供してくれます。
現代の映画やTVドラマのジャンルにサイコ・スリラーというものがありますね。このジャンルでは、悪役の犯罪者がパラノイア風のサイコパスとして登場します。彼ら彼女らは一律的に、自分の置かれた環境や対人関係を遮断する行動をとります。そのような人物への対処法や治療法として、アドラー心理学は大きな役割を担えると思います。
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