『還魂』は歴史にも地図にも存在しない大湖国を舞台に、魂を変える「還魂術」によって運命が翻弄された主人公たちが、これを乗り越え成長していくファンタジーロマンス。
アクション満載の剣術シーンと切ない恋愛模様が魅力で、2022年にPart1、2023年にPart2が放送されました。全30話で、Netflixで配信中です。
基本情報
- 邦題：還魂
- 原題：환혼
- 英題：Alchemy of Souls
- 公開日：2022年06月18日
- 製作国・地域：韓国
- 再生時間：76分
- ジャンル：ファンタジー、恋愛
女優の活躍
『還魂』では、複数の魅力的な女優が活躍しています。まず、Part1のヒロインを務めたチョン・ソミンは、1989年生まれのベテラン女優です。2009年にKBSドラマ『微笑、春』でデビューし、2010年の『イタズラなKiss～Playful Kiss～』で主人公のオ・ハニ役を演じて一躍注目を集めました。以降、ラブコメディの女王として知られ、2016年の『この恋は初めてだから』で内気な女子大生役を披露し、繊細な演技で評価されました。2021年の『彼女はキレイだった』では、ファッション誌編集者のミモ役でパク・ソジュンと共演し、明るく魅力的なキャラクターを体現。『還魂』では盲目のムドク役を熱演し、魂の入れ替わりという複雑な設定の中で、コミカルさとシリアスさを両立させました。この作品を通じて、アクションシーンにも挑戦し、女優としての幅を広げています。現在もNetflix配信の『となりのMr.パーフェクト』で主演を務め、安定した人気を維持しています。
Part2でナクス役を演じたコ・ユンジョンは、1996年生まれの若手女優で、2019年に『彼はサイコメトリー』でデビュー。2020年のNetflix『Sweet Home－俺と世界の絶望－』で怪物化する少女役を演じ、ホラー要素の強い演技でブレイクしました。2022年の『還魂』Part1では冒頭に登場し、Part2で主役に昇格。クールでミステリアスなナクスを冷徹な表情と鋭い視線で表現し、視聴者を魅了。アクションのキレの良さが光り、剣術シーンでのダイナミックな動きは話題になりました。2023年の『もうすぐ死にます』では、就職難の青年を支える女性役で人間味あふれる演技を披露。2025年の『いつかは賢くなる専攻医生活』では研修医役で主演を務め、医療ドラマの新星として活躍中です。透明感のある美貌と演技力で、今後の大ブレイクが期待されます。
キム・ドジュ役のオ・ナラは、1974年生まれのミュージカル出身女優です。1997年にミュージカル『沈清』でデビューし、2001年から2004年まで日本の劇団四季で『マンマ・ミーア！』などに出演。日本語が堪能で、日本ファンも多いです。2008年にドラマ『甘い人生』で本格デビューし、2018年の『SKYキャッスル』で教育ママ役を演じて大ブレイク。社会派ドラマでの毒舌キャラがハマり、視聴率女王となりました。『還魂』ではチャン家の忠実な執事役で、コミカルな要素を加え、物語のユーモアを支えました。以降、『私の夫と結婚して』（2024、ウン・ヨンハ役）で復讐劇に挑戦し、2025年のバラエティ番組MCとしても活躍。ミュージカル講師としても後進を指導し、多才ぶりを発揮しています。
その他、アリン（OH MY GIRL）はチン・チョヨン役でアイドル女優としてデビュー以来の演技力を発揮。1997年生まれの彼女は、2015年にグループデビュー後、2019年の『ワン・ナイト・フード・ストリート』で演技に進出。『還魂』では天真爛漫な貴族令嬢を可愛らしく演じ、歌唱シーンも披露しました。パク・ウネはチン・ホギョン役で、ベテランらしい威厳ある演技を。1968年生まれの彼女は、『朱蒙』（2006、ソソノ役）で歴史ドラマの女王として知られ、数々の大作で活躍しています。これらの女優たちは、『還魂』のファンタジー世界を豊かに彩り、それぞれのキャリアをさらに輝かせました。
女優の衣装・化粧・髪型
『還魂』の女優たちの衣装は、大湖国の幻想的な世界観を反映した華やかな韓服が中心です。伝統的なチマチョゴリをベースに、ファンタジー要素を加えたデザインで、絹のような光沢素材や刺繍が施され、動きやすいようスリットが入っています。チョン・ソミンのムドク役は、初期の貧しい身分を表す粗末な灰色の衣装から、侍女としてチャン家に入ってピンクや淡い青の優雅な韓服へ変化。Part1後半では、恋愛要素が強まるシーンで花柄のロマンティックなドレス風衣装が多く、シルクの柔らかな質感が彼女の可憐さを引き立てます。アクションシーンでは、黒い忍装束のようなタイトな衣装で、剣を振るう姿が凛々しく映えます。
化粧は、自然光を活かしたナチュラルメイクが基本。ムドクの盲目の設定から、目元は淡いピンクのアイシャドウと細いアイラインで儚さを強調。頰紅は薄く入れ、唇はピンクベージュのリップで健康的な血色を演出。Part1のコミカルなシーンでは、頰に軽く日焼け風のチークを加え、田舎娘らしさを表現しています。一方、コ・ユンジョンのナクス役は、クールビューティーを狙ったメイク。Part2では、シャープなアイブロウとスモーキーなアイシャドウでミステリアスさを、赤みがかったリップで妖艶さをプラス。戦闘シーンでは、汗に負けないウォータープルーフのメイクで、凛とした表情を保ちます。オ・ナラのキム・ドジュ役は、執事らしいシンプルなメイク。ベージュのファンデーションで清潔感を出し、眉をストレートに整えて知的な印象を与えています。
髪型は、時代劇らしいアップスタイルが主流ですが、現代的なアレンジが施されています。チョン・ソミンはムドク役で、初期は三つ編みやポニーテールで素朴さを、後半はゆるやかなウェーブのハーフアップで優雅に。アクション時は、きつく結んだお団子で動きやすさを優先。コ・ユンジョンはナクス役で、ストレートの黒髪をロングに流し、クールさを強調。Part2のクライマックスでは、サイドを編み込んだ戦士風スタイルがカッコよく、髪飾りに銀のピンを用いてファンタジー感を高めます。アリンのチョヨン役は、ふんわりカールのパート分けで可愛らしさを、パク・ウネのホギョン役は厳格なシニヨンで威厳を表現。これらのスタイリングは、役の性格を視覚的に伝え、視聴者の没入感を深めています。全体的に、衣装・化粧・髪型は伝統と現代の融合で、女優たちの美しさを最大限に引き出しています。
あらすじ
大湖国は、水の力を操る術士たちが暮らす神秘の国です。四大名家の一角、チャン家の若き後継者チャン・ウクは、父の失踪と自身の出生の秘密に悩みながら、気ままに生きています。そんな彼の前に現れたのは、盲目の少女ムドク。実はムドクの体には、最強の刺客ナクスの魂が還魂術で入れ替わっていました。ナクスは追われる身となり、ムドクの体で身を隠します。ウクはナクスの正体を見抜き、師匠として弟子入り。厳しい特訓の中で、二人は絆を深めていきます。
一方、ソ家の天才剣士ソ・ユルは、過去にナクスと出会い、心惹かれていました。ユルはウクの親友として、物語に絡みます。世子コ・ウォンは、宮廷の陰謀に巻き込まれ、術士たちを統べる立場に。松林の総帥パク・ジンは、還魂術の闇を操る黒幕として暗躍します。Part1では、ウクとムドク（ナクス）の恋が芽生え、氷の石の力でウクが死から蘇るドラマチックな展開。還魂人の脅威が国を襲い、仲間たちは協力して戦います。しかし、ナクスの体が限界を迎え、悲劇的な別れが訪れます。
Part2は3年後。蘇ったウクは、記憶を失ったナクス（今度はチン・ブヨンの体）が新たな刺客として現れ、再会。ブヨンは四大名家の娘で、還魂術の犠牲者でした。ウクはブヨンに惹かれつつ、過去のナクスとのつながりを思い出し、魂の謎を解き明かします。ユルはブヨンに想いを寄せ、三角関係が複雑に。パク・ダングやキム・ドジュの活躍で、還魂術の起源が明らかになり、最終的にウクとナクスの魂が再び結ばれます。アクションとロマンスが交錯する中、運命の輪が回り、成長した主人公たちが平和を取り戻す感動の結末です。全編を通じて、魂の入れ替わりがもたらすアイデンティティの葛藤が、深みを与えています。
解説
『還魂』は、ホン姉妹の脚本によるファンタジーロマンスの傑作です。伝統的な時代劇に、魂の入れ替わりという斬新な設定を加え、単なる恋愛物語を超えた深みを生み出しています。Part1では、ムドク（ナクス）とウクの師弟関係から恋へ移行する過程が丁寧に描かれ、コミカルな掛け合いが視聴者を引き込みます。アクションシーンは、ワイヤーアクションを駆使した剣術バトルが圧巻で、女性主人公の強さが現代的なエンパワーメントを感じさせます。一方、Part2は過去のトラウマと再会を軸に、心理描写を重視。ナクスの魂が体を変えても変わらない本質が、愛の永遠性を象徴します。
テーマとして、運命と選択の対立が挙げられます。還魂術は一見、人生を書き換える救済ですが、実際は新たな苦痛を生む。主人公たちは、術に頼らず自らの力で道を切り開く姿を通じて、自己受容の重要性を訴えます。また、四大名家の権力争いや宮廷陰謀は、社会の階級問題を寓意的に反映。ユーモアを交えつつ、重いメッセージを届けます。視覚効果も秀逸で、大湖国の幻想風景や氷の石のCGが没入感を高めています。キャストのケミストリー、特にイ・ジェウクとチョン・ソミンの息の合った演技が、Part1の成功要因。Part2でのコ・ユンジョンのクールビューティーは、新鮮さを加えました。
影響力として、放送後Netflixで世界的にヒット。韓国国内では視聴率10%超え、OSTもチャート1位を記録。ファンタジー時代劇のブームを再燃させ、後続作に影響を与えました。女性視聴者からの支持が厚く、強いヒロイン像がジェンダー平等の文脈で評価されています。欠点として、Part1とPart2の女優交代が一部で混乱を招きましたが、それが逆に魂のテーマを強調。全体として、娯楽性と文学性のバランスが絶妙で、何度も見返したくなる作品です。運命に抗う人間の強さを、優しく教えてくれます。
キャスト
- チャン・ウク：イ・ジェウク。四大名家のチャン家後継者で、ナクスに師事する青年。
- ムドク／ナクス：チョン・ソミン（Part1）。盲目の侍女でナクスの魂が宿る。
- ナクス／チン・ブヨン：コ・ユンジョン（Part2）。最強の刺客で、魂が入れ替わるヒロイン。
- ソ・ユル：ファン・ミンヒョン。ソ家の天才剣士で、ウクの親友。
- パク・ダング：ユ・インス。松林の後継者で、ウクの友人。
- チン・チョヨン：アリン（OH MY GIRL）。ホギョンの娘で、ユルの想い人。
- コ・ウォン：シン・スンホ。大湖国の世子で、術士の盟主。
- チャン・ガン：チュ・サンウク。チャン家の当主で、ウクの叔父。
- キム・ドジュ：オ・ナラ。チャン家の執事で、ウクの養母的存在。
- パク・ジン：ユ・ジュンサン。松林の総帥で、陰謀の首謀者。
- チン・ム：チョ・ジェユン。天附官の副官で、野心家。
- チン・ホギョン：パク・ウネ。鎮妖院の院長で、チョヨンの母。
スタッフ
脚本はホン・ジョンウンとホン・ミラン姉妹が担当します。ホン姉妹は『ホテルデルーナ～月明りの恋人～』（2019）や『魔女の恋愛』（2014）で知られる人気脚本家コンビです。
ファンタジーとロマンスのバランスを絶妙に織り交ぜ、魂のテーマを深く掘り下げました。演出はパク・ジュンファ監督が手がけ、『キム秘書はいったい、なぜ？』（2018）や『雲が描いた月明り』（2016）で軽快なテンポのヒット作を生み出しています。アクション監督はキム・ホンジンで、ワイヤーを使ったダイナミックなバトルシーンを監修。
音楽はキム・ジュンソクが作曲し、OSTの「The Moon of Seoul」（BUMKEY feat. HAON）はチャートを席巻しました。制作はHighZium Studioが担い、Netflixとの共同プロモーションでグローバル展開を実現。スタッフの総力で、視覚・聴覚的に魅力的な作品に仕上がっています。
レビュー 作品の感想や女優への思い