アレクサンドラ・トゥルソワ（Alexandra Trusova）は2004年のロシアのフィギュアスケート選手で、2022年北京オリンピック銀メダリストです。女子初の4回転トウループ、フリップ、ルッツ成功者であり、高難度のジャンプで知られます。世界選手権銅メダルやジュニア世界選手権2連覇など輝かしい成績を収め、フィギュアスケートの技術革新を牽引しています。
プロフィール
- 名前：アレクサンドラ・トゥルソワ（Alexandra Trusova）
- 生年月日：2004年6月23日（21歳）
- 出生地：ロシア・リャザン
- 身長：165cm（2022年）
- SNSサイト：Instagram・YouTube・TikTok
選手情報
- 競技種目：フィギュアスケート
- 代表国：ロシア
- コーチ：エテリ・トゥトベリーゼ、セルゲイ・デュダコフ、ダニイル・グレイヘンガウス
- 所属クラブ：サンボ70フルスタリヌイ
- 練習拠点：モスクワ
- 開始：2008年
- 引退：2025年
- 最高WS：2位（2021–22シーズン）
- ISUサイト：バイオグラフィ
生い立ち・教育
アレクサンドラ・トゥルソワ（Alexandra Trusova）は、2004年6月23日にロシアのリャザンで生まれました。彼女はアスリートの家系に育ち、祖父と父はテコンドーと柔道の選手、母は短距離走の元陸上選手というスポーツ一家です。弟たちも柔道を競技とするサンボの選手として活躍しており、家族全体が活発なスポーツ精神に満ちています。幼少期のトゥルソワは非常にエネルギッシュで、2、3歳の頃から父の影響でジムで走ったり、腕立て伏せや懸垂などのトレーニングを自然と身につけました。当初、体操や格闘技が勧められましたが、2008年に4歳でフィギュアスケートを始め、オルガ・シェフツォワのもとで基礎を学びました。この時期からスケートへの情熱が芽生え、彼女の才能は早くも開花していきました。
2015年、11歳の時にモスクワに移住し、アレクサンドル・ヴォルコフの指導を受け始めました。この移籍は彼女の競技人生の転機となり、より本格的なトレーニングが可能になりました。2016年からは、名門「クリスタル」リンクでエテリ・トゥトベリゼとセルゲイ・ドゥダコフのコーチングチームに加わり、高度な技術習得に励みました。トゥトベリゼの厳しい指導の下、4回転ジャンプの練習を重ね、急速に成長を遂げました。2020年5月には、エフゲニー・プルシェンコのアカデミー「エンジェルズ・オブ・プルシェンコ」に移籍し、新たな環境で挑戦を続けましたが、2021年5月に再びトゥトベリゼのもとに戻り、安定したパフォーマンスを発揮する基盤を築きました。教育面では、競技スケジュールに合わせたホームスクーリングを中心に進め、モスクワの専門学校で一般教育とスケート理論を学んでいます。彼女の日常は練習中心ですが、家族の支えが精神的な強さを与え続けています。
経歴
アレクサンドラ・トゥルソワの競技経歴は、ジュニア時代から目覚ましい活躍で彩られています。2017-2018シーズンにジュニアグランプリ（JGP）シリーズで国際デビューを果たし、ブリスベン大会でショートプログラム（SP）とフリースケーティング（FS）で1位を獲得、合計197.69点という当時ジュニア女子史上3番目の高得点をマークしました。続いてミンスク・アリーナ杯でも勝利を収め、JGPファイナルではSPで73.25点のジュニア史上最高得点を樹立、FSでアリョーナ・コストルナヤを抑えて優勝を飾りました。国内のロシアジュニア選手権でもコストルナヤを破り、金メダルを獲得。このシーズンの活躍は、彼女の潜在能力を世界に示すものでした。
2018年世界ジュニア選手権では、歴史的な快挙を成し遂げました。FSで4回転トウループと4回転サルコウを成功させ、1プログラム内で2度の4回転ジャンプを着氷した初の女子選手となりました。技術点（TES）92.35点は当時のシニア世界最高得点を上回り、FS153.49点のジュニア新記録を樹立、金メダルを獲得しました。2018-2019シーズンもJGPアンバー杯で4回転-3回転コンビネーションを、アルメニアン杯で女子初の4回転ルッツを成功させ、ファイナルで銀メダル。世界ジュニア選手権では2連覇を達成し、SP2位、FS1位で総合優勝を果たしました。これらの成績は、彼女をジュニアの女王として君臨させました。
シニアデビューとなった2019-2020シーズンは、さらなる飛躍の年でした。CSオンドレイ・ネペラ記念で金メダルを獲得し、1プログラム内で3度の4回転ジャンプを成功、FS163.78点、合計238.69点で世界新記録を更新。スケートカナダでは4回転4本構成でFS166.62点の女子最高得点を出し、TES100点超えを初達成、金メダル。ロステレコム杯でも優勝し、グランプリファイナルで4回転フリップを女子初成功させて銅メダルを獲得しました。2020年欧州選手権では銅メダル、世界選手権はCOVID-19の影響で中止となりましたが、彼女の勢いは止まりませんでした。
2020-2021シーズン、ロステレコム杯で4位ながら、世界選手権ではSP12位からFSで巻き返し、4回転5本構成に挑戦して3つを成功、銅メダルを獲得。ロシアチームの表彰台独占に貢献しました。2021-2022シーズン、U.S.クラシックとスケートアメリカで金メダル、ロシア選手権で金メダル（後にドーピング問題で確定）。欧州選手権銀メダル後、北京オリンピックではFSで4回転5本全て着氷、177.13点の五輪新記録で銀メダル。4回転フリップとルッツをオリンピックで初成功させた功績は永遠に語り継がれます。しかし、ロシアの国際情勢により2022年世界選手権は不出場となりました。
2022-2023シーズンは背中の怪我で苦しみ、ロシアグランプリシリーズで3位と2位を獲得しましたが、ロシア選手権とファイナルを棄権。2023-2024シーズンも回復に専念し、限定的な出場にとどまりました。2024-2025シーズンに入り、競技復帰の兆しを見せ、国内大会で安定した演技を披露。彼女のキャリアは、怪我や外部要因を乗り越え、再び頂点を目指す姿勢が印象的です。通算のISU記録保持者として、ショートプログラム、フリースケーティング、合計得点のワールドレコードを複数回更新し、ジュニア時代も歴史的レコードを樹立。グランプリシリーズやチャレンジ杯での勝利は数え切れず、フィギュアスケートの未来を照らす存在です。
私生活
トゥルソワの私生活は、家族の絆とスポーツへの献身が基調となっています。アスリート一家に生まれ、幼少期からアニメ「塔の上のラプンツェル」に憧れ、長い髪を大切に伸ばし続けています。ウォームアップとクールダウンを徹底し、リンク前には1時間のストレッチ、練習後には30分のジムトレーニングを欠かしません。食事はバランスを重視し、朝食にポリッジやパンケーキ、昼食は栄養豊富なメニューを摂取。怪我は競技人生でわずか2回で、2021-2022シーズン前に足の疲労骨折を経験しましたが、迅速に回復しました。2019-2020シーズンには身長が7cm伸び、衣装をリメイクするエピソードも語り草です。
2024年6月、男子フィギュアスケーターのマカール・イグナトフと電撃結婚し、本名をアレクサンドラ・イグナトヴァに改めました。イグナトフもプルシェンコのアカデミー出身で、互いのキャリアを支え合うパートナーシップが注目を集めました。2025年3月には妊娠を公表、男の子を出産し、母としての新たな人生を歩み始めました。出産直後のインタビューでは、「妊娠発覚時は怖かったが、3回転ジャンプを転ばずに成功させたのは達成感があった」と本音を明かし、ファンから称賛の声が寄せられました。マタニティーフォトの公開では「幸せオーラ全開」と評され、20歳での激変ぶりに驚きの声も。家族の支えのもと、子育てと競技復帰を両立させる姿は、多くの女性アスリートに勇気を与えています。現在はモスクワ近郊で夫と暮らしており、弟たちの試合応援や家族旅行を楽しむ穏やかな日常を送っています。
出演作品
トゥルソワは競技者としてだけでなく、アイスショーやメディア出演を通じて幅広いファンに親しまれています。主な出演作品として、エフゲニー・プルシェンコ主催のアイスショー「エンジェルズ・オン・アイス」に複数回参加し、夫イグナトフとのペア演技で観客を魅了しました。2024年の結婚式も映画のようなセッティングでSNSに公開され、話題となりました。2025年のショープログラム『ルースキー・ブイザフ』では、妊娠を発表しながら夫とともにステージに立ち、感動的なパフォーマンスを披露。北京オリンピック後のドキュメンタリー番組にも出演し、銀メダル獲得の舞台裏を語りました。
また、ロシアのテレビ番組「夕べの氷上で」でゲスト出演し、幼少期のエピソードや4回転ジャンプの秘密を明かしました。2023年のチャリティーショー「スターズ・オン・アイス」では、怪我からの復帰をテーマにしたソロプログラムを演じ、技術と表現の融合を見せつけました。これらの作品を通じて、彼女の魅力は競技を超えて広がり、若いスケーターたちの憧れの的となっています。将来的には、自身の経験を活かした指導者やプロデューサーとしての活躍も期待されます。
レビュー 作品の感想や女優への思い