『キャプテン・マーベル』は2019年公開のMCU映画。女性ヒーロー初の単独主演作で、1995年を舞台にキャロル・ダンヴァースが最強のヒーローとして覚醒する物語。記憶を失い、自身の過去と銀河の運命を巡る戦いを描く。主人公キャロル（キャプテン・マーベル）をブリー・ラーソンが演じた。
基本情報
- 邦題：キャプテン・マーベル
- 原題：Captain Marvel
- 公開年：2019年
- 製作国：米国
- 上映時間：124分
- ジャンル：アクション
- 配給：ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
女優の活躍
主人公キャロル・ダンヴァース／キャプテン・マーベルを演じたブリー・ラーソンは、本作で世界的な注目を集めました。1989年10月1日生まれのアメリカ人女優で、映画『ルーム』（2015年）でアカデミー主演女優賞を受賞し、その演技力が高く評価されています。『キャプテン・マーベル』では、記憶を失ったヒーローとしての葛藤と成長を見事に表現。肉体的なトレーニングにも力を入れ、アクションシーンでは自らスタントをこなすなど、ヒーロー像を体現しました。撮影前にネリス空軍基地を訪れ、現役パイロットと交流し、役作りに励んだエピソードも知られています。ラーソンは本作以降も『アベンジャーズ／エンドゲーム』（2019年）や『マーベルズ』（2023年）に出演し、MCUの主要キャラクターとして活躍を続けています。また、監督やシンガーソングライターとしても才能を発揮し、多面的なキャリアを築いています。彼女の強い意志と人間性を反映したキャロルの演技は、観客に勇気と共感を与え、女性ヒーローの新たなアイコンとしての地位を確立しました。
女優の衣装・化粧・髪型
ブリー・ラーソンの衣装は、キャロルのキャラクター性を強調するデザインが特徴です。物語前半では、クリー帝国の精鋭部隊「スターフォース」のユニフォームを着用。青緑と黒、銀を基調とした戦闘服は、機能的かつ未来的な印象を与えます。このスーツは、ヘルメットやガントレットと連動し、戦闘時の実用性を表現。物語後半では、キャロルが自身のアイデンティティを取り戻し、赤、黄、青のカラーリングに変更されたスーツが登場。モニカ・ランボーの助言で選ばれたこの配色は、原作コミックのキャプテン・マーベルを彷彿とさせ、彼女のヒーローとしての覚醒を象徴しています。化粧は控えめで、戦士としてのタフさを強調。ナチュラルメイクに近いスタイルで、戦闘時の汗や傷がリアルに映えるよう配慮されています。髪型は、ショートカットのブロンドヘアが基本。戦闘シーンではヘルメットで隠れることも多いですが、ヘルメットが非物質化する際の自然な髪の動きが、キャロルの自由な精神を表現しています。最終盤のバイナリー・パワー発動時には、髪が光を帯び、超人的な力を視覚的に強調。衣装と髪型の変化は、キャロルの内面的成長を視覚的に補強する重要な要素です。
あらすじ
1995年、クリー帝国の惑星ハラで暮らすヴァース（ブリー・ラーソン）は、スターフォースの兵士として訓練に励むが、過去の記憶を失い、断片的な悪夢に悩まされています。司令官ヨン・ログ（ジュード・ロウ）の指導のもと、彼女は感情を抑え、超人的な力「フォトンブラスト」を制御することを学びます。ある日、敵対種族スクラル人の罠にはまり、ヴァースは捕らえられ、記憶を探られます。その過程で、彼女は夢に登場する女性がウェンディ・ローソン博士（アネット・ベニング）で、自身が「ペガサス計画」に関与していたことを知ります。脱出後、地球に墜落したヴァースは、S.H.I.E.L.D.のエージェント、ニック・フューリー（サミュエル・L・ジャクソン）と出会い、自身の過去を探る旅に出ます。親友マリア・ランボー（ラシャーナ・リンチ）との再会や、スクラル人のリーダー・タロス（ベン・メンデルソーン）との対話を通じて、ヴァースは自分が地球人のキャロル・ダンヴァースであること、そしてクリー人に記憶を操作されていたことを知ります。ローソン博士が開発したライトスピード・エンジンの爆発で力を得たキャロルは、クリーの支配から解放され、キャプテン・マーベルとして覚醒。スターフォースやロナン・ジ・アキューザー（リー・ペイス）の攻撃を退け、スクラル人の新天地探しを助けるため旅立ちます。フューリーに銀河規模の通信が可能なポケベルを渡し、彼はキャロルのコールサイン「アベンジャー」から着想を得て「アベンジャーズ計画」を始動。物語は、23年後の『アベンジャーズ／エンドゲーム』につながるシーンで締めくくられます。
解説
『キャプテン・マーベル』は、マーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）の21作目で、初の女性ヒーロー単独主演映画として注目されました。1995年を舞台に、アベンジャーズ結成前の時代を描くことで、MCUの時系列に新たな深みを加えています。本作は、1971年のコミック『クリー・スクラル・ウォー』を基にし、キャロル・ダンヴァースが如何にして最強のヒーローとなったかを描くオリジンストーリーです。キャロルの記憶喪失と自己発見の旅は、アイデンティティや自己肯定感という普遍的なテーマを扱い、女性が自らの力を取り戻す物語として共感を呼びました。クリーとスクラルの対立を通じて、戦争やプロパガンダの複雑さも描かれ、単純な善悪二元論を超えた物語が展開されます。
監督のアンナ・ボーデンとライアン・フレックは、女性監督として初のMCU作品を手がけ、女性視点のストーリーテリングが光ります。音楽や美術も1990年代のノスタルジーを巧みに取り入れ、ブロックバスター・ビデオや当時のポップカルチャーが物語に彩りを添えています。グースという猫（実はエイリアン種フラーケン）が意外な活躍を見せる点も、ファンに愛される要素です。本作は『アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー』のポストクレジットシーンで示唆されたキャロルの登場を補完し、『エンドゲーム』への橋渡しとしても重要な役割を果たしました。興行収入は全世界で11億ドルを超え、批評家からも高い評価を受けた作品です。
キャスト
- キャロル・ダンヴァース／キャプテン・マーベル（ブリー・ラーソン／日本語吹替：水樹奈々）：記憶を失ったクリーの戦士で、後に最強のヒーローとして覚醒。
- ニック・フューリー（サミュエル・L・ジャクソン／竹中直人）：S.H.I.E.L.D.のエージェントで、キャロルと共に行動し、アベンジャーズ計画の着想を得る。
- ヨン・ロッグ（ジュード・ロウ／森川智之）：スターフォースの司令官で、キャロルの過去に暗い秘密を持つ。
- タロス（ベン・メンデルソーン／関俊彦）：スクラル人のリーダーで、キャロルの記憶を追うが、意外な一面を見せる。
- マリア・ランボー（ラシャーナ・リンチ／花藤蓮）：キャロルの親友で、元空軍パイロット。
- モニカ・ランボー（アキラ・アクバル／須藤風花）：マリアの娘で、キャロルを慕う少女。
- ウェンディ・ローソン／マー・ベル（アネット・ベニング／榊原良子）：キャロルの過去に関わる科学者で、クリー人としての秘密を持つ。
- ミン・エルヴァ（ジェンマ・チャン／日笠陽子）：スターフォースのスナイパー。
- コラス（ジャイモン・フンスー／乃村健次）：スターフォースの副司令官。
- ロナン（リー・ペイス／白熊寛嗣）：クリー帝国のアキューザーズ司令官。
- フィル・コールソン（クラーク・グレッグ／村治学）：S.H.I.E.L.D.の新人エージェント。
- グース（猫：レジー他）：マー・ベルの飼い猫で、実はフラーケンというエイリアン。
- スティーブ・ロジャース／キャプテン・アメリカ（クリス・エヴァンス／中村悠一）：ミッドクレジットシーンに登場。
- ナターシャ・ロマノフ／ブラック・ウィドウ（スカーレット・ヨハンソン／米倉涼子）：ミッドクレジットシーンに登場。
- ブルース・バナー／ハルク（マーク・ラファロ／宮内敦士）：ミッドクレジットシーンに登場。
- ジェームズ・ローズ／ウォーマシン（ドン・チ爆発
スタッフ
- 監督：アンナ・ボーデン、ライアン・フレック
- 製作：ケビン・ファイギ
- 製作総指揮：ルイス・デスポジート、ビクトリア・アロンソ、ジョナサン・シュワルツ、パトリシア・ウィッチャー、スタン・リー
- 原案：ニコール・パールマン、ジョー・シュラプネル、アナ・ウォーターハウス
- 脚本：アンナ・ボーデン、ライアン・フレック、ジェニーバ・ロバートソン＝ドワレット、ジャック・シェイファー
- 撮影：ベン・デイビス
- 美術：アンディ・ニコルソン
- 衣装：サーニャ・ヘイズ
- 編集：エリオット・グレアム、デビー・バーマン
- 音楽：パイナー・トプラク
- 音楽監修：デイブ・ジョーダン
- 視覚効果監修：クリストファー・タウンゼント
- ビジュアル開発監修：アンディ・パーク
レビュー 作品の感想や女優への思い