エルザ・マルティネリは、イタリアの女優、ファッションモデル。映画デビューした当時、一流ファッション・モデルの本領発揮と期待されました。
ロマンティック・コメディ、時代劇、マカロニ・ウエスタンなど幅広く活躍したハリウッドの国際派スターと評され、
- カーク・ダグラス
- ジョン・ウェイン
- ロバート・ミッチャム
- チャールトン・ヘストン
- アンソニー・クイン
たちと共演。
また、大西洋の両岸でアンドレ・デ・トート、ヴィットリオ・デ・シーカ、ハワード・ホークス、オーソン・ウェルズの監督作品に出演。
エルザ・マルティネリ
- 名前:エルザ・マルティネリ
- 本名:Elisa Tia
- 英語:Elsa Martinelli
- 生年月日:1935年1月30日(89歳)
- 没年月日:2017年7月8日(享年82歳)
エルザ・マルティネリの絶頂期は1950年代後半から1960年代後半にかけて。
この頃、ハリウッドのイタリア輸入女優のトップだったソフィア・ローレン、ジーナ・ロロブリジーダ、クラウディア・カルディナーレのライバルとして活躍。
エルザのスリムでセクシーな体型と妖精のようなルックスは「セックスアピールのあるオードリー・ヘプバーンのようなもの」という名言をうみました。
1954年から1992年の間に50本以上の映画に出演。
イタリア人伯爵と結婚し、マリア・カラス、アリストテレス・オナシス、ジャッキー・ケネディといった国際的セレブリティと親交を深めました
生涯とキャリア
エルザ・マルティネリはイタリアのトスカーナ州グロッセートでエリサ・ティアとして生まれました。
のち、家族とともにローマへ移住。
モデルと映画小役
1953年、ロベルト・カプッチに見いだされ、ファッションの世界に入ります。モデルとなった彼女は「Le Rouge et le Noir」(1954年)などの映画で小さな役を演じるようにも。
エルザはその後、1956年3月にユニバーサル・インターナショナル・ピクチャーズに出向し、映画「街の4人の少女」に出演。同56年、マリオ・モニチェッリ監督の「ドナテッラ」で主役を演じ、第6回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞。
1950年代半ばから1960年代後半
1950年代半ばから1960年代後半にかけて、エルザはヨーロッパとアメリカを往来しながら、ハリウッド映画「ハタリ!」(ジョン・ウェインと共演)や「ランペイジ」(ロバート・ミッチャムと共演)などで女性主役として大活躍。
そのほか、
- 「マヌエラ」1957年
- 「バッド・ガールズ・ドント・クライ」1959年(別題「ラ・ノッテ・ブラヴァ」)
- 「ヴォルガの虜」1959年
- 「血と薔薇」1960年
- 「ローマの恋」1960年
- 「ローマをさらった鳩」1962年
- 「裁判」1962年
- 「V.I.P.s」1963年
- 「10番目の犠牲者」1965年
- 「マフィア万歳」1965年
- 「ウーマン・タイムズ・セブン」1967年
- 「キャンディ」1968年
などに出演しました。
1960年代後半以降
1960年代後半以降は、「マノン70」(1968年)、「One on Top of the Other」(1969年)、「L’amica」(1969年、シルバーリボン助演女優賞受賞)など、おもにヨーロッパの外国語作品に出演するようになり、エルザの出演作は減っていきました。
英語での最後の出演は「Once Upon a Crime」(1992年)。2005年のヨーロッパTVシリーズ「Orgoglio」のモンテフォルテ公爵夫人役が最後の出演となりました。
私生活
エルザは1957年にフランコ・マンチネッリ・スコッティ・ディ・サン・ヴィート伯爵と結婚し、娘クリスティアーナ・マンチネッリ(1958年生まれ)をもうけました。1960年に別居し、正式な離婚成立まで6年を要しました。
1968年、パリ・マッチの写真家で1970年代の家具デザイナー、ウィリー・リッツォと結婚。
死去
エルザは2017年7月8日、ローマにて癌のため死去、享年82歳。
出演作品
日本語以外の題名表記は原題または英題です。
公開年 | 題名 | 配役 |
1954 | 赤と黒 | uncredited |
1954 | If You Won a Hundred Million | Anna |
1955 | 赤い砦 | Onahti |
1956 | 水田地帯 | Elena Nardi |
1956 | Donatella | Donatella Guiscardi |
1957 | Four Girls in Town | Maria Antonelli |
1957 | 船の女 | Manuela Hunt |
1958 | La mina [it] | Lucia |
1959 | Prisoner of the Volga | Mascha |
1959 | Ciao, ciao bambina! | Diana |
1959 | Tunis Top Secret | Kathy Sands |
1959 | 青い海岸 | Doriana |
1959 | Bad Girls Don’t Cry | Anna |
1960 | 危険なデイト | Marisa |
1960 | 血とバラ | Georgia Monteverdi |
1960 | Il carro armato dell’8 settembre | Mirella |
1960 | 快傑キャピタン | Gisèle d’Angoulême |
1960 | ローマの恋 | Fulvia |
1961 | The Menace | Lucile |
1962 | ハタリ! | Anna Maria ‘Dallas’ D’Allesandro |
1962 | ローマを占領した鳩 | Antonella Massimo |
1962 | Pelle viva | Rosaria |
1962 | 審判 | Hilda |
1963 | 予期せぬ出来事 | Gloria Gritti |
1963 | ランページ | Anna |
1964 | All About Loving | Mathilde |
1965 | マルコ・ポーロ 大冒険 | The Woman with the Whip |
1965 | 二人の殺し屋 | Sylvia |
1965 | 盗みのテクニック | Juliette |
1965 | L’or du duc [it] | Sonia |
1965 | 華麗なる殺人 | Olga |
1966 | イタリア式愛のテクニック | Monica the rallye driver |
1967 | Maroc 7 | Claudia |
1967 | 愛すべき女・女たち | Domitilla |
1967 | 女と女と女たち | Pretty woman |
1967 | Every Man Is My Enemy [it] | Laureen |
1968 | 恋のマノン | Annie |
1968 | The Belle Starr Story | Belle Starr |
1968 | ダスティン・ホフマンの100万$大捜査線 | Vic Shaw |
1968 | キャンディ | Livia |
1969 | 火曜日ならベルギーよ | Maria, Woman on Venetian bridge |
1969 | Maldonne [fr] | Gilberte de Baer |
1969 | 女の秘めごと | Jane Bleeker |
1969 | カトマンズの恋人 | Martine |
1969 | L’amica | Carla Nervi |
1970 | OSS 117 Takes a Vacation | Elsa |
1971 | La araucana [fr] | Inés de Suárez |
1971 | The Lion’s Share | Annie |
1976 | Il garofano rosso [it] | Zobeida |
1985 | I Am an ESP | Carla Razzi |
1988 | Pigmalione 88 [it] | |
1992 | モンテカルロ殺人事件 | as Carla the Agent |
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