髪フェティシズム

髪フェティシズムは、毛髪偏愛やトリコフィリアとしても知られ、毛髪（最も一般的なのは頭髪）をとくにエロティックで性的興奮を引き起こすものと見なす偏愛のこと。

頭髪、腋毛、胸毛、毛皮など、毛髪を見たり触ったりすることで興奮が生じることがあります。頭髪の興奮は、とても長い髪や短い髪、濡れた髪、特定の色の髪、あるいは特定のヘアスタイルを見たり触ったりすることで生じることもあります。

散髪フェティシズムは、自分の頭髪を切ったり剃ったりすること、他人の頭髪を切ること、誰かが散髪しているのを見ること、あるいは坊主頭や非常に短い髪の人を見ることで興奮する、関連パラフィリアです。

ハゲ・フェティシズムは、ハゲ、後退した生え際、男性型脱毛症などの遺伝的脱毛に対する性的魅力、またはこれらの特徴をもつことへの魅力に関する関連パラフィリア。頭皮の自発的な脱毛を伴うこともあります。

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語源
特徴
有病率

語源

髪フェティシズム（trichophilia）の語源は、毛髪を意味するギリシャ語「tricha-」（τρίχα）と、愛を意味する接尾辞「-philia」（φιλία）の合成です。

特徴

毛髪は哺乳類の特徴のひとつ。人間の場合、毛は頭皮の毛、顔の毛、胸毛、陰毛、腋毛、その他の場所にあります。男性は女性よりも多くの場所に毛が生えている傾向。毛髪は、文化的背景のなかで個人によって与えられる属性以外には、それ自体に本質的な性的価値はありません。体毛に関して両義的な文化もあり、魅力的とみなされることもあれば、美的でないとみなされることもあります。多くの文化では共通して、女性の体毛をエロティックなものとみなしています。例えば、イスラム教徒の女性の多くは、人前では髪を隠し、家族や親しい友人にだけ髪を見せます。同様に、ユダヤ教徒の女性の多くは結婚後に髪を隠します。新約聖書によると、キリスト教の女性は教会にいるときや祈りの最中は頭を隠すべきだとされています。

女性が髪を隠す習慣のない文化においても、髪のエロティックな意味は認識されています。いくつかの髪型は文化的に特定の性別と結びついており、短い頭髪や禿げは男性、長い頭髪は女性や少女と結びついています。とくに女性の場合、頭髪は美、虚栄心、エロティシズムの特徴として芸術や文学の中で表現されてきました。髪は、世界のさまざまな地域の美の規範においてとても重要な役割を担っており、健康的に梳かれた髪には、美とファッションという2つの重要な機能があります。これらの文化圏では、髪を魅力的に見せるためにかなりの時間と費用が費やされ、場合によっては文化的に不要な毛を取り除くこともあります。歴史的なインディアンの伝統では、女性は長い髪を維持することが期待され、実用性と見た目の端正さのために、邪魔にならないように結ぶ習慣があります。

毛髪フェティシズム（髪フェチ）は、さまざまな行動で現れます。フェティシストは、髪を見たり触ったり、他人の髪を引っ張ったり切ったりして楽しみます。なかには、楽しむだけでなく、そのような行為によって性的興奮を覚えることもあります。また、洗髪や髪を失うことへの恐怖のように、強迫観念と表現されることもあります。頭髪による興奮は、とても長い髪や短い髪、濡れた髪、特定の髪の色、特定のヘアスタイルを見たり触ったりすることで生じることがあります。また、文字どおり「誰かの髪でセックスする」ことに、幻想やフェチとしての魅力を感じる人もいます。このようなフェティシズムは男性にも女性にも影響します。

髪を切られたり手入れされたりすることに快感を覚える人もいます。これは、ヘッドマッサージや笑い、愛撫に似た感覚を与えるエンドルフィンが分泌されるから。一方、頭髪をカットされるときに何らかの不安を感じる人も多いです。ジークムント・フロイトは、男性が女性の長い髪を切るのは、去勢に対する恐怖や概念を表している可能性があると述べています。つまり、女性の長い髪はペニスを象徴しており、髪を切ることで男性は去勢される側ではなく、去勢する側としての優位性を感じることができます。一方で逆説的に、髪がまた伸びるという事実に安心することもできます。

トリコフィリアはさまざまな興奮源で現れるのですが、最も一般的なのは人間の頭髪です。トリコフィリアはまた、顔の毛、胸毛、陰毛、腋毛、動物の毛にも関与することがあります。毛の質感、色、髪型、長さによって興奮が生じることもあります。このような性的倒錯の最も一般的な変種には、長髪と短髪による興奮、金髪の興奮（金髪フェティシズム）、赤毛の興奮（赤毛フェティシズム）、髪の質感の違い（ストレート、カール、ウェーブなど）による興奮があります。トリコフィリアは、毛や体毛を抜いたり引っ張ったりすることによって引き起こされる興奮に関係することがあります。

トリコフィリアは、通常は無害なパラフィリアと考えられています。

腋フェティシズム

腋フェティシズムは、腋窩に性的魅力を感じるパーシャリズムの一種であり、腋窩性交（片方の腋窩または両方の腋窩を使った性行為）に至ることもあります。腋窩フェティシズム、マスチャラニアとも。女性の腋、腋毛、分泌物は女性らしさを構成する重要な要素。

有病率

さまざまなフェティシズムの相対的な有病率を調べるため、科学者たちは2007年に、381のインターネット討論グループから少なくとも5000人のサンプルを入手しました。相対的有病率は、（a）特定のフェチに特化したグループの数、（b）グループに参加している個人の数、（c）交換されたメッセージの数に基づいて推定されました。サンプリングされた集団のうち、7％が毛髪に性的興奮を覚えました（下着で12人で、性器で4人、胸で3人、尻で2人、体毛で1人以下）。