『ハッピー・デス・デイ』（2017年）は、クリストファー・ランドン監督による米国のホラー・コメディ映画。大学生ツリーが誕生日を繰り返し、殺人鬼から逃れるため奮闘するタイムループ・ホラー。ジェシカ・ローテ主演、製作費480万ドルで全世界1.25億ドルの大ヒット。
基本情報
- 邦題：ハッピー・デス・デイ
- 原題：Happy Death Day
- 公開年：2017年
- 製作国：米国
- 上映時間：96分
- ジャンル：ホラー
- 配給：東宝東和
見どころ
監督は『パラノーマル・アクティビティ 呪いの印』のクリストファー・ランドン。徐々に犯人像に近づいていく過程を笑いやロマンスも交えてテンポ良く描いている。
ジェシカ・ローテが可愛いく、タンクトップやパンプスなどのファッションがめっちゃおしゃれで、ティーンにしてはセクシー。熱演も素敵。
女優の活躍
『ハッピー・デス・デイ』の主演を務めるジェシカ・ローテ（Jessica Rothe）は、本作で主人公テレサ・“ツリー”・ゲルブマンを演じ、圧倒的な存在感を示しました。ジェシカ・ローテは1987年5月28日生まれ、コロラド州デンバー出身の女優で、8歳からバレエを始め、大学でバイオリンやタップダンスを学ぶなど、多才な経歴を持つ女優です。彼女は2016年の『ラ・ラ・ランド』でエマ・ストーンのルームメイト役（アレクシス）を演じ注目を集めましたが、本作で初の主演を務め、コミカルかつ感情豊かな演技で観客を魅了しました。ツリーは、自己中心的で高飛車な女子大生から、タイムループを通じて成長し、勇気と知恵で困難に立ち向かうキャラクターへと変化します。ローテはこの複雑な内面の変化を巧みに表現し、ホラーとコメディのバランスを見事に演じ分けました。特に、ループごとに異なる感情や戦略を見せる場面では、コミカルな軽快さから深刻な葛藤まで幅広い演技を見せ、批評家からも高い評価を受けました。彼女のエネルギッシュなパフォーマンスは、続編『ハッピー・デス・デイ 2U』（2019年）でも引き続き発揮され、シリーズの成功に大きく貢献しました。
また、脇を固める女優陣も魅力的です。ルビー・モディーン（Ruby Modine）はツリーのルームメイトで看護学生のロリを演じ、真面目で誠実なキャラクターを繊細に表現。レイチェル・マシューズ（Rachel Lynn Matthews）は、意識高い系の女子大生ダニエルを演じ、ツリーとの対立や嫉妬をコミカルに描き出しました。彼女は監督クリストファー・ランドンの姪でもあり、本作で映画デビューを果たしています。
女優の衣装・化粧・髪型
ジェシカ・ローテ演じるツリーの衣装は、彼女のキャラクター性を強く反映しています。物語の冒頭では、ツリーは派手で自信に満ちた女子大生として、流行のタイトなトップスやスキニージーンズ、ブーツやパンプスといったカジュアルかつセクシーなスタイルが特徴です。具体的には、黒やグレーといったモノトーンのトップスに、タイトなデニムを合わせ、アクセサリーとして大ぶりのイヤリングやネックレスを着用する場面が多く、彼女の“ビッチ”なイメージを強調しています。化粧は濃いめのアイラインとマスカラで目元を強調し、リップはピンクやレッド系で華やかさを演出。髪型はルーズなウェーブのかかったブロンドヘアで、軽やかかつ少し無造作なスタイルが、彼女の自由奔放な性格を表現しています。
ループが進むにつれ、ツリーの内面的な成長を反映するように、衣装にも変化が見られます。物語後半では、より動きやすいTシャツやスニーカーといったカジュアルな服装が増え、彼女が戦う姿勢を強調。化粧も徐々にナチュラルになり、髪はポニーテールやまとめ髪で実用性を優先するスタイルに移行します。この変化は、ツリーが自己中心的な性格から脱却し、問題解決に向けて積極的に行動する姿を視覚的に表現しています。
脇役のダニエル（レイチェル・マシューズ）は、濃いメイクと派手な衣装で“カッパ会”のリーダーらしい自己主張の強いスタイルを採用。ロリ（ルビー・モディーン）はシンプルなカジュアル服と控えめなメイクで、真面目な看護学生の雰囲気を醸し出しています。これらの衣装やメイクは、各キャラクターの個性や物語内での役割を際立たせる重要な要素となっています。
あらすじ
『ハッピー・デス・デイ』は、大学生テレサ・“ツリー”・ゲルブマン（ジェシカ・ローテ）の誕生日を中心に展開するタイムループ・ホラー・コメディ。ツリーは自己中心的で派手な生活を送る女子大生。ある朝、彼女は見知らぬ男子学生カーター・デイヴィス（イズラエル・ブルサード）の寮の部屋で目を覚まします。昨夜の過度な飲酒のせいで記憶が曖昧なまま、彼女は慌ただしく日常をこなし、夜のパーティに向かう途中、ベビーフェイスのマスクを被った謎の殺人鬼に刺殺されてしまいます。しかし、目が覚めると再び同じ誕生日の朝、カーターの部屋に戻っていることに気付きます。ツリーはこの“殺される誕生日”を何度も繰り返すタイムループに閉じ込められ、殺人鬼の正体を突き止め、ループから抜け出すために奮闘します。ループを繰り返す中で、彼女は自身の過去や人間関係を見直し、成長していく姿が描かれます。
解説
『ハッピー・デス・デイ』は、ホラーとコメディ、ミステリー、SF、ロマンスが見事に融合した作品です。タイムループという設定は、1993年の『恋はデジャ・ブ』を彷彿とさせますが、本作はホラー要素を加えることで独自の魅力を生み出しています。ツリーがループごとに犯人を探し、異なる死に方を経験する過程は、ホラーらしい緊張感とコメディの軽快さを絶妙にバランスさせ、観客を飽きさせません。特に、ツリーが自ら死を選ぶ大胆な行動や、ユーモラスな死に方は、彼女の破天荒な性格を反映し、観客に笑いを提供します。
本作の魅力は、主人公ツリーの成長にあります。最初は高飛車で自己中心的な彼女が、ループを通じて周囲との関係や自身の過去に向き合い、他人への思いやりや勇気を学んでいきます。この精神的な成長は、単なるホラー映画を超え、感動的な人間ドラマとしての深みを加えています。また、犯人の正体やタイムループの理由については、続編『ハッピー・デス・デイ 2U』でさらに掘り下げられ、物語にSF的な要素を加味しています。
製作はジェイソン・ブラム率いるBlumhouse Productionsが担当。低予算（480万ドル）ながら、全世界で1.25億ドルの興行収入を記録する大ヒットを達成しました。監督のクリストファー・ランドンは、『パラノーマル・アクティビティ／呪いの印』などで知られるホラー界の名手で、本作でもテンポの良い演出とユーモアを効果的に織り交ぜています。
キャスト
- テレサ・“ツリー”・ゲルブマン：ジェシカ・ローテ（自己中心的だが成長する女子大生）
- カーター・デイヴィス：イズラエル・ブルサード（ツリーを助ける心優しい男子学生）
- ロリ・スペングラー：ルビー・モディーン（ツリーのルームメイト、看護学生）
- ダニエル・ブーシェ：レイチェル・マシューズ（カッパ会のリーダー、ツリーに嫉妬）
- ライアン・ファン：ファイ・ブ（カーターのルームメイト、コミカルな学生）
- ニック・シモンズ：ブレイン・カーン III（パーティ好きな男子学生）
- ベッキー・シェパード：カメリア・スミス（カッパ会でいじめられる女子学生）
スタッフ
- 監督：クリストファー・ランドン（『パラノーマル・アクティビティ／呪いの印』）
- 脚本：スコット・ロブデル
- 製作：ジェイソン・ブラム（Blumhouse Productions、『ゲット・アウト』『ハロウィン』）
- 撮影：トビー・オリヴァー
- 編集：グレゴリー・プロトキン
- 音楽：ベア・マックレアリー
- 配給：ユニバーサル・ピクチャーズ
結論
『ハッピー・デス・デイ』は、タイムループという斬新な設定を活かし、ホラーとコメディを見事に融合させたエンターテインメント作品です。ジェシカ・ローテの魅力的な演技、個性的な衣装とメイク、成長を描くストーリーが観客を引き込み、低予算ながら大ヒットを記録しました。続編とともに、現代のホラーコメディの傑作として多くのファンに愛されています。
レビュー 作品の感想や女優への思い