ここに紹介する動画はLE SSERAFIMの「HOT」公式MVです。以下ではファッション、ダンス、撮影の観点からこのMVを分析していきます。
ファッション
全体のコンセプトとして「boho-chic」が採用されており、従来の力強いスタイルから一転して、流れるようなシルエットのフェミニンな衣装が目立つ。ChloéやMirror Palaisなどのブランドのアイテムが多く取り入れられ、メンバーは長めのコートを着用したシーンで、コートの裾を後ろに翻すような振り付けが印象的だ。これにより、夏らしい「HOT」な雰囲気を視覚的に強調している。Chaewonが着用したAbraのコートは、振り付けでスイングする部分に特に適しており、動きに華を添えている。
また、ビーチシーンでは冬の撮影にもかかわらず薄手の衣装を着用し、コントラストを活かしたスタイリングが施されている。アクセサリーは控えめで、ヘアスタイル(特にブロンドのメンバー)のコントラストが際立つ黒白のシーンでは、シンプルながらも視覚的なインパクトを与えている。 全体的に、レトロでポラロイドカメラのようなヴィンテージ感のある衣装が、曲のグルーヴィーなサウンドとマッチしている。
ダンス
振り付けは、曲のグルーヴ志向のサウンドに合わせて、従来の力強く自信たっぷりなスタイルから少し柔らかくシフトしているが、多くの「mannish(男性的)」な動きが取り入れられている。5人のメンバーが長めのコートを着用し、裾を後ろに翻すようなポイントダンスが特徴で、これが「HOT」な魅力を表現するキー要素となっている。 2番の歌唱後にダンスブレイクが入り、フォーメーションはキム・チェウォン、さくら、かずは、ホ・ユンジン、ホン・ウンチェの順で展開される。
全体のペースは中盤でビルドアップし、ビーチシーンでの開放的な動きがクライマックスを形成する。過去のMVのようにボーギングやワッキングの要素は見られないが、繰り返しのリズムに合わせた流れるようなフォーメーションが、夏の熱気を体現している。 ファンからは、こうした動きがレトロなコンセプトにぴったりで、キャッチーだと評価されている。
撮影
MVの撮影技法は、熱さと不快感を視覚的に表現するために工夫されており、低い天井や狭い空間を多用したセットデザインが特徴。冒頭の雪景色から開放的な空間への移行で「冷」から「熱」へのコントラストを強調し、視聴者に暑苦しさを体感させる。フィッシュアイレンズを使って空間をさらに狭く歪曲的に見せ、換気のない家セットにファンやカーテンを配置することで、息苦しさを増幅。照明は過剰に明るく、顔に近い光源のように不快感を演出し、溶けるような視覚効果や排気ファンのプロップが「HOT」のイリュージョンを強化している。
黒白のシーンでは、黒背景とのコントラストでメンバーのブロンドヘアが美しく映え、カメラアングルは絶えずシフトして緊張感を保つ。クライマックスのビーチシーン(冬の海で日没時に撮影)は、狭いセットからの解放を象徴し、涼しい風を感じさせる開放的なショットで締めくくられる。全体の編集は、空間の狭さと照明の使い分けでテーマを効果的に伝えており、ファンからもセットの工夫が熱さを体感させる点で好評だ。




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