『アイアンマン3』は、トニー・スタークがテロリスト・マンダリンと対決し、トラウマと向き合いながら自分を取り戻す物語。アクションとユーモアが融合したMCUの傑作。注目すべき女優は、トニー・スタークの恋人ペッパー・ポッツ役のグウィネス・パルトロー。
基本情報
- 邦題:アイアンマン3
- 原題:Iron Man 3
- 公開年:2013年
- 製作国:米国
- 上映時間:131分
- ジャンル:アクション、SF
- 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
あらすじ
『アイアンマン3』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ2の幕開けを飾る作品で、2013年5月3日に公開されました。物語は『アベンジャーズ』の出来事の後、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)が主人公として再び登場します。ニューヨークでの戦いで受けたトラウマに悩まされ、不眠症と不安発作に苦しむトニーは、アイアンマン・スーツの開発に没頭します。
一方、謎のテロリスト「マンダリン」(ベン・キングズレー)が世界各地で爆破テロを起こし、トニーの周囲にも脅威が迫ります。トニーの親友ハッピー(ジョン・ファヴロー)が攻撃で重傷を負い、トニーはマンダリンを倒すことを誓います。しかし、マンダリンの背後には科学者アルドリッチ・キリアン(ガイ・ピアース)が操る陰謀が隠されており、トニーはスーツを失い、孤独な戦いを強いられます。少年ハーレー(タイ・シンプキンス)の助けを借りながら、トニーは自身の知恵と勇気で危機に立ち向かい、ペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)を救うため、そして自分自身を取り戻すために戦います。
本作は、トニーの人間的な弱さと成長を描きつつ、アクションとユーモアを織り交ぜた展開が特徴です。マンダリンの正体やキリアンの計画の全貌が明らかになる意外性のあるストーリーも魅力です。
女優の活躍
本作で最も注目すべき女優は、ペッパー・ポッツ役のグウィネス・パルトローです。彼女はトニー・スタークの恋人であり、スターク・インダストリーズのCEOとして、知性と強さを兼ね備えたキャラクターを演じています。『アイアンマン3』では、ペッパーの役割がこれまで以上に重要で、物語の終盤ではエクストリミスという能力を得て、アクションシーンでの活躍が際立ちます。彼女の勇敢な行動は、トニーを支えるだけでなく、物語のクライマックスで決定的な役割を果たします。パルトローの演技は、ペッパーの感情的な深みと物理的な強さをバランスよく表現し、観客に強い印象を与えました。
また、マヤ・ハンセン役のレベッカ・ホールも重要な役割を担っています。マヤはトニーの過去に関わる科学者で、エクストリミスの開発者として物語に深みを与えます。ホールは、マヤの複雑な心情と倫理的な葛藤を見事に演じ、限られた出番ながらも印象的な存在感を示しました。
両女優とも、物語の鍵を握るキャラクターとして、男性主導のアクション映画に強い女性像を描き出しました。
女優の衣装・化粧・髪型
グウィネス・パルトロー演じるペッパー・ポッツの衣装は、彼女のプロフェッショナルで洗練されたキャラクター性を反映しています。物語の前半では、ビジネスウーマンとしてのペッパーにふさわしいテーラードスーツやエレガントなブラウスが登場。色調は白やベージュなど落ち着いたものが多く、彼女の知性と品格を強調します。特に、スターク・インダストリーズのオフィスシーンでは、タイトなスカートとヒールが彼女の自信を表現。化粧はナチュラルで、薄いファンデーションに控えめなリップとアイメイクが施され、プロフェッショナルな印象を保ちつつ、親しみやすさも感じさせます。髪型は、滑らかなブロンドの髪を緩やかなウェーブで下ろすか、シンプルなアップスタイルでまとめられ、シーンに応じて変化します。終盤のアクションシーンでは、動きやすいスポーツブラとパンツに変わり、彼女の新たな強さを象徴しています。
レベッカ・ホール演じるマヤ・ハンセンは、科学者らしいカジュアルかつ知的なスタイルが特徴です。ラボでのシーンでは、白いラボコートやシンプルなシャツにパンツを着用。色はグレーやネイビーなど落ち着いたトーンで、彼女の真剣な性格を反映しています。化粧はほとんど施さず、ナチュラルな肌に軽いリップのみで、科学者としての実直さを強調。髪型は、ダークブラウンの髪をポニーテールや緩いアップにまとめ、機能性を重視したスタイルが目立ちます。彼女の衣装と外見は、物語の中での倫理的葛藤をさりげなく補完する役割を果たしています。
解説
『アイアンマン3』は、MCUの他の作品と異なり、トニー・スタークの内面的な葛藤に焦点を当てた作品です。前作『アベンジャーズ』での宇宙規模の戦いの後、トニーはPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみ、ヒーローとしての自信を失います。この人間的な弱さが本作の中心的なテーマであり、トニーがスーツなしでどう戦うかが描かれます。監督のシェーン・ブラックは、アクションだけでなく、ユーモアとドラマを巧みに融合させ、トニーの成長物語を丁寧に描き出しました。
また、マンダリンのキャラクターは、コミックファンにとって驚きの展開が用意されています。原作ではアイアンマンの宿敵として知られるマンダリンですが、本作ではその設定に大胆なアレンジが加えられ、観客に新たな視点を提供します。この意外性が、映画の評価を二分する要因ともなりましたが、物語のテーマである「本当の敵とは何か」を象徴する仕掛けとして機能しています。
アクション面では、トニーがスーツを遠隔操作するシーンや、多様なアイアンマン・スーツが登場する「ハウス・パーティ・プロトコル」が見どころです。特に、クライマックスの戦闘シーンは、視覚効果とアクションのスケール感が見事に融合し、MCUの技術力を示しています。一方で、トニーが少年ハーレーと協力しながら問題を解決する場面は、ユーモアと温かさを提供し、映画のバランスを取っています。
本作は、トニー・スタークの「アイアンマン」としてのアイデンティティと、彼自身の人間性との向き合い方を描いた作品として、MCUの中でも独特の位置を占めています。アクション映画としてのエンターテインメント性と、キャラクターの内面に迫るドラマ性の両立が、本作の成功の鍵と言えるでしょう。
キャスト
- ロバート・ダウニー・Jr – トニー・スターク / アイアンマン
- グウィネス・パルトロー – ペッパー・ポッツ
- ドン・チードル – ジェームズ・“ローディ”・ローズ / ウォーマシン
- ガイ・ピアース – アルドリッチ・キリアン
- ベン・キングズレー – マンダリン
- レベッカ・ホール – マヤ・ハンセン
- タイ・シンプキンス – ハーレー・キーナー
- ジョン・ファヴロー – ハッピー・ホーガン
- ウィリアム・サドラー – サル・ケネディ大統領
- ミゲル・フェラー – 副大統領ロドリゲス
スタッフ
- 監督:シェーン・ブラック
- 脚本:ドリュー・ピアース、シェーン・ブラック
- 製作:ケヴィン・ファイギ
- 製作総指揮:ジョン・ファヴロー、ルイス・デスポジート、アラン・ファイン他
- 音楽:ブライアン・タイラー
- 撮影:ジョン・トール
- 編集:ジェフリー・フォード、ピーター・S・エリオット
- 視覚効果監修:クリストファー・タウンゼント
- プロダクションデザイン:ビル・ブルゼスキ
レビュー 作品の感想や女優への思い