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イタリア

イタリアは南ヨーロッパに位置する共和制国家で、歴史、文化、芸術の宝庫。首都はローマ。地中海に面し、アルプス山脈やアペニン山脈が特徴。ルネサンス発祥地であり、美食、ファッション、観光で知られる。人口約5900万人、面積約30万平方キロメートル。経済は工業と観光が中心で、EUの主要国。

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イタリア映画史(時代別)

初期(1896年~1920年代):映画の誕生と無声映画時代

イタリア映画の歴史は、1896年に最初の映写機が導入されたことに始まります。初期の映画は短い記録映像や実験的作品が中心でした。1900年代に入ると、歴史的スペクタクル映画が人気を博し、壮大なセットや群衆シーンが特徴でした。この時期の作品は、国際的に高い評価を受け、特にアメリカ市場で成功を収めました。無声映画の技術的限界の中で、視覚的な表現力が重視され、劇的なストーリーが観客を引きつけました。

  • カビリア(1914年、監督:ジョヴァンニ・パストローネ):古代カルタゴを舞台にした壮大な歴史映画。映画史初の長編作品の一つで、移動撮影や照明技術の革新が評価された。女優リディア・クアランタが主演し、情熱的な演技で注目を集めた。
  • 最後の人(1922年、監督:アルベルト・デ・システィ):ローマ帝国の衰退を描いた作品。女優フランチェスカ・ベルティーニが情感豊かな演技で人気を博し、無声映画時代のスター女優として名を馳せた。

この時期の女優としては、フランチェスカ・ベルティーニやリディア・クアランタが代表的で、劇的な表情と身振りで感情を表現し、観客を魅了しました。彼女たちのスター性は、イタリア映画の人気を支える重要な要素でした。

1930年代~1940年代:ファシズム時代とネオリアリズモの萌芽

1930年代、ムッソリーニのファシズム政権下で映画はプロパガンダの道具として利用されました。国営のチェッキ・ゴーリ製作会社やチネチッタ撮影所が設立され、映画産業は国家の統制下に置かれました。しかし、1940年代には、戦後の荒廃を背景に、リアリズムを追求するネオリアリズモ運動が誕生。現実の厳しさを描いた作品が世界的に注目されました。

  • スカラムーシュ(1937年、監督:カルミネ・ガローネ):ファシズム政権下の娯楽映画。女優アリダ・ヴァリが若々しい魅力で注目され、後の国際的スターへの道を開いた。
  • ローマ、開かれた都市(1945年、監督:ロベルト・ロッセリーニ):ネオリアリズモの金字塔。ナチス占領下のローマを描き、アンナ・マニャーニの迫真の演技が世界を震撼させた。彼女の情熱的で人間味溢れる演技は、ネオリアリズモの象徴となった。
  • 自転車泥棒(1948年、監督:ヴィットリオ・デ・シーカ):戦後の貧困を描いた名作。非職業俳優が主役を務め、リアリズムを追求。女優マリア・ピア・カサリオが脇役で出演し、家族の絆を象徴する演技を見せた。

アンナ・マニャーニはこの時期の代表的女優で、力強い演技と感情表現で「イタリア映画の母」と称されました。アリダ・ヴァリも国際的に活躍し、繊細な美しさで観客を魅了しました。

1950年代~1960年代:黄金期と国際的成功

1950年代から60年代はイタリア映画の黄金期で、ネオリアリズモの影響を受けつつ、商業映画やアート映画が花開きました。フェデリコ・フェリーニやミケランジェロ・アントニオーニなどの巨匠が登場し、芸術性と娯楽性を融合させた作品が生まれました。ハリウッドとの合作も増え、イタリア女優が世界的なスターに成長しました。

  • 道(1954年、監督:フェデリコ・フェリーニ):旅芸人の悲喜劇を描いた名作。ジュリエッタ・マシーナが純粋で哀愁漂うヒロインを演じ、フェリーニの妻としても知られた彼女の代表作となった。
  • 甘い生活(1960年、監督:フェデリコ・フェリーニ):現代社会の虚無を描いた傑作。アニタ・エクバーグの噴水シーンが象徴的で、彼女のグラマラスな魅力が世界的に話題となった。
  • 冒険(1960年、監督:ミケランジェロ・アントニオーニ):モダニズム映画の先駆け。モニカ・ヴィッティのクールで内省的な演技が評価され、彼女はアントニオーニ作品のミューズとして活躍した。

ジュリエッタ・マシーナ、モニカ・ヴィッティ、アニタ・エクバーグ、ソフィア・ローレンがこの時代の代表的女優です。特にソフィア・ローレンは『ふたりの女』(1960年)でアカデミー主演女優賞を受賞し、イタリア女優として初の快挙を達成しました。彼女の情熱的かつ自然体の演技は、国際的な評価を得ました。

1970年代~1980年代:多様化とジャンル映画の隆盛

1970年代以降、イタリア映画はコメディ、ホラー、犯罪映画などジャンル映画が主流となりました。ポリティカル・シネマも盛んで、社会問題を扱った作品が注目されました。一方で、芸術映画もフェリーニやベルトルッチらによって継続され、国際的な評価を維持しました。

  • アマルコルド(1973年、監督:フェデリコ・フェリーニ):少年時代の郷愁を描いた自伝的映画。マガリ・ノエルが魅力的な脇役で登場し、フェリーニの色彩豊かな世界を彩った。
  • サスペリア(1977年、監督:ダリオ・アルジェント):ホラー映画の傑作。ジェシカ・ハーパーが主演し、鮮烈な映像美と緊張感でカルト的な人気を得た。イタリアホラーの代表作として知られる。
  • ラストエンペラー(1987年、監督:ベルナルド・ベルトルッチ):国際的な合作映画。ジョアン・チェンが清朝最後の皇帝の妃を演じ、繊細な演技で注目を集めた。

この時期の女優では、マガリ・ノエルやオルネラ・ムーティが活躍。ムーティはコメディやドラマで愛らしい魅力を見せ、イタリア映画の多様性を体現しました。ジャンル映画の隆盛により、女優の役割も多様化しました。

1990年代~現代:新たな才能とグローバル化

1990年代以降、イタリア映画はグローバル化の影響を受け、ハリウッドとの合作や国際映画祭での成功が目立ちました。インディペンデント映画や若手監督の台頭も顕著で、社会問題や個人の内面を描く作品が増えました。現代では、ストリーミングプラット・フォームの普及により、イタリア映画の配信も広がっています。

  • ライフ・イズ・ビューティフル(1997年、監督:ロベルト・ベニーニ):ホロコーストを背景にした感動的なコメディ。ニコレッタ・ブラスキがヒロインを演じ、ベニーニの妻としてのケミストリーが作品に温かみを加えた。
  • グレート・ビューティー(2013年、監督:パオロ・ソレンティーノ):現代ローマの退廃を描いた作品。サブリナ・フェリッリが脇役で登場し、妖艶な演技で印象を残した。
  • ドッグマン(2018年、監督:マッテオ・ガローネ):現代社会の闇を描いた犯罪ドラマ。女優エレナ・リエッティが脇役で出演し、リアリスティックな演技で作品に深みを加えた。

現代の女優では、ニコレッタ・ブラスキやマルゲリータ・ブイが活躍。ブイは『ミア・マードレ』(2015年)などで内省的な演技を見せ、新世代のイタリア映画を牽引しています。イタリア映画は、伝統と革新を融合させつつ、ទ 世界的な評価を得ています。

まとめ

イタリア映画史は、無声映画のスペクタクルからネオリアリズモ、黄金期の芸術映画、ジャンル映画、そして現代の多様な作品まで、豊かな発展を遂げました。フランチェスカ・ベルティーニ、アンナ・マニャーニ、ソフィア・ローレン、オルネラ・ムーティ、モニカ・ヴィッティ、ジュリエッタ・マシーナなどの女優たちは、各時代で独自の魅力を発揮し、世界にイタリア映画の名を広めました。現代では、グローバル化の中で新たな才能が活躍し、イタリア映画は進化を続けています。

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