ハン・ジュリ(韓蛛俐)は『ストリートファイターIV』で初登場した韓国のテコンドー使い。享楽的で残忍、相手を破壊することを喜びとする。左目を奪ったベガへの復讐を原動力に戦うが、現在は動機を失い鬱屈した日々を送る。
生い立ち・教育
ハン・ジュリ(韓蛛俐/한주리)は韓国出身の架空の人物で、『ストリートファイター』シリーズにおける初の韓国人キャラクターとして知られています。彼女の生い立ちは、過酷な過去に彩られています。幼少期、ジュリは家族とともに平穏な生活を送っていましたが、犯罪組織シャドルーの総帥であるベガによってその生活は一変します。ベガの手により両親を殺され、自身も左目を奪われるという悲劇に見舞われました。この出来事は、ジュリに深いトラウマと復讐心を植え付け、彼女の人生を大きく方向づけることとなりました。この過酷な経験が、彼女の残忍で享楽的な性格を形成する要因となったと考えられます。
教育面に関しては、ジュリの公式な学歴や学校教育に関する詳細な情報はゲーム内で明示されていません。しかし、彼女の戦闘スタイルであるテコンドーの達人であることから、幼少期から厳しい武術の訓練を受けたことが推察されます。テコンドーは韓国の国技であり、ジュリはその技術を極めており、流れるような足技と独特の戦闘スタイルを披露します。彼女の戦闘技術は、単なるスポーツの域を超え、戦場での実戦的な応用を可能にするレベルに達しています。この技術は、彼女がシャドルーの一員として活動する中でさらに磨かれたものと考えられます。また、左目に埋め込まれた「風水エンジン」というデバイスは、彼女の戦闘能力を飛躍的に向上させるものであり、技術的な知識やその運用に関する教育も受けた可能性があります。このデバイスは、S.I.N.(シャドルーの武器開発部門)によって開発されたもので、ジュリがその実験体として選ばれた背景には、彼女の優れた身体能力と精神的な強さが関係しているかもしれません。
ジュリの生い立ちと教育は、彼女の復讐心と戦闘技術に深く根ざしており、彼女のキャラクター性を理解する上で重要な要素です。過酷な過去とテコンドーの訓練が、彼女を冷酷かつ魅力的なファイターに仕立て上げました。
経歴
ジュリは『スーパーストリートファイターIV』(2010年)で初登場し、シャドルーの武器開発部門であるS.I.N.の構成員として活動を開始しました。コードネーム「スパイダー」を持ち、セスの懐刀として暗躍します。彼女の任務は、シャドルーの利益のために戦い、敵対者を排除することでした。
『スーパーストリートファイターIV』の特典アニメ(OVA)では、春麗、ガイル、キャミィといった主要キャラクターと戦い、勝利を収める姿が描かれており、彼女の戦闘力の高さが強調されています。彼女の戦闘スタイルは、テコンドーを基盤とした素早い足技と、風水エンジンによる強化された攻撃が特徴で、敵を圧倒するスピードと破壊力を兼ね備えています。
『ストリートファイターV』では、ジュリの物語は新たな展開を見せます。紫と黒のライダースーツを身にまとい、バイクを乗り回す姿で登場。シャドルー壊滅を目指すヘレンからの協力を拒否し、独自の目的を追求します。ベガとの戦いで再び風水エンジンを奪われますが、S.I.N.研究所跡地で「風水エンジン type a」を入手し、シャドルーとの戦いに挑みます。この戦いを通じて、ジュリはヘレンの仲間となり、新たな戦いの予感を抱きます。彼女の行動原理は、復讐心と快楽主義に基づいており、ルールや協力を嫌う自由奔放な性格が強調されています。
『ストリートファイター6』では、ベガの倒滅により復讐という動機を失ったジュリが、鬱屈した日々を送る姿が描かれます。彼女の戦闘スタイルはさらに洗練され、風破ストックを活用した戦略的な立ち回りが求められるキャラクターとして進化しました。
また、SNKの『餓狼伝説』シリーズからのゲストキャラクター、不知火舞との絡みも描かれ、彼女の挑発的な性格が引き続き強調されています。ジュリの経歴は、シャドルーとの関わりから始まり、復讐心を失った後の新たな目的を見出す過程へと移行しており、彼女の複雑な内面と成長が伺えます。
私生活
ジュリの私生活については、ゲーム内で詳細に描かれることは少なく、謎に包まれた部分が多いキャラクターです。彼女の公式プロフィールによると、好きなものは辛い食べ物、蜘蛛、巨乳であり、嫌いなものは「ノリの悪いヤツ」と「ルール」です。これらの情報から、ジュリは自由奔放で刺激を求める性格であることが伺えます。彼女の享楽的でサディスティックな性格は、私生活においても戦闘と同じくルールや規範に縛られない生き方を好むことを示唆しています。
ゲーム外の二次創作や公式のショート漫画『がんばれジュリちゃん』では、ジュリのコミカルな一面や愛されキャラとしての側面も描かれています。特に『ストリートファイター6』のワールドツアーモードや漫画では、彼女が妙な目に遭ったり、春麗や不知火舞といった他のキャラクターとの絡みでユーモラスな一面を見せたりします。これにより、ジュリの冷酷な戦闘スタイルとは対照的な、親しみやすい一面が垣間見えます。しかし、彼女の私生活の詳細、例えば住居や日常の過ごし方、友人関係などはほとんど明らかにされておらず、彼女の孤高な性格を反映しているとも言えます。
ジュリの左目に埋め込まれた風水エンジンは、彼女の私生活にも影響を与えている可能性があります。このデバイスは戦闘能力を強化する一方で、彼女の身体や精神に負担をかけているかもしれません。彼女の挑発的な言動や蠱惑的な振る舞いは、こうした過酷な境遇から生まれる防衛機制や、自己主張の手段なのかもしれません。ジュリの私生活は、彼女の戦闘における破壊衝動と同様に、予測不可能で自由なものと推測されます。
出演作品
ジュリは以下の『ストリートファイター』シリーズおよび関連作品に登場しています。
- スーパーストリートファイターIV(2010年):初登場作品。S.I.N.の構成員としてセスを支え、春麗やガイルらと戦う。特典OVAでは主要キャラクターを圧倒する姿が描かれる。
- ストリートファイター X 鉄拳(2012年):カプコンとバンダイナムコのクロスオーバー作品。ジュリはテコンドーを駆使し、独特の戦闘スタイルで参戦。風水エンジンを活用した技も披露。
- ストリートファイターV(2016年):DLCキャラクターとして登場。ライダースーツ姿でバイクを乗り回し、シャドルー壊滅を目指す物語が展開。風水エンジンの奪還と新たな戦いが描かれる。
- ストリートファイター6(2023年):復讐の動機を失ったジュリが登場。風破ストックを活用した戦闘スタイルが特徴。『がんばれジュリちゃん』などのショート漫画でコミカルな一面も見せる。
- プロジェクトクロスゾーン2(2015年):クロスオーバーRPGにゲスト参戦。デミトリ主催のパーティーに参加するなど、ユニークな絡みが描かれる。
また、ジュリはフィギュアやイラストなどの関連商品にも登場し、ファンアートやpixivでのイラスト、小説でも人気を博しています。特に『ストリートファイター美少女』シリーズのフィギュア(コトブキヤ)は、彼女の蠱惑的な魅力を強調したデザインで好評です。ジュリのキャラクターは、ゲーム内外で多様なメディアを通じて愛され続けています。
レビュー 作品の感想や女優への思い