キム・ヨナ（김연아）は1990年生まれの大韓民国のフィギュアスケート選手。女子シングルで活躍し、2010年バンクーバー冬季オリンピック金メダリストとして知られています。技術と芸術性を兼ね備えた演技で世界を魅了し、スーパースラムを達成。ジュニア時代から無敗の快挙を続け、2014年ソチ五輪銀メダル獲得後に引退しました。
プロフィール
- 名前：キム・ヨナ（김연아）
- 生年月日：1990年9月5日（35歳）
- 出生地：大韓民国・京畿道富川市
- 出身校：高麗大学校
- 身長：164cm
選手情報
- 代表国：大韓民国
- カテゴリー：女子シングル
- 所属クラブ：AT Sports（朝鮮語）
- 開始：1996年
- 引退：2014年2月20日
- 最高WS：1位（2008–09、2009–10）
- ISUサイト：バイオグラフィ
生い立ち・教育
キム・ヨナ（김연아）は、1990年9月5日、韓国の京畿道富川市で生まれました。本貫は慶州金氏で、家族構成は両親と3歳年上の姉です。幼少期に軍浦市へ移住し、地元の道蔵中学校、修理高校で学びました。2009年3月からは高麗大学校に在籍し、学業と競技を両立しました。カトリック教徒で、洗礼名はステラ。2022年10月には声楽家のコ・ウリムさんと結婚。
家庭は経済的に裕福ではありませんでしたが、両親はスケート留学の費用を惜しまず支援しました。特に母親のパク・ミヒさんは、運転手、マッサージ師、コーチ、英語教師として、一日16時間に及ぶ練習に付き添い、ヨナさんの成長を支え続けました。小学校6年生の頃、練習の厳しさや足首の靭帯損傷、父親の会社の経営悪化から、スケートを辞めようかと悩まれた時期もありました。しかし、2003年の韓国選手権で12歳の最年少優勝を果たし、「神童」と称賛されるようになりました。この頃から、彼女の才能が開花し始め、周囲の期待も高まりました。
スケートを始めたきっかけは、7歳の時、姉御さんと一緒に訪れたスケートリンクです。当初は遊び感覚でしたが、コーチの目に留まり、本格的なトレーニングを開始しました。初期の練習は非常に過酷で、朝5時からの氷上練習、夜遅くまでの筋力トレーニングが日常でした。母親の献身的なサポートがなければ、ここまで到達できなかったとヨナ自身も語っています。教育面では、競技優先のためホームスクーリングも取り入れられ、高校時代には成績優秀で奨学生として認められました。高麗大学校では体育学部に所属し、卒業論文ではフィギュアスケートの技術分析をテーマに研究しました。このように、生い立ちから教育まで、家族の支えと本人の努力が融合した環境が、彼女の成功の基盤を築きました。
経歴
キム・ヨナのフィギュアスケート経歴は、5歳でスケートを始め、7歳でコーチから才能を認められたところから本格化しました。2002年のトリグラフトロフィーノービスクラスで国際競技会初優勝を飾り、ジュニア時代にはISUジュニアグランプリ（JGP）で輝かしい成績を収めました。2004-2005シーズン、JGPブダペストで優勝し、JGPファイナルと世界ジュニア選手権で2位に輝きました。翌2005-2006シーズンにはJGPスケートスロバキア、ソフィア杯、JGPファイナルで連勝、世界ジュニア選手権でも初優勝を果たしました。この頃の彼女は、ジャンプの安定性とスピンの美しさで注目を集めました。
シニアデビューとなった2006-2007シーズン、グランプリ（GP）シリーズのエリック・ボンパール杯で初優勝、GPファイナルでも初出場初優勝を達成しました。しかし、腰痛の影響で韓国選手権や冬季アジア大会を欠場するなど、怪我との闘いもありました。2007年初頭からはカナダ・トロントを拠点に、ブライアン・オーサーコーチに師事。デヴィッド・ウィルソンによる振付やトレイシー・ウィルソンの指導を受け、技術と表現力を大幅に向上させました。この移籍が、彼女のキャリアの転機となりました。
2008-2009シーズン、腰痛と股関節痛が完治し、GPスケートアメリカ、スケートカナダで連勝。GPファイナルで2連覇、世界選手権では初優勝を飾り、女子シングルで初めて総得点200点台を記録しました。2010年バンクーバー五輪では、ショートプログラム（SP）で史上最高の72.28点、フリースケーティング（FS）で130.66点をマークし、金メダルを獲得。韓国初のフィギュア金メダルとして国民的英雄となりました。この演技はギネス世界記録にも登録されました。2011年世界選手権で銀メダル、2013年世界選手権で4年ぶり2度目の優勝を果たしましたが、2014年ソチ五輪ではSP首位からFSでアデリナ・ソトニコワ選手に逆転され銀メダル。大会直後に引退を表明しました。
彼女の経歴の特徴は、無敗のジュニア時代と、スーパースラム（GPファイナル、世界選手権、四大陸選手権、オリンピック全て優勝）の達成です。2009年四大陸選手権金メダル、GPファイナル3回優勝など、安定したパフォーマンスで「女王」と呼ばれました。引退後も、後進の指導やスケート振興に尽力しています。この輝かしい経歴は、努力と才能の結晶であり、世界フィギュア史に刻まれました。
私生活
キム・ヨナの私生活は、競技中心ながらも家族や信仰を大切にしています。カトリック教徒として、洗礼名ステラを持ち、毎日の祈りを欠かさないそうです。2010年4月、母親のパク・ミヒが代表取締役を務めるマネジメント会社「オール・ザッツ・スポーツ（AT SPORTS）」を設立し、株主として参画。競技外では、後輩選手の強化・育成活動や慈善活動に積極的に取り組みました。賞金や寄付を通じて、フィギュアスケートの普及に貢献しています。
2010年7月からはユニセフ親善大使を務め、子どもたちの権利擁護に尽力。2011年7月の国際オリンピック委員会総会では、平昌冬季五輪招致の最終プレゼンテーションで感動的なスピーチを行ない、招致成功に大きく寄与。2018年平昌五輪招致委員会の広報大使としても活躍し、スペシャルオリンピックスの広報大使を務めました。2011年5月からは、バラエティ番組「キム・ヨナのKiss & Cry」の司会を担当し、メディア露出を増やしました。
プライベートでは、2022年10月、声楽グループForestellaのメンバー、コ・ウリムと結婚。非公開の式で、親しい関係者のみが出席しました。結婚後、ヨナは公の場で「新しい人生のスタート」と喜びを語られ、夫婦で音楽とスケートのコラボレーションを夢見ています。趣味は読書と旅行で、引退後は韓国国内の慈善イベントに頻繁に参加。母親との絆は深く、家族旅行を大切にしています。このように、私生活では謙虚で温かな一面をもち、国民から愛され続けています。
出演作品
キム・ヨナは引退後も、多様なメディアやアイスショーで活躍。以下に、主な出演作品を挙げます。
- アイスショー「スーパースターズ・オン・アイス」（2006年9月、大韓民国、現代カード提供）：ゲストスケーターとして華麗な演技を披露し、観客を魅了しました。
- アイスショー「ドリーム・オン・アイス」（2007年7月、日本）：国際的なステージで、日本のファンに美しいプログラムを届けました。
- アイスショー「第18回マリポーサチャリティーガラショー」（2007年8月、カナダ）：慈善目的のショーで、情感豊かなスケーティングを披露。
- アイスショー「フェスタ・オン・アイス」（2008年5月、大韓民国、KCCスウィチェン提供）：国内ファン向けにエネルギッシュなパフォーマンス。
- アイスショー「エンジェルス・オン・アイス」（2008年12月、大韓民国、国民銀行提供）：クリスマスシーズンに天使のような優美な演技。
- アイスショー「オールザットスケートサマー2010」（2010年7月、大韓民国、サムスンハウゼン提供）：五輪金メダル後の初ショーで、感動のプログラム。
- アイスショー「オール・ザット・スケートロサンゼルス」（2010年10月、アメリカ、大韓航空提供）：海外公演でグローバルな魅力を発揮。
- アイスショー「オール・ザット・スケートスプリング2011」（2011年5月、大韓民国、KCCスウィチェン提供）：春の訪れを象徴する軽やかな演技。
- アイスショー「オール・ザット・スケートスプリング2012」（2012年5月、大韓民国、E1提供）：継続的な人気を証明する満員の公演。
- アイスショー「オール・ザット・スケート2013」（2013年6月、大韓民国、サムスンギャラクシー提供）：世界選手権優勝後の凱旋ショー。
- アイスショー「オール・ザット・スケート2014」（2014年5月、大韓民国、サムスンギャラクシー提供）：引退前のラストパフォーマンスとして感動を呼ぶ。
- テレビ番組「キム・ヨナのKiss & Cry」（2011年5月～、韓国SBS）：司会者として、フィギュアスケートの魅力を視聴者に伝えるバラエティ番組。
- CM「IVY Club」（CJグループ、学校制服）：清純なイメージで学生向けに登場。
- CM「夏の少年と冬の少女」（国民銀行、企業イメージ）：季節の対比を活かした感動的なストーリーCM。
- CM「シャフラン」（LG生活健康、液状柔軟剤）：柔らかなタッチを表現した家庭向け広告。
- CM「アイシス」（韓国ロッテ）：爽やかなアイスクリームの魅力をアピール。
- CM「ハイジニ」（LG電子、浄水器）：清潔さと信頼性を象徴する出演。
- 書籍『キム・ヨナ自伝 飛べ、ヨナ』（2010年、出版）：自身の半生を綴った感動の自伝。
- 書籍『ヨナのキス&クライ』（2011年、出版）：番組連動のエッセイ集。
- ユニセフ親善大使活動（2010年7月～）：子ども支援のドキュメンタリー映像出演。
これらの出演作品を通じて、キム・ヨナはスケートの枠を超え、エンターテイナーとして多角的な活躍を続けています。アイスショーでは常に新しいプログラムを開発し、CMではその美貌と品格がブランド価値を高めました。書籍では内面的な思いを共有し、ファンとの絆を深めています。引退後も、こうした活動が彼女の影響力を維持しています。
レビュー 作品の感想や女優への思い