韓国映画『ミスGO』（2012年）は、対人恐怖症の女性が巨大犯罪に巻き込まれ、犯罪の女王へと変貌する過程を描いたアクション・コメディ。コ・ヒョンジョン主演で、ユーモアとスリルが交錯する痛快な物語が展開される。
基本情報
- 邦題：ミスGO
- 原題：미쓰GO
- 公開年：2012年
- 製作国：韓国
- 上映時間：115分
- ジャンル：アクション、コメディ
見どころ
『善徳女王』のコ・ヒョンジョンが、対人恐怖症の犯罪女王を熱演。『三食ごはん』などバラエティでも活躍する実力派、ユ・ヘジンが初挑戦した恋愛シーンにも注目。
女優の活躍
『ミスGO』は、韓国を代表する女優、コ・ヒョンジョンが主演を務める作品で、彼女の演技力が本作の大きな魅力の一つです。コ・ヒョンジョンは、対人恐怖症に悩む気弱な漫画家チョン・スロを演じ、コミカルでありながらも次第に強い女性へと成長する姿を見事に表現しています。彼女はこれまで、ホン・サンス監督作品など文芸的な役柄で知られていましたが、本作では軽快でコミカルなヒロイン像を披露。特に、困り顔やパニックに陥る表情から、犯罪の渦中で冷静さを取り戻す変化を見せる演技は、観客を引き込む力があります。彼女の自然体でありながらも感情豊かな演技は、コミカル・クライム・アクションというジャンルに新たな魅力を加えています。また、脇を固める俳優陣との掛け合いも見どころで、コ・ヒョンジョンはユ・ヘジンやソン・ドンイルといった個性派俳優たちと息の合った演技を見せ、物語に深みを与えています。彼女の存在感は、映画全体のテンポを支え、観客に笑いと感動を提供します。
女優の衣装・化粧・髪型
コ・ヒョンジョンの衣装、化粧、髪型は、チョン・スロのキャラクターの心情や成長を反映する重要な要素です。物語の序盤、対人恐怖症の漫画家として登場するスロは、地味で控えめな服装が特徴です。カジュアルなスウェットやゆったりしたシャツ、シンプルなパンツといった日常的な衣装は、彼女の内向的で社会との関わりを避ける性格を強調しています。化粧もほぼナチュラルで、薄いファンデーションと淡いリップのみが施され、素朴な印象を与えます。髪型は、肩にかかる程度のストレートヘアで、特別な装飾はなく、彼女の平凡な生活を象徴しています。
物語が進むにつれ、スロが犯罪に巻き込まれ、徐々に自信をつけていく過程で、衣装やメイクにも変化が見られます。中盤以降、彼女はより活動的なシーンに対応するため、動きやすいジャケットやジーンズを着用し、アクションシーンでの機敏さを表現。化粧も、目元に軽いアイラインやマスカラが加わり、彼女の決意や強さを視覚的に示します。髪型も、ポニーテールや軽くウェーブのかかったスタイルに変化し、アクティブで大胆なキャラクターへの変貌を印象づけます。終盤では、犯罪の女王としての貫禄を出すため、シックなブラックの衣装やアクセサリーが登場し、彼女の成長を象徴。全体的に、衣装・化粧・髪型の変化は、チョン・スロの内面的な成長とリンクしており、視覚的なストーリーテリングとして効果的に機能しています。
あらすじ
『ミスGO』は、気弱で対人恐怖症の漫画家チョン・スロ（コ・ヒョンジョン）が、ひょんなことから巨大な犯罪に巻き込まれる物語です。スロは、唯一心を許していたルームメイトが海外留学へ旅立つ際、空港で見送る途中でパニック発作を起こし失神。介抱してくれた尼僧から荷物を預かりますが、その尼僧は実は犯罪組織の取引仲介役「ミスGO」でした。預かった荷物が原因で、スロはヤクザ、犯罪実業家、悪徳警官が絡む500億ウォンを巡る犯罪の渦に巻き込まれます。不審な警察官（ユ・ヘジン）、犯罪組織のボス（ソン・ドンイル）、麻薬密売人（イ・ムンシク）らと対峙しながら、彼女は次第に危機を乗り越える力を身につけます。トップスパイとのロマンスも絡み合い、スロは自らを「犯罪の女王」として覚醒させ、敵と対抗する運命に立ち向かいます。コミカルな展開とスリリングなアクションが織り交ぜられ、彼女の成長と逆転劇が描かれます。
解説
『ミスGO』は、コミカル・クライム・アクションというジャンルを軸に、主人公の内面的な成長とユーモアを融合させた作品です。原作はキム・ソルの長編小説『ゲームオーバー:スロ・ウイルス』で、ストーリーは特別な新機軸はないものの、韓国映画特有のテンポの良さと個性派俳優陣の魅力で楽しめる仕上がりになっています。 特に、コ・ヒョンジョンが演じるチョン・スロのキャラクターは、平凡な女性が極端な状況に置かれることで成長する姿を描く典型的なヒーロージャーニーでありながら、彼女の対人恐怖症という設定が独自の深みを加えています。映画は、コミカルな要素とアクションのバランスが絶妙で、ユ・ヘジンのハードボイルドな潜入捜査官やイ・ムンシクのフグを武器にするヤクザなど、脇役たちの個性的な演技が物語を盛り上げます。
本作は、韓国のエンターテインメント業界の層の厚さを感じさせる作品でもあります。ソン・ドンイルやパク・シニャンといった実力派俳優が脇を固め、彼らの存在感がコメディとシリアスの両方を引き立てます。監督のパク・チョルグァンは、テンポの速い展開と視覚的なユーモアを駆使し、観客を2時間飽きさせません。テーマとしては、逆境の中での自己発見や、弱さから強さへの変貌が描かれており、観客に勇気と笑いを与える作品となっています。
キャスト
- チョン・スロ：コ・ヒョンジョン（対人恐怖症の漫画家で、犯罪に巻き込まれ成長する主人公）
- 潜入捜査官：ユ・ヘジン（ハードボイルドな警察官、スロを助けるキーパーソン）
- 犯罪組織のボス：ソン・ドンイル（強烈な存在感で物語を牽引）
- ヤクザ：イ・ムンシク（フグを武器に使う個性的な悪役。
その他、コ・チャンソク、イ・ウォンジョン、チン・ギョン、ハ・ジェスク（脇を固める実力派俳優たち）
スタッフ
- 監督：パク・チョルグァン
- 原作：キム・ソル（『ゲームオーバー:スロ・ウイルス』）
- 脚本：情報なし（監督が脚本も兼任の可能性あり）
補足
『ミスGO』は、韓国映画の特徴である個性派俳優のアンサンブルと、コミカルな展開にアクションを織り交ぜたエンターテインメント性の高い作品です。コ・ヒョンジョンの魅力が全開で、彼女のファンだけでなく、気軽に楽しめるアクション・コメディを求める観客にもおすすめです。視聴はHulu、U-NEXT、Prime Videoで可能です。
レビュー 作品の感想や女優への思い