『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』(2020年)はマーガレット・クアリーとシガニー・ウィーバーが共演する青春ドラマ。カナダ、アイルランド合作。ジョアンナ・ラコフの自叙伝を基にした作品で、90年代のニューヨークの文芸界を背景にしています。伝統的な出版業界と、若者の野心が交錯する点が魅力です。
基本情報
- 邦題:マイ・ニューヨーク・ダイアリー
- 原題:My Salinger Year
- 公開年:2020年
- 製作国・地域:カナダ、アイルランド
- 上映時間:101分
- ジャンル:ドラマ
マイ・ニューヨーク・ダイアリー 予告編 #1 (2021) | Movieclips Indie
女優の活躍
映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』で主人公ジョアンナを演じるマーガレット・クアリーは、彼女のデビュー間もない時期に注目を集めた存在です。ジョアンナの内面的な葛藤や成長を、大きな瞳で表現豊かに描き出しています。彼女の演技は純粋で繊細で、観る者に感情移入を促します。特に、ファンレターを読むシーンでは、ジョアンナの共感と迷いが自然に伝わってきます。
また、クアリーは本作を通じて、ニューヨークの文芸界という独特の環境で生きる若者の姿を体現しています。彼女の活躍は、後の作品である『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でのブレイクにつながる基盤となりました。クアリーの魅力は、ジョアンナの野心と脆弱さをバランスよく演じ分けている点にあります。彼女の表情一つで、物語のニュアンスが変わるほどです。
一方、上司マーガレットを演じるシガニー・ウィーバーは、ベテランらしい安定した演技を見せています。厳格で現実的なマーガレットを、時にユーモラスに、時に温かく描き出します。ウィーバーの活躍は、ジョアンナとの対比を強調し、物語に深みを加えています。彼女のコメディセンスが光るシーンが多く、観客を魅了します。
ウィーバーは、長年のキャリアで培った存在感を活かし、マーガレットの複雑な内面を表現しています。特に、ジョアンナとの会話シーンでは、師弟のような関係性が自然に築かれます。ウィーバーの演技は、映画のテーマである「自分探し」を支える重要な要素となっています。彼女の活躍により、本作は単なる青春物語を超えた深さを持っています。
二人の女優の共演は、世代を超えた女性の絆を描く点で秀逸です。クアリーの新鮮さとウィーバーの円熟味が融合し、観る者に感動を与えます。批評家からも、二人のパフォーマンスが高く評価されています。クアリーはジョアンナの若々しいエネルギーを、ウィーバーはマーガレットの知的な強さを、それぞれ見事に体現しています。
さらに、クアリーの活躍は、ジョアンナの声優的な要素、つまりサリンジャーの声を借りて手紙を書くシーンで際立っています。彼女の声のトーンが、物語の情感を高めます。ウィーバーも、電話でのサリンジャーとのやり取りで、プロフェッショナルな姿を披露します。二人の女優の活躍が、本作の成功の鍵となっています。
全体として、女優たちの活躍は、90年代のニューヨークの雰囲気を活気づけています。クアリーの自然体な演技とウィーバーの洗練された演技が、観客を引き込みます。この映画を通じて、二人の女優の才能が再確認されます。
女優の衣装・化粧・髪型
マーガレット・クアリー演じるジョアンナの衣装は、90年代のニューヨークらしいヴィンテージスタイルが特徴です。シンプルなブラウスやスカートを組み合わせ、作家志望の若者らしいカジュアルさを演出しています。彼女の衣装は、物語の進行とともに少しずつ洗練されていきます。最初は素朴なワンピースが多く、後半ではプロフェッショナルなジャケット姿が増えます。
クアリーの化粧は、自然で控えめです。大きな瞳を活かした軽いアイメイクと、ナチュラルなリップが、ジョアンナの純粋さを強調します。髪型は、ボブヘアが基調で、時にはポニーテールにまとめ、忙しい日常を表しています。彼女の髪型は、シーンによって微妙に変化し、感情の揺れを視覚的に表現します。
シガニー・ウィーバー演じるマーガレットの衣装は、クラシックでエレガントです。高級感のあるスーツやブラウスを着用し、出版界のベテランらしい威厳を醸し出しています。色調は落ち着いたトーンが多く、ジョアンナの明るい衣装との対比が際立ちます。ウィーバーの衣装は、物語のテーマである伝統と革新を象徴します。
ウィーバーの化粧は、プロフェッショナルで洗練されています。控えめなファンデーションと、シャープなアイラインが、マーガレットの厳格さを強調します。髪型は、ショートヘアが特徴で、常に整えられ、彼女の現実的な性格を反映しています。髪型のスタイリングは、賞を受賞するほど精巧です。
全体の衣装デザインは、パトリシア・マクニールとアン・ロスが担当し、カナディアン・スクリーン・アワードで最優秀衣装デザインにノミネートされました。化粧と髪型は、ミシェル・コテが手がけ、最優秀ヘアスタイリング賞を受賞しています。これらの要素が、女優たちの活躍をより引き立てます。
ジョアンナの衣装は、ブルックリンのアパートでのカジュアルなものから、マンハッタンのオフィスでのフォーマルなものまで多岐にわたります。クアリーの自然な美しさが、衣装を通じて際立ちます。ウィーバーの衣装は、時代を超えたタイムレスな魅力があります。化粧は、両者とも最小限で、キャラクターの内面を優先します。
髪型については、クアリーのボブは柔らかく、ウィーバーのショートはシャープです。これにより、師弟関係が視覚的に強調されます。衣装・化粧・髪型の工夫が、映画のリアリティを高めています。
あらすじ
1995年、作家を目指すジョアンナは、大学院を中退し、ニューヨークに移住します。友人ジェニーのアパートに居候しながら、出版エージェンシーの面接を受けます。そこで、J.D.サリンジャーを担当するマーガレットの助手に採用されます。ジョアンナは、サリンジャーの著作を読んだことがなく、最初は戸惑います。
オフィスは伝統的で、コンピューターを使わず、タイプライターが主流です。ジョアンナの主な仕事は、世界中から届くサリンジャーへのファンレターに、定型文で返信することです。手紙の内容は、10代の若者から退役軍人まで多岐にわたり、ジョアンナの心を揺さぶります。
ジョアンナは、ジェニーのアパートを追い出され、作家志望の恋人ドンと同居を始めます。しかし、ドンとの関係は次第にぎくしゃくします。一方、ジョアンナはファンレターに個人的に返信し始めます。特に、ウィンストン・セーラムの少年への手紙が、問題を引き起こします。
マーガレットの恋人ダニエルが自殺し、マーガレットはジョアンナに信頼を寄せます。ジョアンナは、サリンジャーの短編「ハプワース16、1924」の出版交渉を手伝います。ワシントンD.C.で出版社と会い、元恋人カールのコンサートを訪れますが、復縁はしません。
ドンがジョアンナを結婚式に連れて行かず、ジョアンナは関係を終わらせます。彼女は初の書籍売却に成功し、昇進しますが、辞表を提出します。マーガレットはジョアンナの成長を認めます。最後に、ジョアンナはサリンジャーと対面し、自分の道を歩み始めます。
ジョアンナは詩をニューヨーカーに投稿し、ブルックリンのアパートに戻ります。物語は、彼女の自己発見の旅を描きます。
解説
『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』は、ジョアンナ・ラコフの自叙伝を基にした作品で、90年代のニューヨークの文芸界を背景にしています。伝統的な出版業界と、若者の野心が交錯する点が魅力です。監督のフィリップ・ファラルドーは、人間ドラマを得意とし、本作でも繊細な心理描写を展開します。
テーマは「自分探し」です。ジョアンナは、サリンジャーのファンレターを通じて、自分の声を見つけます。マーガレットとの関係は、師弟の絆を象徴し、女性のエンパワーメントを描きます。批評では、マーガレット・クアリーの演技が絶賛され、彼女の目が物語の情感を伝えます。
シガニー・ウィーバーのマーガレットは、現実的な視点を提供します。映画は、ユーモアと感動をバランスよく織り交ぜ、観客を魅了します。ロッテン・トマトでは71%の支持率で、平均的な評価を受けています。一部では、物語の深みが不足と指摘されますが、全体として心温まる作品です。
90年代の設定は、インターネットの黎明期を反映し、タイプライターの使用が象徴的です。ジョアンナの成長は、ファンレターの返信を通じて描かれ、観客に共感を呼ぶます。サリンジャーの存在は、物語の軸となり、彼の言葉がジョアンナのインスピレーションとなります。
本作は、『プラダを着た悪魔』のような師弟関係を描きつつ、文芸的な深みを加えています。カナダとアイルランドの合作で、モントリオールでの撮影がニューヨークの雰囲気を再現します。音楽や美術も、時代感を高めています。
全体として、夢を追う若者の物語として、多くの人に響きます。女性の視点から描かれた点が、新鮮です。
キャスト
- ジョアンナ:マーガレット・クアリー
- マーガレット:シガニー・ウィーバー
- ドン:ダグラス・ブース
- ジェニー:サーナ・カーズレイク
- ヒュー:ブライアン・F・オバーン
- ダニエル:コルム・フィオーレ
- ウィンストン・セーラムの少年:テオドール・ペレリン
- マックス:ヤニック・トゥルースデール
- カール:ハムザ・ハク
- パム:レニ・パーカー
- 配置エージェント:エレン・デイヴィッド
- Aを望む少女:ロマーヌ・デニ
- J.D.サリンジャー:ティム・ポスト
- マーク:ギャヴィン・ドレア
- クリフォード・ブラッドベリー:マット・ホランド
- レイチェル・カスク:ヘイリー・ケズバー
スタッフ
- 監督:フィリップ・ファラルドー
- 脚本:フィリップ・ファラルドー
- 原作:ジョアンナ・ラコフ
- 製作:リュック・デリー、キム・マクロー、スーザン・マレン、ルース・コーディ
- 製作総指揮:メアリー・ジェーン・スカルスキー、他
- 撮影:サラ・ミシャラ
- 編集:メアリー・フィンレイ
- 音楽:マルタン・レオン
- 美術:エリーズ・ドゥ・ブロワ
- 衣装デザイン:パトリシア・マクニール、アン・ロス
- ヘアスタイリング:ミシェル・コテ


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