スペインのバレンシア州で実際に起きた殺人事件を取り上げたページパトライクス事件では、このYouTube動画へのリンクが人気です。そこで、この動画を詳しく丁寧に解説していきます。
動画はこちらです。
動画の概要
このYouTube動画は、スペインの公共放送局であるÀ Punt Mèdiaが制作したドキュメンタリー番組「L’hora fosca」(暗黒の時間)のエピソードで、タイトルは「L’hora fosca – El crim de Patraix (Part 1)」。2021年9月23日にアップロードされ、現在までに約64万回以上の視聴回数を記録しています。
この動画は、スペインのバレンシア州で実際に起きた殺人事件「ページパトライクス事件」をテーマにした真実犯罪(true crime)シリーズの前編で、約30分程度の長さです。ナレーションは主にカタルーニャ語(またはバレンシア語)で行われ、インタビューや再現シーンを交えながら、事件の詳細をドラマチックに描いています。
動画の説明文では、事件を「Patraixの黒い未亡人」として紹介し、Netflixの映画『La viuda negra』(黒い未亡人)との関連を指摘しており、視聴者の好奇心を刺激する内容となっています。
パトライクス事件を扱ったページで、この動画へのリンクが人気を集めている理由として、事件のセンセーショナルな要素(計画的な殺人、金銭・性・嘘が絡む人間ドラマ)が挙げられています。同サイトでは、事件をスペインのトゥルー・クライム文化の文脈で分析し、メディアの過熱報道や社会的影響を詳述しており、この動画を事件の視覚的な入門編として推奨しています。サイトの解説によると、動画は事件の恐怖と背景を効果的に伝えるため、読者がさらに深く知りたくなるきっかけを提供しているそうです。
事件の背景(動画の基盤となる実話)
動画は、2017年8月16日にスペインのバレンシア市パトライクス地区で発生した実際の殺人事件を基にしています。被害者はアントニオ・ナバーロ・セルダン(当時35歳、エンジニア)で、妻のマリア・ヘスス・モレノ・カント(通称マヘ、看護師)とその愛人サルバドール・ロドリゴ・ラピエドラ(通称サルバ、病院の用務員)による計画殺人でした。動機は主に金銭的なもので、アントニオの生命保険金や遺産(推定数十万ユーロ)が狙われていたとされています。
裁判では、マヘがサルバを操って犯行を実行させたとして、マヘに22年の禁固刑、サルバに17年の禁固刑が言い渡され、2022年に確定しました。この事件はスペイン国内で大きな注目を集め、「パトライクスの黒い未亡人」としてメディアでセンセーショナルに扱われました。動画はこの事件の捜査過程を中心に描き、ジェンダー・バイオレンス(性暴力)の文脈やメディアの偏見を批判的に取り上げています。
動画の詳細な内容解説
動画はドキュメンタリー形式で、落ち着いたナレーション、専門家のインタビュー、犯罪現場の再現映像、電話傍受の音声などを織り交ぜて進行します。BGMとして緊張感を高める音楽(例: Kevin MacLeodの「Despair and Triumph」)が使用され、視覚的に暗く重い雰囲気を演出しています。以下に、動画の主な流れとキーシーンを時系列で丁寧に解説します。なお、内容は前編のため、事件の解決までは描かれず、捜査の初期段階と容疑者のプロフィールに焦点を当てています。
オープニングとテーマの導入(冒頭約5分)
動画は、番組の免責事項から始まります。「この番組は実在の事件に基づいていますが、制作側はインタビュー内容の責任を負いません」というテロップが表示され、真実犯罪の倫理的な側面を意識した作りです。
ナレーターが、日常のルーチンの中で突然起こる犯罪の恐怖を語り始めます。例えば、「普通の夫婦関係が一転して殺人に至る理由とは何か? 動機の謎に人々は魅了される」と説明し、スペインやバレンシア州での殺人事件の多くがジェンダー・バイオレンス(主に男性による女性への暴力)であることを指摘します。一方で、この事件は女性が主導した稀有なケースとして、メディアの過熱報道を批判的に触れます。「女性の犯罪は『黒い未亡人』のようなステレオタイプで描かれやすいが、それは性差別的だ」との指摘が印象的です。
事件のテーマとして、「愛の三角関係」「情熱による犯罪」「メディアの病的な興味」を挙げ、視聴者を引き込む導入部です。
事件発生と発見のシーン(約5〜10分)
2017年8月の暑い日、アントニオが休暇中だった朝に焦点を当てます。彼はバレンシアのカラモチャ通りにあるガレージで刺殺され、発見されます。再現映像では、遺体が仰向けに倒れている様子や、血痕が描かれ、視覚的に衝撃を与えます。
- 検死結果の詳細:6カ所の刺し傷(深さ13〜15cm)、心臓の破裂が死因。強盗の痕跡はなく、貴重品は無傷だったため、個人的な恨みによる犯行と推定されます。ナレーターは「過剰な暴力は、確実に殺すためのもの。単なる強盗ではない」と分析します。
- 妻マヘの最初の反応:警察の取り調べで、アントニオを「独占欲が強く、支配的だった」と描写しますが、彼女の態度は冷静で、取り調べ中にスマホでチャットしていたことが指摘されます。動画では、これを「悲しみのない未亡人」の典型例として強調し、視聴者の疑念を煽ります。
捜査の展開と証言(約10〜20分)
友人ロシオのインタビュー:マヘの不倫を暴露します。マヘは結婚後もパーティー好きで、5月にジョゼ(別の愛人)と出会い、並行関係を続けていたそうです。アントニオはこれを許容し、臆病で非暴力的だったと証言され、マヘの主張(アントニオが支配的)と矛盾します。
- 電話記録の分析:アントニオのWhatsAppから、彼がマヘに「手を上げないで」と抗議していたメッセージが公開され、逆のDV(ドメスティック・バイオレンス)を示唆します。借金やトラブルはなく、動機が不明瞭だったため、捜査はマヘの不倫にシフト。
- 傍受された電話のキーシーン:11月8日のマヘとサルバの会話が再現されます。サルバは病院で知り合った年上の男性で、マヘの「別の人生」の一部。会話は暗号めいた内容(例: 「あの件、どうなった?」)で、マヘが警察の捜査を恐れている様子が描かれます。これが逮捕のきっかけとなり、動画のクライマックスです。
- 家族や町民の反応:アントニオの故郷ノベルダでの葬儀シーンが挿入され、マヘが感情的な手紙を読む様子が映りますが、ナレーターは「演技か本心か?」と疑問を投げかけます。町の人々は事件にショックを受け、「マヘは操縦上手で、複数の人生を生きていた」と語ります。
4. 容疑者のプロフィールとテーマの深掘り(約20〜30分)
- マヘの心理描写:動画では彼女を「操縦的で不誠実、悪魔的な性格」と描き、複数の不倫相手を操っていた点を強調します。サルバは「控えめで従順な共犯者」として位置づけられ、二人の関係が事件の核心です。
- 社会的批判:ジェンダー・クライムの文脈で、女性犯罪者のステレオタイプ(例: 「黒い未亡人」)を問題視。メディアの報道が性差別を助長したと指摘し、視聴者に倫理的な考察を促します。
- エンディング:前編のため、逮捕の瞬間で終わり、後編へのつなぎとして「真相は次回に」と締めくくります。全体を通じて、フォレンジック(法医学)的要素(傷の分析、電話傍受)が詳細に解説され、真実犯罪ファンに満足感を与える作りです。
視聴のポイントとおすすめ
この動画は、単なる事件再現ではなく、犯罪の心理・社会的な側面を深く掘り下げる点が魅力です。特に、電話傍受の音声や再現映像が緊張感を高め、ドキュメンタリーとして質が高いです。
ただし、カタルーニャ語が主なので、字幕(自動生成の英語やスペイン語)を利用すると良いでしょう。
映画サイト「なむ語る」での人気は、こうしたリアリティが事件の文化的影響(Netflix映画化など)と結びつくためで、トゥルー・クライムに興味がある方には特におすすめです。もし後編や関連作品も知りたい場合、さらなる情報を共有できますので、お知らせください(^^)



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