ロザムンド・クワン(關之琳)は、香港出身の女優で、香港映画黄金期の代表的スター。満洲族グワルギャ氏の子孫で、ジャッキー・チェンやジェット・リーと共演した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズで知られます。2004年に女優業を引退し、不動産投資や慈善活動に注力。香港映画史に輝く美貌と演技力で、今も多くのファンに愛されています。
プロフィール
- 名前:ロザムンド・クワン(關之琳)
- 繁体字:關之琳
- 簡体字:关之琳
- 漢語拼音:Guān Zhīlín
- 粤拼:Gwaan1 Zi1lam4
- 出生名:關家慧(繁体字)、关家慧(簡体字)
- 生年月日:1962年9月24日(63歳)
- 出生地:英領香港
- 別名:之之
- 英語名:Rosamund Kwan
- 職業:女優、歌手
- 活動期間:1982年〜2005年
- 配偶者:王国旌(1981年 – 1982年)、陳泰銘(2014年 – 2015年)
- 親:關山、張冰茜
- 祖籍:中国遼寧省瀋陽市
生い立ち・教育
ロザムンド・クワン(關之琳)は、1962年9月24日、英領香港で生まれました。本名は關家慧で、満洲族の名門グワルギャ氏の子孫です。父親のは香港映画界の名優で、ショウ・ブラザーズのスターとして活躍。母親の張冰茜も上海出身の女優であり、芸能一家に育ちました。この環境が、彼女の女優への道を自然と開いたと言えます。幼少期は香港の九龍塘にある名門校、マリノール修道院学校(Maryknoll Convent School)に通い、英語と中国語のバイリンガル教育を受けました。学業は優秀でしたが、芸能界への興味が強く、17歳の若さで女優の道を選びました。正式な演技教育は受けていませんが、父親の影響と現場での経験を通じて演技を学び、独特の気品と魅力を開花させました。
経歴
ロザムンド・クワンの女優としてのキャリアは、1979年に香港のテレビ局ATVのドラマ『甜甜廿四味』(Agency 24)で始まりました。このデビュー作で彼女は清純な魅力を発揮し、注目を集めます。1982年、映画『真夜中のヘッドハンター/殺人の報酬』でチョウ・ユンファと共演し、映画界に進出。彼女の優雅な美貌と自然な演技は、瞬く間に観客の心をつかみました。同年、ジャッキー・チェン、サモ・ハン、ユン・ピョウと共演した『ドラゴンロード』や『七福星』で、コミカルな役柄を演じ、幅広い層から人気を得ました。
1980年代後半から1990年代にかけて、彼女は香港映画の黄金期を支えるトップ女優として活躍。特に、ジェット・リー主演の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」(黄飛鴻)シリーズ(1991年~1993年)での十三姨(十三姨役)は、彼女の代表作として知られ、知的で愛らしいヒロイン像を確立しました。このシリーズでは、ジェット・リーとの息の合った共演が話題となり、彼女の国際的な知名度を高めました。また、アンディ・ラウとも『カジノ・レイダース』(1989年)や『復讐のプレリュード 大冒険家』(1995年)など10本以上の作品で共演し、香港映画のスターたちとのケミストリーで観客を魅了しました。
ロザムンドは、アクション映画だけでなく、コメディやドラマでも多彩な演技を見せました。『スウォーズマン/女神伝説の章』(1992年)では、武侠映画の華やかな世界で存在感を発揮。彼女の美貌は映画に華を添え、シリアスな役から軽快な役まで柔軟にこなす演技力が高く評価されました。2004年の『愛さずにいられない』を最後に女優業を引退。引退の理由について、彼女は「女優業に疲れた」と語り、2010年のチャリティーイベントで正式に完全引退を宣言しました。引退後は不動産投資に成功し、総資産は20億台湾ドル(約56億円)に上ると報じられています。
私生活
ロザムンド・クワンの私生活は、華やかな芸能生活とは対照的に、比較的プライベートなものでした。1983年、21歳の時に香港の実業家と結婚しましたが、わずか1年で離婚。この短い結婚生活以降、彼女は再婚していません。2000年代には、香港のメディアで恋愛やスキャンダルが報じられることもありましたが、彼女自身は私生活を公に語ることを避け、控えめな姿勢を貫きました。
引退後は、不動産投資や慈善活動に注力。2010年の北京でのチャリティーイベントでは、自身の美貌が衰えていないと称賛されつつも、「良い印象を残して去りたい」と引退の決意を語りました。現在は香港を拠点に、ビジネスと慈善活動を通じて社会貢献を続けています。彼女の気品ある振る舞いと、映画界での輝かしいキャリアは、ファンにとって永遠の憧れです。
出演作品
ロザムンド・クワンの出演作品は、香港映画の多様なジャンルを代表するものとして知られています。以下は主要な作品の一部です。
- 真夜中のヘッドハンター/殺人の報酬(1982年)…チョウ・ユンファと共演した映画デビュー作。彼女の初々しい魅力が光るサスペンス映画。
- ドラゴンロード(1982年)…ジャッキー・チェン主演のアクションコメディで、若々しいヒロイン役を演じ、注目を集めました。
- 七福星(1985年)…ジャッキー・チェン、サモ・ハン、ユン・ピョウとの共演作。コミカルな演技で人気を博しました。
- プロジェクトA2 史上最大の標的(1987年)…ジャッキー・チェン主演の人気アクションシリーズで、ヒロイン役として存在感を示しました。
- カジノ・レイダース(1989年)…アンディ・ラウと共演したアクション映画。彼女の優雅な魅力がストーリーに深みを加えました。
- 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」(黄飛鴻、1991年~1993年)…ジェット・リー主演の武侠映画シリーズ。十三姨役で国際的な評価を受け、彼女の代表作となりました。
- スウォーズマン/女神伝説の章(1992年)…ジェット・リー、ブリジット・リンと共演した武侠映画。彼女の気品ある演技が際立ちました。
- 冒険王(1996年)…ジェット・リーとの再共演作で、冒険映画のヒロインとして活躍。
- 愛さずにいられない(2004年)…彼女の最後の映画出演作。引退前の集大成として、情感豊かな演技を見せました。
これらの作品は、アクション、武侠、コメディ、ドラマと幅広く、彼女の多才な演技力を証明しています。香港映画の黄金期を彩った彼女の出演作は、今も多くのファンに愛され続けています。
まとめ
ロザムンド・クワンは、香港映画の黄金期を代表する女優として、清純な美貌と多彩な演技力で観客を魅了しました。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズやジャッキー・チェン、アンディ・ラウとの共演作で、香港映画史に名を刻みました。2004年の引退後は、不動産投資や慈善活動に専念し、女優としての輝かしいキャリアを美しい記憶として残しました。彼女の優雅な存在感は、アジア映画の歴史に永遠に輝くでしょう。



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