Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)は、アメリカ合衆国の映画・テレビレビュー集約サイト。1998年にSenh Duongらにより設立され、批評家のレビューを基に「Tomatometer」スコアを算出。60%以上の肯定的レビューで「Fresh」、未満で「Rotten」と評価します。観客スコアも提供し、映画の品質指標として信頼されています。
現在はFandango Media所有で、月間数百万のユーザーが利用。批評の多様性を促進し、業界に影響を与えています。
以下では、Rotten Tomatoesの特徴、歴史、これまでの大きな出来事を丁寧に解説していきます。
特徴
レビュー集約システム
Rotten Tomatoesの最大の特徴は、レビュー集約システムです。主に「Tomatometer」と呼ばれる批評家スコアがあり、認定された批評家(映画批評家協会やギルド所属者)のレビューを集め、肯定的レビューの割合をパーセンテージで表示します。60%以上で赤いトマトの「Fresh」アイコン、未満で緑の潰れたトマトの「Rotten」アイコンが付与されます。
さらに、高品質コンテンツには「Certified Fresh」のシールが与えられ、これは75%以上のスコア、広範リリースの場合80件以上のレビュー(うち5件はトップ批評家から)、限定リリースの場合40件以上が必要です。テレビ番組の場合も同様で、シーズンごとに20件以上のレビューが必要です。
このシステムは、レビューの抜粋をリンク付きで掲載し、コンセンサス文(批評の要約)を追加することで、ユーザーが詳細を確認しやすくしています。
Popcornmeter(ポップコーン・メーター)
もう一つの特徴は、観客スコアの「Popcornmeter」です。2024年にリブランドされ、5つ星評価に基づき、60%以上の肯定的評価で「Hot」、未満で「Stale」と分類。90%以上の検証済みユーザー評価で「Verified Hot」バッジが付与されます。
2019年以降、観客レビューはFandango経由のチケット購入検証を必要とし、非検証レビューはスコアに反映されません。これにより、レビュー爆撃(意図的な低評価攻撃)を防いでいます。スコア表示には最低レビュー数が必要で、興行収入予測に基づき変動(例: 120百万ドル以上の映画は500件以上)。
2021年からは「What to Know」セクションが追加され、批評コンセンサスと観客の感想を簡潔にまとめています。
Golden Tomato Awards
その他の特徴として、Golden Tomato Awards(2000年から開催)があり、ジャンル別やリリース形態別(広範/限定)に最高の映画を表彰。ユーザー投票カテゴリもあり、レビュー数が一定以上の作品が対象です。APIを提供し、開発者がスコアを利用可能(米国中心)。
国際版は過去に存在しましたが、2016年の買収後、大半が廃止され、メキシコ版(Tomatazos)のみ存続。批評家の多様性を促進するため、2020年代に入り、 underrepresented voices(少数派の批評家)の基準を拡大しています。これにより、アジア系や女性批評家のレビューを積極的に取り入れ、偏りを減らしています。
批判点
批判点もあります。レビューを単純な二元論(Fresh/Rotten)に簡略化し、ニュアンスを失うと指摘され、監督のMartin ScorseseやBrett Ratnerらが「批評の個性を破壊する」と非難。2023年のスキャンダルでは、PR会社が批評家に報酬を支払いスコア操作を試みた事例が発覚し、信頼性に疑問を投げかけました。
しかし、これによりサイトは監視を強化し、透明性を高めています。全体として、映画ファンにとって欠かせないツールで、米国映画視聴者の3分の1が利用しています。
歴史
Rotten Tomatoesの歴史は、1998年にさかのぼります。創設者のSenh Duongは、カリフォルニア大学バークレー校の学生で、ジャッキー・チェンのファンでした。映画『Léolo』(1992年)のシーンに着想を得て、チェンの映画『Rush Hour』のレビューを集めるサイトを趣味で作成。Duongはベトナム系中国人の移民で、Design Reactorというスタートアップで働きながら、クラスメートのPatrick Y. LeeとStephen Wangと共に開発。最初はDuongのアパートから運営され、8月12日にローンチ。初日のアクセスは100件でしたが、NetscapeやYahoo!の掲載で急成長。1998年8月19日、Neil LaBute監督の『Your Friends & Neighbors』が最初のレビュー対象映画となりました。
1999年、Design Reactorと統合し、エメリービルにオフィス移転。2000年4月1日に正式ローンチし、RT Awards(後のGolden Tomato Awards)を開始。アジア系アメリカ人のチームが中心で、Wushuクラブのつながりから多様なスタッフを集めました。2001年、ベンチャーキャピタルから120万ドル調達しましたが、ドットコムバブル崩壊でスタッフを25人から7人に削減。給与カットやオフィス内生活で耐え、Google AdSense導入で2003年に回復。アジア系映画のプロモーションも積極的に行い、『Better Luck Tomorrow』(2002年)のリリースを支援、Justin Lin監督のキャリアを後押ししました。
2004年6月、IGN Entertainmentに買収(金額非公開)。これにより資金安定し、編集コンテンツを拡大。Tim RyanやJen Yamatoが加入し、オリジナル記事を作成。2005年9月、IGNがFox Interactive Media(News Corp.傘下)に買収。2007年、Matt Atchityが編集長に就任、オフィスをブリスベンに移転。国際展開も始め、UKとオーストラリア版をローンチ。
2010年1月、Flixsterに売却。コミュニティ機能が一部廃止されましたが、月間訪問者3000万人に成長。2011年、Warner Bros.がFlixsterを買収。2013年9月、TV Zoneを追加し、テレビ番組レビューを開始。テレビ番組『The Rotten Tomatoes Show』(2009-2011年)がCurrent TVで放送されました。
2016年2月、Fandango Media(Comcast傘下、後にVersantに)に売却。Warner Bros.は25%株式を保持。国際版の大半を廃止し、ビバリーヒルズに本社移転。2017年、Atchityが退職し、Facebookシリーズ『See It/Skip It』を開始。2018年3月、South by Southwestで新ロゴとデザインを発表。2020年、Webby People’s Voice Award受賞。
2021年、デザイン更新で「What to Know」セクション追加。2024年、観客スコアをPopcornmeterにリブランド。2025年4月、平均スコア(0-10スケール)を廃止。アジア系アメリカ人のルーツが、批評の多様性を重視する文化を形成し、現在も影響を与えています。
これまでの大きな出来事
Rotten Tomatoesの歴史には、数々の転機があります。まず、1998年のローンチ:ジャッキー・チェン映画のレビュー集約から始まり、初レビュー映画『Your Friends & Neighbors』で注目。1998年12月、『Star Trek: Insurrection』が初Tomatometer対象。
- 2001年のドットコム崩壊:スタッフ削減と財政危機を乗り越え、チームの結束が強まる。2003年、「Certified Fresh」スタンプ導入で評価システム強化。
- 2004年のIGN買収:安定成長の基盤。2006年、Kevin Smithがフォーラム参加でユーザー交流活発化。2007年、国際展開と編集体制強化。
- 2010年のFlixster売却と2011年のWarner Bros.買収:業界統合の象徴。2013年、TVレビュー開始でテレビ分野拡大。
- 2016年のFandango売却:所有権変更で国際版縮小、だがユーザー基盤拡大。2017年、『ジャスティス・リーグ』のスコア遅延で所有権批判。2018年、再ブランドで現代化。
- 2019年、検証済みレビュー導入:レビュー爆撃対策で信頼向上。例: 『キャプテン・マーベル』への攻撃を防ぐ。
- 2020年、Webby賞受賞。2021年、デザイン更新。2023年、スキャンダル:PR会社Bunker 15が批評家に報酬支払いスコア操作発覚。サイトはレビュー削除と警告で対応。
- 2024年、Popcornmeter導入と「Verified Hot」バッジ:観客評価刷新。2025年、平均スコア廃止でシンプル化。これらの出来事は、Rotten Tomatoesを批評集約の権威に押し上げましたが、操作や偏りの批判も生み、継続的な改善を促しています。


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