映画『この心亡き者』は2022年に公開された台湾映画で、不法移民労働者問題をテーマに据えたサスペンス・ミステリー。東南アジアからの労働者が直面する搾取や差別を、猟奇殺人事件を通じて描き、社会の暗部を浮き彫りにします。
川で身元不明の女性の変死体が発見されます。自殺を図ろうとしていた女性刑事の呉潔が、偶然現場に居合わせて捜査に加わります。違法移民労働者を狙った猟奇的な連続殺人事件の真相を追うなか、彼女の身に危険が迫ります。
基本情報
- 邦題:この心亡き者
- 原題:查無此心
- 英題:The Abandoned
- 公開年:2022年
- 製作国・地域:台湾
- 上映時間:104分
- ジャンル:サスペンス、ミステリー
女優の活躍
主演の張鈞甯は、台湾を代表する女優として長年活躍しています。彼女は1982年生まれで、国立台北大学法学部と国立中央大学産業経済大学院法律科を卒業した知的なバックグラウンドを持ちます。デビュー以来、ドラマや映画で多様な役柄を演じており、特にクールで知的な女性像が定評です。
この映画では、プロデューサーも兼任し、女性刑事の呉潔を演じています。恋人を失った絶望から立ち直ろうとする複雑な心理を表現し、体当たりのアクションシーンで存在感を発揮します。彼女の演技は、物語の緊張感を高め、観客を引き込む力があります。
これまでのキャリアでは、中国宮廷ドラマ「如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」で注目を集め、日本でもファンが増えました。近年は積極的にプロデュース業に取り組み、女優としての幅を広げています。この作品での活躍は、彼女のキャリアの新たな転機を示しています。
女優の衣装・化粧・髪型
張鈞甯演じる呉潔の衣装は、刑事らしい実用的なスタイルが中心です。シンプルなブラウスやシャツにパンツを合わせ、ジャケットを羽織る姿が多く、動きやすさを重視したデザインです。色調はダークトーンが多く、クールでプロフェッショナルな印象を与えます。
化粧はナチュラルメイクが基調で、薄いファンデーションに軽いアイラインとリップを施し、疲れた表情を強調するシーンではややくすんだトーンを加えています。これにより、精神的な苦痛を抱えるキャラクターの内面を視覚的に表現しています。
髪型はロングヘアをストレートに下ろすか、ポニーテールにまとめることが多く、捜査シーンでは髪を束ねて集中力を表します。アクションシーンでは乱れた髪がドラマチックさを増し、彼女の覚悟を感じさせるカットもあります。この映画の衣装とメイクは、台北映画祭で賞を受賞するほどのクオリティです。
あらすじ
女性刑事の呉潔は、恋人ヤンを自殺で失い、深い絶望に陥っています。毎晩、恋人の残した車内で眠り、自殺を考えていたある夜、川で身元不明の女性の変死体を発見します。この遺体は心臓をくり抜かれ、手首に傷跡がある猟奇的な状態でした。
呉潔は上司の命令でこの事件の捜査チームに加わり、新人刑事のリー・ヤーウェンとコンビを組みます。被害者は東南アジアからの違法移民労働者で、連続殺人の可能性が浮上します。捜査が進むなか、移民ブローカーのチェン・ジエが関与している疑いが強まります。
呉潔は独自に調査を進め、犯人のアジトに辿り着きます。そこで明らかになる犯人の動機は、歪んだ愛情と復讐心でした。激しい闘いの末、呉潔は事件を解決しますが、自身の心の傷も癒え始めます。この物語は、個人レベルのドラマと社会問題を絡めています。
解説
映画『この心亡き者』は、台湾の不法移民労働者問題をテーマに据えています。東南アジアからの労働者が直面する搾取や差別を、猟奇殺人事件を通じて描き、社会の暗部を浮き彫りにします。犯人の行為は「愛の静脈」という迷信に基づき、象徴的な意味を持ちます。
監督の曾英庭は、新人監督賞を受賞した才能で、緊張感のある演出が特徴です。暗く不穏な雰囲気は韓国サスペンスを思わせ、視覚的なインパクトが強いです。主演の張鈞甯の演技は、心理描写の深さとアクションの迫力で高評価を得ています。
全体として、ミステリー要素が強く、予測不能な展開が魅力です。移民問題のリアリティが加わることで、単なる娯楽を超えたメッセージ性があります。Netflix配信により、世界的に注目を集め、台湾映画のクオリティを示す作品です。
キャスト
- 呉潔:張鈞甯
- チェン・ジエ:阮經天
- リー・ヤーウェン:詹子萱
- ヤン:傅孟柏
- 犯人:游安順
- サジー:サジー・アピウォン
- 陳為民:陳為民
- 薛仕凌:薛仕凌
- 黄尚禾:黄尚禾
スタッフ
- 監督:曾英庭
- 脚本:徐誉庭
- プロデューサー:張鈞甯、徐誉庭
- 撮影:陳克勤
- 編集:李俊宏
- 音楽:盧律銘
- 美術:王誌成
- 衣装デザイン:受賞チーム
- 製作国:台湾




コメント 雑学・感想など