テキサス大学

テキサス大学オースティン校は、アメリカ合衆国テキサス州オースティン市にある公立研究大学。1883年に設立されたテキサス大学システムのフラッグシップ校で、学生数は約5万3千人、研究支出は年間10億ドルを超えます。世界トップクラスの教育機関として、ノーベル賞受賞者13名を含む著名な卒業生を多数輩出しています。キャンパスは広大で、博物館や天文台を備え、多様な学問分野で優れたプログラムを提供しています。出身女優などにファラ・フォーセット、ジェイン・マンスフィールド、マーシア・ゲイ・ハーデン、フェリシア・デイたち。

歴史
教育
出身女優
出身女性アスリート
おまけ

歴史

テキサス大学オースティン校の歴史は、19世紀初頭に遡ります。1827年、メキシコのコアウイラ・イ・テハス州憲法で公立大学の設立が約束されましたが、実現しませんでした。1836年のテキサス共和国独立後、憲法で教育の義務が定められました。テキサスがアメリカに併合された後、1858年に第七テキサス議会が大学設立のための資金を割り当てましたが、南北戦争の影響で遅延しました。

1876年のテキサス州憲法で大学設立が再確認され、1881年に場所を巡る住民投票が行われ、オースティンに決定しました。1882年11月17日にメイン・ビルの基石が置かれ、1883年9月15日に大学が正式に開校しました。当初は40エーカーのキャンパスにビクトリア朝ゴシック様式の建物が建てられ、2人の教授と221人の学生でスタートしました。

20世紀初頭、大学は急速に拡大しました。1916年には知事ジェームズ・E・ファーガソンの予算否決事件が発生し、政治的混乱を招きました。1923年に大学所有の土地で石油が発見され、パーマネント・ユニバーシティ・ファンド（PUF）が設立され、資金基盤が強化されました。これにより、1931年に建設債券を発行し、キャンパスを拡張しました。

第二次世界大戦中、大学は海軍のV-12プログラムに参加し、学生の加速卒業を支援しました。戦後、入学者の急増により、1960年にマスタープランが策定され、さらなる発展を促しました。1950年代の公民権運動期には、人種統合が課題となりました。1956年に最初の黒人学生が入学しましたが、施設の完全統合は1965年までかかりました。

1966年8月1日、チャールズ・ホイットマンによる塔からの銃撃事件が発生し、14人が死亡する悲劇が起きました。これにより、塔の展望デッキは一時閉鎖されました。1971年には、リンドン・B・ジョンソン大統領図書館がキャンパスに開設されました。

近年では、2006年にブランタン美術館が開館し、2008年にスタジアムが拡張されました。2010年には図書館での銃撃事件が発生しましたが、死傷者は出ませんでした。2020年のCOVID-19パンデミックでは、オンライン授業への移行を余儀なくされましたが、2021年から対面授業を再開しました。2024年には、反DEI法により一部プログラムが終了し、卒業要件の変更が行われました。また、パレスチナ支援デモでの逮捕事件も注目を集めました。

これらの出来事を通じて、大学は教育の守護者として「Disciplina Praesidium Civitatis」のモットーを体現し続けています。現在、テキサス大学システムの中心として、国際的な影響力を発揮しています。

教育

テキサス大学オースティン校は、多様な教育プログラムを提供する世界有数の研究大学です。学部生向けに100以上の専攻、大学院生向けに170以上の学位プログラムを有し、19の学部・大学院と1つの学術単位から構成されています。主要な学部には、リベラルアーツ学部、自然科学学部、エンジニアリングのコクレル・スクール、ビジネス・マコムズ・スクール、法科大学院、看護学部などが含まれます。

教育の特徴は、研究重視のアプローチです。R1分類の博士課程大学として、年間研究支出は10億6,000万ドル（2023年度）に達し、工学、物理科学、コンピュータサイエンス、エネルギー、バイオメディカル分野で優位です。テキサス先進計算センターやマクドナルド天文台などの施設が、学生の研究参加を支えています。

学部入試は競争率が高く、2023年秋の合格率は29.1%で、テキサス州内トップ10%の生徒に自動入学保証があります。2025年秋から標準化テスト（SAT/ACT）が必須化されました。学生の多様性が高く、ヒスパニック系28%、アジア系25%、黒人5%を占めます。名誉プログラムとして、リベラルアーツ・オナーズやプランII・オナーズなど9つがあり、優秀な学生を支援します。

大学院教育も充実しており、薬学学部は全米3位、情報学部は図書館学で6位、地質科学ジャクソン・スクールは地球科学で8位です。ビジネス学部は16位、工学学部は10位、法学部は15位と、高い評価を得ています。インターディシプリナリーなアプローチを重視し、フレッシュマン・リサーチ・イニシアチブで1年生から研究に参加可能です。

キャンパスライフは活発で、17の図書館と7つの博物館が学習を豊かにします。住宅は14の寮で7,000人以上を収容し、ギリシャ生活も盛んです。国際学生4%を擁し、グローバルな視野を養います。卒業生の就職率は高く、平均年収は学部卒で7万ドル以上です。大学は「パブリック・アイビー」として、アイビーリーグ並みの教育を公立料金で提供します。2025年のU.S. Newsランキングでは全米30位、公立7位です。これらの教育環境は、学生の知的成長と社会的貢献を促進します。

出身女優

テキサス大学オースティン校は、多くの著名な女優を輩出しています。以下に主な人物を挙げます。

メリッサ・ベノイスト：演劇を学び、ブロードウェイのミュージカル『美女と野獣』でデビュー。
スーザン・ブレイクリー：テキサス大学オースティン校で学ぶ。1年間在学説が有力。
アラナ・デ・ラ・ガーザ：エルパソ校に入学、理学療法とソーシャルワークを学ぶ。
モーガン・オベンレダー：ビジネスを学び、地元のTV・映画制作に携わった経歴をもつ。
ヘイリー・マクファーランド：短期間学ぶ。
ペニー・ドレイク：写真ジャーナリズムを専攻し、2002年に学位を取得。この専攻は、彼女の視覚的な表現力とストーリーテリングへの関心を反映したもので、大学では新聞の写真記者として活躍し、数々の賞を受賞。
ファラ・フォーセット：1970年代のアイコンで、『チャーリーズ・エンジェルズ』のオリジナルキャスト。映画やTVで活躍し、セクシーなイメージで知られます。
ジェイン・マンスフィールド：1950-60年代のセックスシンボル。『黄金の腕』などでゴールデングローブ賞受賞。劇場界でも成功しました。
マーシア・ゲイ・ハーデン：アカデミー賞受賞女優。『ポロック』で主演女優賞、『ミスティック・リバー』で助演女優賞ノミネート。トニー賞も獲得。
フェリシア・デイ：『バフィー〜恋する十字架〜』出演。作家・プロデューサーとしても活躍し、ウェブシリーズ『The Guild』を制作。
バーバラ・バリー：ブロードウェイと映画女優。『ブレイキング・アウエイ』でアカデミー賞ノミネート、カンヌで主演女優賞受賞。
ディアナ・ダナガン：トニー賞受賞女優。『オーガスト：オセージ郡』で主演。舞台を中心にキャリアを築きました。
ゲイル・デイビス：西部劇『アニー・オークリー』の主演。1950年代のTVスターとして人気を博しました。
リンジー・モーガン：『The 100』で知られる女優。SFドラマで国際的なファンを獲得。
ノエル・ウェルズ：『サタデー・ナイト・ライブ』キャスト。映画『Mr. Roosevelt』の監督・主演も務め、多才な才能を発揮。
ペリ・ギルピン：『フレイジャー』で人気のロズ・ドイル役。コメディ女優として長く活躍。
スーザン・ハワード：『ダラス』でドナ役。ソープオペラの女王として知られます。
チェイス・マスターソン：『スタートレック：ディープ・スペース・ナイン』出演。SFファンに支持される女優。
パメラ・リボン：小説家・TVライター・女優。1996年卒業で、多メディアで活躍。

これらの卒業生は、大学での学びを基にハリウッドで輝き、インスピレーションを与え続けています。

なお、バイオレット・ビーンの映画出演作に、1966年に起きたテキサス大学オースティン校銃乱射事件に焦点を当てたドキュメンタリー映画『テキサスタワー』があります。

出身女性アスリート

テキサス大学オースティン校は、優れた女性アスリートを数多く育て上げています。テキサス・ロングホーンズの女子スポーツはNCAAで輝かしい実績を誇り、オリンピックメダリストを輩出しています。以下に主な人物を挙げます。

メアリー・ルー・レトン：体操の金メダリスト。1984年ロサンゼルス五輪でオールラウンド金メダル、史上初の非東欧人優勝者。5つのメダルを獲得し、スポーツ・イラストレイテッドの年間最優秀女性アスリートに選ばれました。
サニヤ・リチャーズ＝ロス：陸上短距離走者。2006年卒業。北京五輪で400m銅メダル、ロンドン五輪で金メダル。4x400mリレーで複数回金メダル。
キャット・オスターマン：ソフトボール投手。オリンピック金・銀メダリスト。NPFプロリーグで活躍し、大学時代に2度の全国王者。
ジェイミー・ケアリー：バスケットボールポイントガード。2005年卒業。WNBA選手としてプレーし、大学でオールアメリカンに選出。
クラリッサ・デイビス：女子バスケのレジェンド。1989-90年に完璧な34-0記録を樹立。NCAAトーナメントMVP2回、オリンピック金メダリスト。
アリエル・アトキンス：女子バスケ。2020年東京五輪金メダリスト。WNBAのワシントン・ミスティクスで活躍中。
ガブリエル・トーマス：陸上スプリンター。2024年パリ五輪200m金メダリスト。大学時代にNCAAチャンピオン複数回。
デビー・ペトリッツィ：女子ゴルフ。1978年全米最優秀女性アスリート賞受賞。大学で活躍し、プロ転向。

これらのアスリートは、大学スポーツの伝統を体現し、国際舞台でテキサス大学の名を高めています。女子スポーツ部門は、タイトル35個以上を獲得し、ジェンダー平等の象徴です。

おまけ

Neha Aziz Journalism and Film University of Texas at Austin After Film School #027

NEHA AZIZ (she/her) is a Pakistani-born writer, director, film programmer, and podcaster living in Austin, TX. From 2017...

ネーハ・アジズ「ジャーナリズムと映画」／テキサス大学オースティン校アフター・フィルム・スクール｜NEHA AZIZ（彼女／彼女）はテキサス州オースティン在住のパキスタン生まれのライター、ディレクター、映画プログラマー、ポッドキャスター。2017年から2020年までSXSWでコミュニケーション・チームのメンバーとして働く。現在はオースティン・アジアン・アメリカン映画祭のアーティスティック・ディレクター、rePROとクリーブランド国際映画祭のフィルム・プログラマー、アジアン・アメリカン・ドキュメンタリー・ネットワーク（A – DOC）のコミュニケーション・マネージャーを務める。彼女の番組「PARTITION」（限定シリーズ）は2022年8月にデビューし、Apple Podcasts、NPR、Austin Chronicle、The 19th News、Austin American – Statesman、The RepresentASIAN Project、Asian Foundedなどで紹介されている。2023年、NehaはWavelength ProductionsのWAVE Grantを受けた5人のうちの1人で、有色人種の初めての女性／ノンバイナリー監督に与えられる助成金と1年間のメンターシップを受けた。短編『SO, THAT HAPPENED』で監督デビューし、現在映画祭を巡回中。PBSのデジタル・シリーズ『ROOTS OF RESISTANCE』の脚本家でもあり、多くのプロジェクトを開発中。