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Venus in Fur(2017年の演劇)

2017年10月6日から12月9日まで、ロンドンのウエストエンドにあるシアター・ロイヤル・ヘイマーケットで上演された舞台「ヴィーナス・イン・ファー」は、デイビッド・アイヴス作、パトリック・マーバー演出の2人芝居。

ナタリー・ドーマーがワンダ・ジョーダン役を演じ、19世紀の小説「毛皮を着たヴィーナス」の翻案オーディションを舞台に、権力関係、ジェンダー、支配と被支配のテーマを心理的に探求します。ナタリー・ドーマーの魅力的な演技が観客を強く魅了し、話題を集めました。この作品はユーモアと緊張感あふれる展開で、90分間の1幕構成。

Venus in Fur|公式予告編
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ナタリー・ドーマーの活躍

ナタリー・ドーマーはこの舞台でワンダ・ジョーダン役を演じ、圧巻の演技を見せました。最初は遅刻して乱暴な口調で現れる粗野な女優として登場し、ブルックリン訛りの強い話し方や下品なジョークを交え、観客の笑いを誘います。オーディションが始まると、瞬時に洗練された英語やドイツ語に切り替え、役柄の理解度の高さを示します。

彼女はコメディータイミングが抜群で、ウィットに富んだセリフ回しを巧みに操ります。トーマス役のデイビッド・オークスと息の合った掛け合いを展開し、徐々に権力の逆転を印象づけます。後半では支配的な立場に立ち、セクシーで力強い存在感を発揮します。批評家からは催眠術のような魅力的なパフォーマンスと称賛され、劇場の才能を存分に発揮したと評価されました。全体を通じて、観客の目を離さない compelling な演技でした。

ナタリー・ドーマーはこれまで映画やテレビで知られる女優ですが、この舞台では舞台俳優としての本領を発揮し、感情の幅広い表現と身体的なダイナミズムで高い評価を得ました。彼女の演技はジェンダー政治の複雑さを体現し、観客に強い印象を残します。

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ナタリー・ドーマーの衣装・化粧・髪型

ナタリー・ドーマーの衣装は、物語の進行とともに大きく変化します。最初は現代的なカジュアルな服装で登場し、雨に濡れたコートや日常着のようなラフなスタイルです。これにより、遅刻した慌ただしい女優像を強調します。オーディション場面では上品な白いガウンに着替えて変身し、貴族的なワンダ役を体現します。このガウンは清楚でエレガントな印象を与えます。

さらに進むと、支配的なヴィーナス役の衣装に変わります。革のコルセットやファーの要素を取り入れたセクシーでBDSM風の装い、ハイヒールブーツ、網タイツなどが用いられ、鞭を持つ姿も見られます。これにより、強烈な視覚的インパクトを生み出します。化粧は最初はナチュラルで粗野な印象を与えるメイクですが、ガウン着用時には洗練された上品なメイクに変わり、赤い唇や強調された目元で魅力的に仕上げます。クライマックスでは妖艶で力強いメイクが施されます。

髪型は、最初は肩までのブロンドヘアを少し乱した現代風のスタイルです。ガウン着用時はアップスタイルや優雅に整えられ、貴族的な雰囲気を演出します。後半の支配場面ではウェーブを強調したり、セクシーさを際立たせるアレンジが加わります。これらの変化はキャラクターの多面性を視覚的に表現しています。

インタビュー:ナタリー・ドーマーとデイヴィッド・オークス|『Venus In Fur』
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あらすじ

物語はニューヨークの劇場稽古室で始まります。劇作家兼演出家のトーマス・ノヴァチェックは、19世紀の小説「毛皮を着たヴィーナス」を翻案した舞台のオーディションを終え、満足できる女優が見つからず苛立っています。そこに遅れてワンダ・ジョーダンが現れます。彼女は粗野で自信過剰な態度を取りますが、トーマスにチャンスを求めます。

ワンダは驚くほど台本を熟知しており、トーマスが演じる男性役と一緒にシーンを読み始めます。最初は軽い読み合わせでしたが、徐々に本格的な演技になり、2人の境界が曖昧になります。ワンダはワンダ役として貴族的な女性を演じ、トーマスを誘惑し支配します。会話の中でジェンダー観や性的嗜好が議論され、現実と劇中が交錯します。

クライマックスでは権力が完全に逆転し、ワンダがトーマスを支配的な立場から追い詰めます。雷鳴や照明効果が緊張を高め、意外な結末を迎えます。90分間、息つく暇ない展開で、観客は心理戦に引き込まれます。

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解説

「ヴィーナス・イン・ファー」は、元となったレオポルド・フォン・ザッヘル=マゾッホの小説『毛皮を着たヴィーナス』を基に、現代のジェンダー問題や権力構造をメタ的に描いた作品です。オーディションという設定を通じて、俳優と演出家、女性と男性の関係性を探求します。支配と被支配のテーマはBDSM要素を含みつつ、単なるエロティシズムではなく、フェミニズム的な視点から男性中心の社会規範を批判します。

パトリック・マーバーの演出は、照明や音響を効果的に使い、心理的な緊張を高めます。ナタリー・ドーマーの演技は、このテーマを生き生きと体現し、ユーモアとシリアスさをバランスよく融合させます。批評では、タイムリーな性差別議論を反映している点が評価されつつ、男性視点の限界も指摘されます。観客はエンパワーメントを感じ、劇場を出る際に強い余韻が残ります。

この作品は、演劇の役割や現実と虚構の境界を問いかけます。2人芝居の制約の中で、対話の密度が高く、観客の知性を刺激する内容です。ナタリー・ドーマーの存在が、作品の魅力を倍増させています。

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キャスト

  • ワンダ・ジョーダン役:ナタリー・ドーマー
  • トーマス・ノヴァチェック役:デイビッド・オークス
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スタッフ

  • 脚本:デイビッド・アイヴス
  • 演出:パトリック・マーバー

上記のスタッフを中心に、セットデザイン、衣装デザイン、照明デザインなどが制作を支えました。詳細なクレジットは公演資料に記載されていますが、主な貢献者はこれらです。

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