2000年7月14日公開の『X-メン』はマーベル・コミック原作のスーパーヒーロー映画。ミュータントの迫害と共存を描き、プロフェッサーX率いるX-メンが人類滅亡を企むマグニートーと戦う。ヒュー・ジャックマンら豪華キャストが出演。
基本情報
- 邦題：X-メン
- 原題：X-Men
- 公開年：2000年
- 製作国：米国
- 上映時間：104分
- ジャンル：アクション、SF
- 配給：20世紀フォックス映画
あらすじ
近未来、遺伝子の突然変異により超能力を持つミュータントが人類から迫害される世界。プロフェッサーX（パトリック・スチュワート）は、ミュータントの若者を保護し、能力を制御する「恵まれし子らの学園」を運営する。一方、かつての親友で磁力を操るマグニートー（イアン・マッケラン）は、人類を支配しようと過激派ミュータント集団「ブラザーフッド」を率いる。記憶を失った放浪者ローガン（ヒュー・ジャックマン）は、触れる者の能力や生命力を吸収する少女ローグ（アンナ・パキン）と出会い、旅を共にするが、ブラザーフッドのセイバートゥース（タイラー・メイン）に襲われる。そこをX-メンのサイクロップス（ジェームズ・マースデン）とストーム（ハル・ベリー）に救われ、学園へ連れられる。マグニートーは「ミュータント登録法案」を推すケリー上院議員（ブルース・デイビソン）を拉致し、人間をミュータントに変える装置を使い、エリス島のサミットで各国首脳をミュータント化する計画を立てる。装置の起動にはローグの能力が必要で、彼女はミスティーク（レベッカ・ローミン＝ステイモス）の策略で拉致される。X-メンは自由の女神像でブラザーフッドと対決し、ローガンは自身の治癒能力を分け与えてローグを救う。マグニートーは捕らえられ、ミスティークは逃亡するが、登録法案は取り下げられる。プロフェッサーXはローガンの過去の手がかりとしてアルカリ湖を教え、彼は新たな旅へ出る。
解説
『X-メン』（原題：X-Men）は、2000年7月14日にアメリカで公開され、日本では同年10月7日に公開されたSFアクション映画です。マーベル・コミックの人気作品を原作とし、ブライアン・シンガー監督が手掛けた本作は、後のアメコミ映画ブームの先駆けとなりました。ミュータントと人間の対立や差別というテーマを軸に、善悪の戦いを超えた人間ドラマを描き、視覚効果とリアルなコスチューム・デザインでコミックの魅力を再現。興行収入は全世界で2億9630万ドルを記録し、2000年の映画で9位の成功を収めました。物語は、個々のキャラクターの葛藤や成長を丁寧に描きつつ、アクションシーンは控えめながらも能力の特徴を活かした戦闘が魅力です。特に、ミュータントの能力を「障害」か「才能」と捉えるかという視点や、人種差別のメタファーとして深みを与えています。本作の成功は『X-MEN2』（2003年）や『スパイダーマン』（2002年）など、マーベル映画の新時代を切り開きました。批評家からはアクションの物足りなさを指摘される一方、キャスティングの完成度やテーマの深さは高く評価されています。シリーズの礎として、キャラクターの背景や世界観を確立し、後の作品に大きな影響を与えました。
女優の活躍
本作では、ファムケ・ヤンセン（ジーン・グレイ）、ハル・ベリー（ストーム）、アンナ・パキン（ローグ）、レベッカ・ローミン＝ステイモス（ミスティーク）が主要な女性キャラクターを演じ、それぞれの個性と能力で物語に深みを加えました。
ファムケ・ヤンセン（ジーン・グレイ）
ジーン・グレイはテレパシーとテレキネシスを持つX-メンの頭脳。落ち着いた知性と優しさでチームを支え、プロフェッサーXの右腕として活躍。セレブロを修復し、ローグの居場所を突き止める重要な役割を果たす。ヤンセンの抑制された演技は、ジーンの内面の強さと葛藤を表現。
ハル・ベリー（ストーム）
天候を操る能力を持つX-メンの主力。ローグとローガンを救うシーンや、自由の女神像での戦いで雷を放つ姿が印象的。ベリーの堂々とした演技は、ストームの威厳と力強さを強調し、チームの精神的支柱としての存在感を示す。
アンナ・パキン（ローグ）
触れるだけで他者の能力や生命力を吸収する能力を持つ少女。物語の中心人物として、孤独と恐怖を抱えながらも成長する姿を繊細に演じる。パキンの感情豊かな演技は、ローグの脆弱さと勇気を観客に伝え、物語の感動を牽引。
レベッカ・ローミン＝ステイモス（ミスティーク）
変身能力を持つブラザーフッドのメンバー。狡猾で冷酷な敵役として、ローグを罠にかけたり、ケリー上院議員に変身して法案を操作するなど暗躍。ローミンの身体的な表現力とミステリアスな魅力が、ミスティークの危険な個性を際立たせる。
女優の衣装・化粧・髪型
各女優の衣装、化粧、髪型は、キャラクターの個性やコミック原作の再現を意識しつつ、映画のリアリスティックなトーンに合わせたデザインが特徴です。
ファムケ・ヤンセン（ジーン・グレイ）
衣装は黒を基調としたX-メンのユニフォームで、知的で落ち着いた印象。タイトなレザースーツは動きやすさと機能性を重視。化粧はナチュラルで、知的な美しさを引き立てる控えめなメイク。髪型は赤みがかったロングヘアをシンプルに下ろし、プロフェッショナルな雰囲気を演出。
ハル・ベリー（ストーム）
ストームの白髪はコミックを忠実に再現した特徴的なロングヘアで、劇中では緩くウェーブがかかったスタイル。衣装はX-メンの黒いレザーユニフォームで、力強いイメージを強調。化粧は自然体で、強さと優雅さを兼ね備えた雰囲気を表現。戦闘シーンでは風になびく髪がダイナミックな印象を与える。
アンナ・パキン（ローグ）
家出少女らしいカジュアルな服装（フード付きコートやマフラー）が特徴で、若さと不安定さを表現。髪型はブラウンと白のツートンカラーのロングヘアで、コミックの特徴を反映。化粧はほぼスッピンに近く、10代のナチュラルな魅力を強調。学園シーンではシンプルな学生服で親しみやすさを演出。
レベッカ・ローミン＝ステイモス（ミスティーク）
青い鱗状の皮膚と赤い髪が特徴のミスティークは、全身に特殊メイクを施し、衣装は最小限で身体のラインを強調。化粧は青い肌に合わせた濃いアイメイクと赤いリップで、妖艶かつ危険な印象。髪型はショートで動きやすく、戦闘時の俊敏さを表現。
キャスト
- ヒュー・ジャックマン（ローガン / ウルヴァリン）：不死身の治癒能力と金属の爪を持つ主人公
- パトリック・スチュワート（チャールズ・エグゼビア / プロフェッサーX）：テレパシー能力を持つX-メンのリーダー
- イアン・マッケラン（エリック・レーンシャー / マグニートー）：磁力を操る敵のリーダー
- ファムケ・ヤンセン（ジーン・グレイ）：テレパシーとテレキネシスを持つX-メンのメンバー
- ジェームズ・マースデン（スコット・サマーズ / サイクロップス）：眼光線を放つX-メンのメンバー
- ハル・ベリー（オーロラ・モンロー/ ストーム）：天候を操るX-メンのメンバー
- アンナ・パキン（マリー・ダンキャント / ローグ）：他者の能力を吸収する少女
- レベッカ・ローミン＝ステイモス（ミスティーク）：変身能力を持つ敵
- タイラー・メイン（セイバートゥース）：怪力を持つブラザーフッドのメンバー
- レイ・パーク（トード）：カエル人間の敵
- ショーン・アシュモア（ボビー・ドレイク / アイスマン）：氷を操る学園の生徒
- ブルース・デイビソン（ケリー上院議員）：ミュータント登録法案を推す政治家
スタッフ
- 監督：ブライアン・シンガー
- 脚本：デビッド・ヘイター
- 原案：トム・デサント、ブライアン・シンガー
- 製作：ローレン・シュラー・ドナー、ラルフ・ウィンター
- 製作総指揮：アビ・アラド、スタン・リー、リチャード・ドナー、トム・デサント
- 撮影：ニュートン・トーマス・サイジェル
- 美術：ジョン・マイヤー
- 編集：スティーブン・ローゼンブラム、ケビン・スティット、ジョン・ライト
- 音楽：マイケル・ケイメン
- 視覚効果監修：マイケル・フィンク
- 製作会社：20世紀フォックス、マーベル・エンターテインメント
- 配給：20世紀フォックス
レビュー 作品の感想や女優への思い